千葉県革新懇ニュースが、池上幸江医学博士のインタビューを紹介しています。
池上博士は、今月26日(日)午後2時~睦沢町中央公民館で食品の安全と放射能についての講演を予定されています。
以下、千葉革新懇ニュースより転載します。
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千葉市美浜区在住の大妻女子大学名誉教授で、国立健康・栄養研究所名誉所員である薬学博士の池上幸江(さちえ)さんから原発事故と食品・水などの問題や、これまでの研究者としてのあゆみなどをうかがいました。
池上さんは大学を定年退職され、お孫さんの育児の手助けのため千葉に来たのですが、昨年の3・11以降は、「放射能と食品」で各地から講演を依頼され、飛び回っています。
放射能と食品
各地で講演
3・11以降、30回を超える講演の内容は、福島の原発事故による食品・水の汚染状況など多岐にわたっています。
食品・水の放射能規制、食品・水道水汚染の実態、母乳、大気の放射能汚染、放射線の健康への放射線の健康への影響と対策などです。
そして、これらを時間的経過で明らかにするとともに、実態では福島や千葉県の地城ごとのデータにもとづいてのべています。
放射能の規制に関しては、福島での事故以前から国際放射線防護委員会(ICRP)による勧告で、原子力委員会が指標値をもっていました。この基準が事故後、労働省により採用され、食品安全委員会が検討し妥当と判断しましたが、年間10ミリシーベルトを超えても 「不適切といえない」など問題もありました。
その後、昨年末、新たな規格基準が設定されました。朝日新聞と京大による昨年12月4日の食事調査では、福島や関東でも食事全体からの放射能はこの新基準値の根拠となっている年間1ミリシーベルトよりかなり低くなっています。また西日本では放射線はほとんど検出されませんでした。
心配な福島の子ども達
今回の事故で現在一番心配されるのは、事故直後における福島の子どもたちの被爆です。これはチェルノブイリなどでは、5~IO年後に甲状腺ガンが多数発生しており、日本政府の対応が悪かったため、今後追跡していかなければならない深刻な問題です。
放射能の汚染に対しては、事実にもとづいて科学的に冷静な判断が求められますので、この問題を「恐れず」「あなどらず」の精神で臨み、学んで欲しいと思います。
原発事故に対して東電や政府への対応も大切ですが、この間感じたことは自治体の首長をはじめとした姿勢で、住民への対応が大きく異なることです。「住民が、自治体を動かすこと」が大事だと思います。 ヽ
正義とねばりの人生
池上さんの物事に対するまっすぐで科学的な見方は、その経歴にあります。
大阪大学の薬学部を出て、大阪にある厚生省衛生試験所に就職。大学でも、職場でも、今日からみれば女性の評価や扱いは「セクハラ」ともいえるものでした。就職して、まもなく職場で組合の結成に参加。そして仲間と共に「科学者会議」にも加盟しました。「組合活
動をしているから研究がおろそか」と言われたくないので、「研究も組合も」とがんばりました。子育てしながらでしたから大変でした。民間に就職した同級生の多くは「寿退職」した方も多くいました。
そういう中で、非民主的な人事を行った所長を排斥するなど職場の民主化もすすみました。国立栄養研究所では、女性ではじめて「部長」になりましたが、「民主的職場づくり」が功を奏して、今日では職場に女性の「部長」は当たり前になっているのを喜んでいます。
厚生省を退職後就職した大妻女子大学の教授も定年退職し、今はまったく自由の身分です。千葉市の革新懇の会員にもなり、みなさんと一緒に活動ができてうれしく思っています。◆池上さんは、お孫さんのお世話もしながら社会とのつながりをしっかりもってがんばっています。今後ますます住民のためにがんばって欲しいと思います◆
(聴き手 河内・谷ヶ崎)
池上博士は、今月26日(日)午後2時~睦沢町中央公民館で食品の安全と放射能についての講演を予定されています。
以下、千葉革新懇ニュースより転載します。
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千葉市美浜区在住の大妻女子大学名誉教授で、国立健康・栄養研究所名誉所員である薬学博士の池上幸江(さちえ)さんから原発事故と食品・水などの問題や、これまでの研究者としてのあゆみなどをうかがいました。
池上さんは大学を定年退職され、お孫さんの育児の手助けのため千葉に来たのですが、昨年の3・11以降は、「放射能と食品」で各地から講演を依頼され、飛び回っています。
放射能と食品
各地で講演
3・11以降、30回を超える講演の内容は、福島の原発事故による食品・水の汚染状況など多岐にわたっています。
食品・水の放射能規制、食品・水道水汚染の実態、母乳、大気の放射能汚染、放射線の健康への放射線の健康への影響と対策などです。
そして、これらを時間的経過で明らかにするとともに、実態では福島や千葉県の地城ごとのデータにもとづいてのべています。
放射能の規制に関しては、福島での事故以前から国際放射線防護委員会(ICRP)による勧告で、原子力委員会が指標値をもっていました。この基準が事故後、労働省により採用され、食品安全委員会が検討し妥当と判断しましたが、年間10ミリシーベルトを超えても 「不適切といえない」など問題もありました。
その後、昨年末、新たな規格基準が設定されました。朝日新聞と京大による昨年12月4日の食事調査では、福島や関東でも食事全体からの放射能はこの新基準値の根拠となっている年間1ミリシーベルトよりかなり低くなっています。また西日本では放射線はほとんど検出されませんでした。
心配な福島の子ども達
今回の事故で現在一番心配されるのは、事故直後における福島の子どもたちの被爆です。これはチェルノブイリなどでは、5~IO年後に甲状腺ガンが多数発生しており、日本政府の対応が悪かったため、今後追跡していかなければならない深刻な問題です。
放射能の汚染に対しては、事実にもとづいて科学的に冷静な判断が求められますので、この問題を「恐れず」「あなどらず」の精神で臨み、学んで欲しいと思います。
原発事故に対して東電や政府への対応も大切ですが、この間感じたことは自治体の首長をはじめとした姿勢で、住民への対応が大きく異なることです。「住民が、自治体を動かすこと」が大事だと思います。 ヽ
正義とねばりの人生
池上さんの物事に対するまっすぐで科学的な見方は、その経歴にあります。
大阪大学の薬学部を出て、大阪にある厚生省衛生試験所に就職。大学でも、職場でも、今日からみれば女性の評価や扱いは「セクハラ」ともいえるものでした。就職して、まもなく職場で組合の結成に参加。そして仲間と共に「科学者会議」にも加盟しました。「組合活
動をしているから研究がおろそか」と言われたくないので、「研究も組合も」とがんばりました。子育てしながらでしたから大変でした。民間に就職した同級生の多くは「寿退職」した方も多くいました。
そういう中で、非民主的な人事を行った所長を排斥するなど職場の民主化もすすみました。国立栄養研究所では、女性ではじめて「部長」になりましたが、「民主的職場づくり」が功を奏して、今日では職場に女性の「部長」は当たり前になっているのを喜んでいます。
厚生省を退職後就職した大妻女子大学の教授も定年退職し、今はまったく自由の身分です。千葉市の革新懇の会員にもなり、みなさんと一緒に活動ができてうれしく思っています。◆池上さんは、お孫さんのお世話もしながら社会とのつながりをしっかりもってがんばっています。今後ますます住民のためにがんばって欲しいと思います◆
(聴き手 河内・谷ヶ崎)