名古屋北部青年ユニオン  2012/8/13~

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得をするのは、企業と派遣会社のみ

2013-09-12 | 労働ニュース
■労働政策審議会の審議開始

2013年8月20日に「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書」が公表されました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000016029.html

本日、30日から労働政策審議会での審議が開始されます。


■規制改革雇用WGが独自案提案の動き

他方で、規制改革会議が、厚労省研究会案は、規制緩和が不十分だとして、労働者保護のための規制を見直す「独自案」を10月末にも提起すると朝日新聞が報道しています。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201308290645.html?ref=pcviewpage


■厚労省の研究会報告書

報告書は、製造業派遣を解禁することを前提としています。また、派遣労働者を入れ替えることを前提にして、受入期間(3年)の上限を撤廃します。派遣労働者を入れ替えれば、派遣先の労使のチェック(承認?)を要件とし、長期に派遣を派遣先企業は使うことができることになります。

これで企業(派遣先)は、派遣労働者を継続的に長期に使用できます。直接雇用の労働者(正社員)を減らして派遣労働者を継続的に使用することができます。派遣会社(派遣元)は、派遣ビジネスを広く展開することができることになります。

結果、正社員は減少して、派遣社員は増加することは間違いない。


■雇用安定化措置は実効性がない

他方、有期雇用遣労働者について、雇用安定化措置を派遣元に義務づけるとしています。

① 派遣先への直接雇用の申入れ
② 新たな派遣先就業の提供
③ 派遣元での無期雇用化

この雇用安定化措置の内容も明確ではありません。

①については、派遣先に直接雇用を義務づけるものではないので、派遣先が拒めばおしまいです。

②については、他の派遣先が見つからなければ、仕事を失うことになります。
したがって、①と②は実効性のある雇用安定化措置となりません。

では③ですが、「派遣元での無期雇用化」としますが、派遣会社が有期雇用派遣を無期契約に転換することまで義務づけるかどうかは不明です。

労働契約法20条は、有期契約を5年を超えて更新した場合には無期契約転換権を労働者に認めます。これと同じように、③「派遣元での無期雇用化」がそこまでの効力(私法的効力)を認めるかは不明です。

(派遣元との間で無期雇用化すれば、派遣労働者は派遣会社との間では雇用が安定します。新たな派遣先が見つからなくても派遣会社は派遣労働者に給料を支払わなければならない。)

派遣労働者法は、取締規定であり私法的効力を持たないという立場が多数説ですから、おそらく、上記の無期転換化は、いわば派遣元の努力義務の程度のものでしょう。


■結局

結局、製造業派遣等を自由化して、政令26業務については、現行法では派遣労働者は上限なく派遣先で働けるけれども、この改正では3年で入れ替えられて仕事を失います。雇用安定化措置は絵に描いた餅でしょう。そして、正社員でなく派遣労働者が増えていく。

得をするのは、企業と派遣会社のみだと思います。
http://blogos.com/article/69092/?axis=t:4390
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派遣制度見直し案に反対=「到底理解できない」―古賀連合会長

2013-09-12 | 労働ニュース
派遣制度見直し案に反対=「到底理解できない」―古賀連合会長
時事通信 9月12日(木)19時58分配信

 連合の古賀伸明会長は12日の記者会見で、派遣労働者を使用できる期間を最長3年とする現行ルールの一部廃止などを盛り込んだ厚生労働省研究会の労働者派遣制度見直し案について「到底理解できない。(連合の主張と)真っ向から対立する」と述べ、反対する考えを示した。
 厚労省は研究会の見直し案を踏まえ、有識者や労使の代表で構成する労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で年内に結論を出し、2014年の通常国会に労働者派遣法改正案を提出する方針。しかし、連合が反対する姿勢を鮮明にしたことで、調整は難航しそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130912-00000142-jij-pol

会社の御用組合でも、反対しているくらいです。
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「過重業務で自殺」提訴…電機メーカー社員遺族

2013-09-12 | 労働ニュース
大手電機メーカー「JVCケンウッド」(横浜市神奈川区)に勤務していた横浜市の男性(当時42歳)が自殺したのは、過重な業務負担が原因だとして、男性の両親や妻が同社に対し、約1億230万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こしていたことがわかった。

10日に第1回口頭弁論があり、会社側は請求棄却を求めた。

 訴状などによると、男性は1993年、合併前のケンウッドに入社し、主に家庭用オーディオ機器の商品開発を担当。昨年から主力の新商品の企画に携わるようになったことで業務に追われ、同年12月以降は、自宅でも数時間の「持ち帰り残業」が常態化。今年2月にうつ病と診断され、3月11日の出社後、社内の倉庫で首をつって自殺したという。男性の携帯電話には「仕事でたちゆかなくなりました。もうどうにも出来ない感じです」などとするメモが残されていた。

 一方、会社側は「過去の業務と比較しても過酷な負担を課した事実はない。男性から病状の報告を受けた後、心理的負担を軽減させる措置を講じた」と主張し、全面的に争う姿勢を示している。

(2013年9月11日19時21分 読売新聞)

写真:JVCのHPより
JVCケンウッドグループは、従業員一人一人の成長をサポートする教育・研修体系の整備に努めるとともに、安全で働きやすい職場環境の整備に努めています。


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