名古屋北部青年ユニオン  2012/8/13~

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「庄や」役員に損害賠償、絶えない外食産業での過労死

2013-09-27 | 労働ニュース
従業員の過労死をめぐる裁判で、会社と役員個人の責任を認める判決が再び下った。上場企業で役員個人への損害賠償が認められるのは、極めてまれな事例となる。

損害賠償を命じられたのは、「庄や」「日本海庄や」などを手掛ける居酒屋チェーン大庄と、平辰(たいらたつ)社長ら役員4名。2007年4月に同社へ入社後4カ月で心機能不全により死亡した、吹上元康(ふきあげもとやす)さん(享年24)の両親が起こした訴訟だ。10年5月25日の京都地裁に続き、11年同日の大阪高裁でも大庄側が敗訴した。

両判決では大庄と役員4名に連帯して約7860万円の支払いを命令。被告らは11年6月8日、控訴棄却を不服として上告し、判決内容は最高裁まで争われることになった。

裁判の大きな争点は、元康さんの長時間労働と死亡の因果関係だ。元康さんは入社4カ月で月平均276時間働き、うち平均112時間の時間外労働をしていた。大庄側は、元康さんの睡眠時間が短かったこと、酒量が多かったことなどを死亡原因として主張。だが一、二審とも裁判所はそうした事実を否定し、「被告会社の安全配慮義務違反等と元康の死亡との間に相当因果関係があるものと認められる」と断じた。

被告らが負うべき責任範囲についても厳しい判決が下された。

大庄は新卒募集の際、基本給ともいうべき給与の最低支給額19万4500円に、「80時間の時間外労働」を組み込んでいた。つまり、時間外労働として80時間勤務しないと不足分が控除される仕組みだったが、就職情報サイトには「営業職月給19万6400円(残業代別途支給)」と記載。また、労使協定で例外として時間外労働を認める三六協定(労働基準法36条)では、6カ月を限度に1カ月100時間の時間外労働を許容していた。そのため、例外である時間外労働を給与の最低支給額に組み込む、“残業ありき”とも捉えられかねない給与体系だった。

こうした状況に対し、一審は「(会社は)労働者の労働時間について配慮していたものとは全く認められない」とし、さらに「取締役は(中略)労働者の安全に配慮すべき義務を負い、それを懈怠して労働者に損害を与えた」と言明。会社法429条1項の「責任を負うと解するのが相当」と述べた。
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野に放たれたピンハネ産業

2013-09-27 | 労働ニュース
野に放たれたピンハネ産業

 もともと労働者派遣法は正社員として採用しなくとも労働者を調達できる、究極の正社員削減法として制定された。 
 85年に成立。コンピュータ関連の労働者を中心にして派遣業務がはじまった。以来、派遣の対象となる業種をひろげつづけ、04年、小泉=竹中時代に、本命の工場労働への派遣を全面的に解禁した。 
 財界の要望だったことはまちがいない。だからこそ09年8月に民主党が経団連にマニフェストの説明に行ったさいにも、御手洗冨士夫会長は「製造業への派遣を認めてほしい」と強調した。これほど大企業にとっておいしい法律はない。おかげでいざなぎ景気を超える好景気だったのに、もうかるのは企業だけ。労働者の生活は苦しくなる一方というおかしな状況となった。 
 労働者派遣法が全産業にひろまり、さまざまな業種で派遣社員を勝手放題使えるようになると、企業はリストラを敢行し、その代わりに派遣社員を雇いいれた。おかげで、労働者の賃金をかすめ取る暴力団手配師のような企業が、大企業として発展していった。 
 時給1750円が斡旋業者に支払われながら、労働者がもらえるのは1150円。つまり時給から600円も差っ引く、最悪のピンハネ産業が野に放たれた。 

 08年1月には最大手だったグッドウィルも事業停止命令を受け、全708事業所で派遣事業を停止、この年の7月には廃業となっている。自業自得である。 
 また、同社は労働者から「業務管理費」や「データ整備費」の名目で、一回の派遣あたり200~250円を、賃金をピンハネしていた以外でも天引きしていた。この悪質なピンハネによって、グッドウィルは10年間で150億円もかき集めたと報じられている。
 幸いなことに、派遣労働者が労組を結成して対抗。裁判闘争で和解を勝ち取ったが、ピンハネした全額が返金されたわけではない。 

 立場の弱い労働者からむしり取るだけむしり取る。それが派遣業の正体である。実際、グッドウィルの関係者は「法を犯してでも収益を上げる努力をするのが当然という雰囲気があった」(『読売新聞』07年8月4日)と語っている。
このような社風を持つ派遣会社は少なくない。06年11月にグッドウィルに買収されることになったクリスタルは、派遣どころかリストラにまで手を貸していた。 
 「02年夏、派遣・請負最大手のクリスタル本社の役員が大手スーパーを営業に訪れた。スーパーの社員をいったんクリスタルの子会社に出向社員として受け入れ、別の取引先の現場責任者に配置する計画。賃金の二割はクリスタル側が負担し、労働条件は同じ。『正社員でも雇用したい』とまで言ったという。人件費をカットできるうえ、出向先で再雇用されると完全なリストラにもなる。50人の出向の話がまとまった」(『毎日新聞』05年12月31日) 
 結局、クリスタル側が約束したマネジメントの現場仕事など、ほとんどなかったという。実際の仕事が工場やレジ打ちだったというから、事前の説明との食いちがいに出向者から不満が漏れるのは当然だ。 
 クリスタルの狙いは大手企業にリストラをすすめて派遣の割合を増やし、売り上げを稼ぐことだった。このような会社の売り上げが、05年3月期で5387億円である。抱えている労働者は13万人。これだけの人間からピンハネしていれば濡れ手に粟である。 

 たとえ、一企業を厳罰に処したとしても、根本的な問題は解決しないところまで、事態は深刻化している。 
 労働者派遣法があるかぎり、派遣労働者は減らない。派遣法があれば企業は人を採用しなくてすむからである。露骨なまでに経営者のための法律だ。好きなときに好きな人間を、好きなように調達できる派遣法があるかぎり、派遣労働者は救われることはない。 
    〈中略〉 
 若年フリーターも、いずれは年長フリーターとなっていくのだから、職歴も技術ももたない彼らが、このままの状態では、やがてホームレスや生活保護者になる確率は高い。大企業が目先の利益を上げるためだけに、日本の社会不安をどんどんつくりだしている。これは企業の社会的責任の問題である。
『民主党 波乱の航海』アストラ 2009年11月 p50~p53から抜
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<日本IBM>「解雇は不当」元社員4人が提訴

2013-09-27 | 労働ニュース
<日本IBM>「解雇は不当」元社員4人が提訴
毎日新聞 9月27日(金)11時6分配信

 日本IBM(東京都中央区)による解雇は不当だとして、元社員で全日本金属情報機器労働組合日本IBM支部のメンバー4人が26日、社員としての地位確認や損害賠償など約5300万円の支払いを求め東京地裁に提訴した。解雇を巡る同支部メンバーの提訴は計10人となった。他にも勤務査定が悪いことを理由に7月から賃金を8~12. 8%減額されたのは違法だとして同支部の9人が減額分の支払いを求めて同日提訴した。

 解雇不当で提訴したのはシステムエンジニアだった男性(50)ら4人。訴状などによると、4人は6月21日から24日にかけ解雇を通告され、28日に解雇された。いずれも「業績が低い状態が続いている」などと告げられ具体的な説明はなかったという。

 賃金減額を巡る9人の提訴については、減額を自由に決められる就業規則の変更が「合理的でない」として労働契約法に違反すると主張している。

 同労組の日本IBM支部では昨年7月から今年6月にかけて26人が解雇された。解雇された元社員の8割超が支部のメンバーで、労組は26日、東京都労働委員会に「組合を狙い撃ちにした不当労働行為だ」として救済を申し立てた。

 労組の大岡義久委員長は「解雇の自由化を先取りしたような解雇や賃金の減額を認めるわけにはいかない」。日本IBMの広報部は「訴状が届いていないのでコメントできない」と話している。【東海林智】
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大阪市の労組退去問題:不当労働行為を認定 府労働委

2013-09-27 | 労働ニュース
大阪市の労組退去問題:不当労働行為を認定 府労働委
毎日新聞 2013年09月26日 12時00分(最終更新 09月26日 12時52分)

 大阪市が職員労働組合に市庁舎からの事務所退去を求めた問題を巡り、大阪府労働委員会(府労委)は26日、市が労組との団体交渉を拒否したのは労働組合法が禁じる「不当労働行為」に当たると認定し、交渉に応じるよう市に命じた。命令は「労使関係に影響を及ぼす範囲では義務的団体交渉事項に当たる」として、労組側の主張を認めた。市は中央労働委員会に再審査を請求する方針。

 橋下徹市長の就任後、府労委が市の不当労働行為を認定するのは、職員の政治・組合活動に関するアンケートに続き2回目。

 命令などによると、橋下市長は2011年12月、労組が庁舎で政治活動をしているとして、退去を求める方針を表明。職員約2万7000人が加入する市労働組合連合会(市労連)などは12年2月、市から退去通知を受けて、団体交渉を申し入れたが、市側は拒否した。

 市労連などは庁舎から一時退去する一方、交渉拒否は不当労働行為に当たるとして同年4月、府労委に救済を申し立てた。

 市側は、庁舎の使用許可は団体交渉の対象にならない「管理運営事項」に当たるなどと主張。しかし、府労委は、労組が事務所に関する事項全般の交渉を申し入れているとして、「労使関係に影響の及ぶ範囲では応じなければならない」と判断した。【村上尊一、津久井達】
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