fernhaven rd.

狭いベランダで育てているバラのこと、一緒に暮らす猫のこと、トールペイントのことなどなんてことない毎日を書いていきます。

いのち賛歌〈森田りえ子展〉

2016-06-15 20:45:03 | 美術・芸術・絵画教室
日本画家森田りえ子さんのことは、時々テレビでお見掛けして知っていましたが

実際の絵画を観るのは初めてでした。

ある日の午後、何となくテレビを見ていたら某テレビ番組で、この作品展のことをご本人も交えて宣伝されていたのです。
(ちちんぷいぷいだったかな?)

お花の絵もたくさんありましたが、〈KAWAII.GITAI〉と言う女の子がコスプレのような色んな衣装を着ている作品達がとても面白そうで興味を持ちました。

相国寺承天閣美術館、お寺の中にある美術館と言うのも行ってみたい気持ちをそそりました。


そして、当日、こじんまりとした承天閣美術館は、緑に囲まれたとても気持ちの良い雰囲気。

チケットを買って会場に入るとすぐに大きな紫陽花の絵が目に入りました。

その華やいだ美しさ、瑞々しくのびやかで切れのある絵に、もう目は釘付け。

それからも、花菖蒲、藤、椿、梅、糸菊と次々に本当に目が覚めるような美しい絵の数々にすっかり心を奪われてしまいました。

いのちの賛歌、と歌われているようにその絵からは命のエネルギーがほとばしり出るようで、

それは観ている私達にも直に伝わってきて、体の隅々まで華やかな生きる喜びに満ち満ちる思いがしました。

色彩もそれはそれは美しく、花の一つ一つが繊細かつダイナミック。

私が言うのもおこがましいのですが、構図もありきたりではなく真ん中に焦点が集まっていたり

花が一方の端に寄っていたりと、一般的には用いないような構図なのにそれがまたとても魅力的でいいなぁと思いました。


日本画の世界もきっと男性中心の世界、女性でありながらその中でこんなにも大成されてすごい、と思ったのですが

どこかにどの派にも属さず、美術館や百貨店での個展を中心に作品を発表してきた、とありました。

もちろんそれはそれで相当なご苦労があったでしょうが、このような才能と実力をお持ちであればこそのことだと思いました。


第一展示場は、ほとんどがお花の絵でしたが、第二会場では、エキゾチックなバリの踊り子や舞妓さん、そして〈KAWAII.GITAI〉などの女性像もたくさんありました。

〈KAWAII.GITAI〉の女の子達は、自由自在、いろんな果物で着飾っていたり、昆虫のように手足が六本あったりとこれまた生きることを謳歌していました。


そして、今回は金閣寺方丈杉戸絵奉納10周年記念作品展、と言う事で

関西を代表する画家として選出されて依頼をお受けになり、退色が進んだかつての杉戸絵に替わり平成の杉戸絵を描かれたわけですが、その杉戸絵も展示してありました。

杉戸自体がもう美しく、それに絵を描くなんてプレッシャー!と勝手に思いましたが

もちろん森田りえ子さんは、光栄で描く喜びにあふれる思いで描かれたと思います。

杉戸の木目の美を殺すことなく、また絵自体も誇らしく描かれていて実際のものを見ることが出来て本当に感無量でした。


川端龍子大賞を受賞された、糸菊の絵も本当に素晴らしく、描くのに一体どれくらいの時間を費やされたのかと思いましたが

個人的には、最初に観た紫陽花の絵が夢の世界で咲いているかのように美しく瑞々しくてこの世の物とは思えないくらいで心に残りました。




描かれている女性像は、どこかご本人に似ていました、
とても美しい方で天は二物をお与えになられたんですね。

森田りえ子さんの絵の画像


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