韓国ドラマにも少し飽きてきて、サブスクの中で1番映画がたくさん見れると言う
U-NEXTに12月から入っています。
その中で1番印象に残っている
〈ペルシャンレッスン〉と言う映画の感想を
今日は簡単に書きたいと思います。
第二次世界大戦中、ナチス親衛隊に捕まったユダヤ人青年ジルは、自分はペルシャ人だと嘘をついて処刑を免れ、一命を取り留める。
何故助かったのか、それはナチス将校のコッホ大尉がペルシャ語を習いたいと言う要望を持っていたから。
コッホ大尉は、終戦後にテヘランで料理店を開きたいと言う夢を持っていた。
テヘランには唯一の家族である兄が住んでいた。
コッホ大尉からペルシャ語を教えるように命じられたジルは、咄嗟に出鱈目なペルシャ語の単語を二言三言教える。
それを信じたコッホ大尉からこれからずっとペルシャ語のレッスンをするようにと言われる。
口から出まかせのペルシャ語
それは次々に生み出さないといけないし、また自分もそれを覚えなければならない。
ジルの表情は常に絶望感にあふれているし
見ているこちらの緊張感も半端ない。
バレたらどうしよう。
ジルと同じ気持ちだ。
ある日、几帳面なジルの性質を見込んで、コッホ大尉は、ユダヤ人の名簿を作るようにとジルに命じる。
ジルはその名簿から出鱈目なペルシャ語を作る事を思いつく。
長い時間をジルと共に過ごすうちにコッホ大尉は、ジルに友情のようなものを感じるようになっていく。
レビューの中には、コッホ大尉に親愛の情を感じた、と書く人もいたけれど
とんでもない。
コッホ大尉は何となくナチス党員になり、ユダヤ人を容赦無く殴る男だ。
意味もなくユダヤ人を殺す党員に食べ物を用意する男だ。
勝手にジルに友情めいた気持ちを持つが
ジルは心の底から恐怖を感じているし憎悪している。
「お前達ドイツ人の命よりユダヤ人の命の方が尊い。」
ユダヤ人を殴り、殺し、酷い目に合わせるシーンがなん度も出て来る。
その反面、党員達は豪華な食事を摂り団欒し恋もする。
こう言う映画を見ると、何故ここまで一つの人種を憎み絶滅させようとまでするのか、と繰り返される歴史に人間の深くどうしようもない闇を思う。
ジルがどう思っていようと、終戦を迎えた時に、他のユダヤ人は殺されてしまうがコッホはジルを逃してやる。
「お前のことは絶対に守ってやる、と言っただろう」。
場面は変わり、身支度を整えたコッホは、テヘランの駅舎でジルから習ったペルシャ語を話し軍人にパスポートを見せる。
「こいつ、何言ってるんだ。」
「どこの国の言葉を話してるんだ。」
「怪しいヤツだ、風貌は完全にドイツ人だぞ
捕まえろ。」
架空のペルシャ語でわめいて暴れるコッホ。
そして、また場面は変わり
ユダヤ人を保護する詰所のような所で
事情を聞かれるジルの姿が。
「君がいた収容所ではどんなユダヤ人がいた?少しでも名前が分かれば教えて欲しい。」
「2300人くらいの名前なら言える。」
ジルは、架空のペルシャ語を生み出すために覚えたユダヤ人達の名前を次から次へと呟くのだった。
ラストがとんでもなく素晴らしい。
心に残るラストシーンでした。


常に絶望感に満ちた表情のジル
名演でした。

架空のペルシャ語を習うコッホ

死の恐怖から一度は逃げ出そうとするジル。
しかし「絶対に見つかるから、収容所に帰った方がいい。」と諭される。


終戦を迎えてコッホに助けられてひたすら逃げるジル。
星4.5