自宅には内田藍亭先生が揮毫された、母の「幸」の字を入れた『幸慶』の額装が飾られれています。
友人の書道家 内田藍亭さんとはどちらかと言えば酒飲み仲間で、いろいろな場面でお付き合いさせていただいています。
以前、「夢」と言う字を揮毫(書いて)いただきましたので、夢に絡んで無理言って「初夢」を揮毫してくれないかとお願いしました。
すると「漢字5書体」もお送りいただいたのです。篆書体(金文)・隷書体・草書体・行書体・楷書体で揮毫されたものでした。
各書体については、後日詳しくご紹介いたします。
金文で「初夢」と揮毫(書かれて)されています。そこで漢字の原点のような金文で「初夢」と言う書体の成り立ちなどお教えいただきたいので、昼飲み会をしたのも一つの理由です。
ある日のこと、お互いの中間点である駅前で待ち合わせしました。私はよく行く店です。
いやぁ~混んでいますね。まだ昼の1時過ぎですよ。8割方が女性客です。
我々も負けじと乾杯です。
先生が編集なさった「古典に見る臨書研究(中国編)」の図書をいただきました。
次に熱燗を注文しました。美味いですねぇ~ 特に昼飲みは・・・。
藍亭先生からいただいた「加工紙・大色紙サイズ」の「初夢」です。
金文でのご説明です。
そして、書体の成り立ち?をお教えいただきました。
指さしているのが「初」と言う字です。これが「初」に読めますかね?
「初」は「衣があって+刀」と言う字になっています。
意味は、刀で衣を裁ち産着を初めてつくる。ことから「初」と言う字(金文?)が出来たそうです。
続いて「夢」と言う字です。時代背景が異なると仰っていましたが、なんか上の部分が角のように見えますが、太い眉毛と目で寬(うかんむりの無い字)カン*パソコンでは出て来ません。で「巫女」を表し+下の夕(夜)で、巫女が操る霊が夜にあらわれる。と言う形が「夢」と言う字を表していると言っていました。
へぇ~です。夢は巫女さん操る霊なんですね。私はよく夢を見ますが、巫女さんが操っているとは・・・。女難の相があるのかなぁ~?そんな相があっても、今ではその気にもなりません。
いやぁ~簡単な考えで、「初夢」を書いてくれないかと無理なお願いをしちゃいました。
初夢とは、年明け後の元日~1月2日にかけて初めて見る夢のことで、近年に使われた言葉だったんですね。
一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」の夢を見ると縁起が良いといわれています。富士は「無事」、鷹は「高い」、茄子は「成す」という言葉にかけられています。
一富士二鷹三茄子の由来には諸説あるようですが、徳川家康が好んだ「富士山」「鷹狩り」「茄子」を順番に並べたという説が有力のようです。
いづれにしても時代背景のない合わせ文字なので、先生もご苦労なさって書いてくれたのでしょう。
このような話(説明)を聞きながら、書の奥深さと面白さを知りました。
字を上手く書きたいと思う時は、冠婚葬祭で袋や記帳する名を書く時や年賀状、またはサインする場面ですよね。また、かな文字がきれいに書けると良いなと!と思うこともあります。
私も今は筆を休めています。各書体が上手く書けるには日々の勉強(筆を持つこと)が必要なのでしょう。準師範までになりましたが、都合で筆を止めています。日記だけは小筆で書いていますけどね。
親しくさせていただいている内田藍亭(うちだらんてい)先生は、今の天皇陛下がご幼少(皇太子)のころ、書を習っていた先生が桑原翆邦先生で藍亭先生は門下になります。私は強いて言えばその門流ですがず~っと下流になるのでしょう。
お隣にいた女性にその鍋美味しそうですねと声をかけたら、一緒にどうですか?と誘われましたが、会計も済ませていますのでサヨナラしました。
ポーズしている時の若い女性の笑顔が印象的でしたね。
女性も自分のスマホでパチリしてくれないかと言われましたので、撮って差し上げました。
また、いただいた「初夢」の各書体の歴史や説明などは、後日ご紹介いたします。
Hiro
参考
内田藍亭(らんてい)uchida rantei
1971年生まれ。富山県出身。 静藍社 主宰
武蔵野美術大学大学院特別指導講師
二松學舎大学文学部講師
三越カルチャーサロン講師
書宗院参与理事
全日本書芸文化院運営総務
墨華書道研究会同人