信濃国分寺跡の「カバンの藤棚」は、母が、亡くなる少し前に、初めて、見に行ったが、信濃毎日新聞で、寺の北側の休耕田を利用して、10年程前に、住職が、ハスの花を植え、市民有志が、支援して、育ててきたと報じていたので、是非、一度、見たいと思い立ち、女房殿と出掛けた。ベトナムやタイで、突然、車窓から、ピンクの花が、一面に、咲き誇る様は、南国の陽の光の下、神々しく、輝いていたのを覚えている。西方浄土の彼方に、咲くと謂われているハスの花は、朝早く、咲くときに、ポンという音を立てるそうだが、人生、一度は、聴いてみたいと思わずにいられないくらい、見事な花の出来映えである。又、葉の上に、溜まった一粒の雨粒は、自然の造形の賜ものである。境内の室町中期の創建とされる三重の塔も、なかなか、趣があり、この地方の花の観賞が好きな人には、5月の藤棚と7月のハスの花は、見逃せないものであろう。
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