平たい形の薬のびんには丸薬が入っていたのでしょう。
農協のマークで価格のシールが貼られています。
薬は赤い粒で、ラベルには効能として、清涼 気付け毒消し、と書いてあります。
子供のころ生家にあったものは、効用から考えると同じ薬の違う形状だったのでしょうか。
2枚貝のハマグリに、印鑑の朱肉のような色をして、ネトッとした状態で入っていました。
当時私は4歳くらいだったと思います。
両親が野良から戻らない明るいうちに、庭先の風呂小屋の五右衛門ぶろに祖父と入ったようです。
お風呂上がりの裸の私は、フラフラとこたつ掛け布団の端に倒れ込みました。
「自分に合わせて、熱い湯に入れるから」と祖母が祖父に小言を言っているのを仰向けのまま、ぼんやり聞いていました。
上半身裸のままの祖父は「テリアカを出せ」と祖母に言いました。
貝を開いて赤いものを指に取り、台所へ行き戻って来て、私の顔に口から冷たい水を吹きかけました。
そのあとの記憶はありません。
今思えば、気付けの効能利用のテリアカを溶かした水だったのでしょう。
そのとき私は「茹でた孫」 ゆで卵でした?
7つ違いの祖父母は65年連れ添って、祖父は90で祖母は88で逝きました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます