月室に 銀の香炉を ひとつ置き うぐひの声を 焚きてもみむか
*今日は短歌を紹介してみましょう。これはわたしの作ではないのですが。
月室というのは、作者の造語です。月宮という言葉はあるのですが、それだと、今かのじょがいる岩戸は、こじんまりとしすぎているので。
うぐいは小さな淡水魚です。もちろん魚が声を発するはずもない。静けさというのを表現するのには、こういう技術もあるということです。
眠っている人の邪魔をしないように、静かにしてあげたい。だがその静けさの中にも、何らかの愛の香を焚き込んであげたい。そういう作者の思いでしょう。
透明な百合でも、周りに植えてあげたい。静けさだけでは痛すぎる。
かのじょというひとは、それはとても美しいひとですよ。
高貴ということばが、きついと感じるほどだ。
自己存在というものは、進化すればするほど高貴になってくるものですが、こういう進化もあり得るのかという形をしています。
やさしい。やわらかい。かわいらしい。
見る者の愛を、激しくかきたてる。
わたしの友達はみな、二度とかのじょをあなたがたには見せないと言っていますが、わたしは、見ないほうがいいと言います。
見ないほうが、あなたがたには幸せだ。こんなものを見てしまえば、もう人間ではいられなくなる。
他のブログでは、短歌などはいくつかを束にして発表していますが、ここでは一つ一つを、じっくり味わっていきましょう。