以前に読んでとても面白かった記憶があって
また読みたいと思ったのですが、紛失したみたいで本棚になかったので
メルカリで買いました。
江戸向嶋で花屋〈なずな屋〉を営む花師の新次(女性がみな振り返るほどの男前、いいですよね(#^.^#))と女房のおりん
幼馴染の留吉、その女房・お袖、ご隠居・六兵衛、その孫の辰之助、縁あって共に過ごす雀
などの登場人物が生き生きと描かれていて、すぐに小説の中に引き込まれます。
様々な困難に出会いながらも周りの心温かい人たちに助けられて
困難を乗り越えていく二人
春夏春秋、江戸の様々な催しなどが描かれているのも興味深かったです。
植物が好きなので花にまつわるいろいろな事柄も面白く、知らない花はスマホで調べたりして読みました。
コピーライターをしていた作者の朝井まかてさんは、これがデビュー作で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞されています。
これがデビュー作?舌を巻くほどの上手さです。
このデビュー作から次から次へと作品を発表されていくつもの賞を取っていらっしゃいます。
歌人中島歌子の生涯を描いた『恋歌(れんか)』で直木賞を受賞されたのは有名ですね。
それにしても、この本にどれくらいの知識が詰め込まれていることやら
植物はもちろん、豪壮なお屋敷の庭の風景や江戸の地理、人々の言葉や着物、行事、花魁について書かれている部分も面白かったです。
さっと読んでしまうのには惜しいような小説でした。
ずっと手元に置いておいて忘れたころにまた読んでみたいと思っています。