fernhaven rd.

狭いベランダで育てているバラのこと、趣味のこと、トールペイントのことなどなんてことない毎日を書いていきます。

『キスリング展』のカタログから

2019-06-12 20:12:58 | 美術・芸術・絵画教室
キスリングと言えば、学生時代の教科書に載っていた人物画のイメージが強かったのですが

今回の作品展を観て果物や花を題材にそして風景なども描いている事を知りました。

どの画家もそうでしょうが、自分の道を求めて今までの色々な画家の影響を受けて変遷していく様子が興味深かったです。

果物や風景の絵では、セザンヌそしてキュビズムの影響を色濃く受けていると感じましたし、またそう解説にも書いてありました。

私が特に感銘を受けた点は、とにかく色。

心をかき乱すような色、どうしたらこんな風な色が出せるのか、画面から強く心に働きかけてくる色。

今まで観てきた画家の中で一番と言っていいくらい形容しようのない色のシャワーに心打たれました。

(カタログを写しているのでそれは伝わらないと思いますが)

カタログの中から印象に残った絵をご紹介したいと思います。



カタログの表紙は、作家コレットの娘であるコレット.ド.ジュブネル1933年

コレットが二十歳の頃の肖像画。アンリ.ルソーにも影響を受けていたキスリングですが、背景がそれを表しています。

作家コレットと言えば『青い麦』、10代の頃に読んだ記憶があります、内容は全く覚えていませんが、、


〈ひげの男の肖像〉1912年

写真がうまく撮れていませんが、深く暗い色使いがこの人物の憂いを抱えた何とも言えない雰囲気を表現していました。


〈ルシヨンの風景〉1913年

ーゴーギャンの後期印象主義、セザンヌの教え、キュビストたちの経験を統合させているーと解説には書いてありました。

これも緑の色が息を飲むほど美しかったです。


〈青い花瓶のある静物〉1914年


〈サン.トロペでの昼寝〉1916年

様々な色がバランスよく画面に散らばっていて、木漏れ日の中の二人が寛いでいる様子が伝わってきて観る人を明るく暖かく穏やかな気持ちにさせてくれますね。


〈果物を載せた皿〉1917年

背景の赤が際立って美しく、でもそれに負けない皿と果物、観ていて心地の良い絵でした。


〈赤い長椅子に横たわる裸婦〉1918年

展示されていた作品の中で1番好きだったかもしれません。

この絵も又赤が印象的で、少しづつ違った赤が使われています。

ソファーの赤、クッションの赤、果物の赤、どの赤も圧倒的で深い美しさをたたえていて心の底に沈殿していくような感覚を覚えました。

実際の絵がどんなに素晴らしかったか伝えられなくて残念です。

ー1863年に〈オランピア〉においてマネがそうしたように、1538年に描かれフィレンツェのウフィツィ美術館に収蔵されているティツィアーノ作〈ウルビーノのビーナス〉の観察を混ぜ合わせているー
と解説に書いてありました。


〈果物のある静物〉1920年

果物を題材にしている絵の果物の数が年を追うごとにだんだん増えて行っている気がしました。

セザンヌやキュビズムの影響からも抜け出しているような気がします。

このたくさんの果物からキスリングの内面の豊潤さ愛情深さが感じられました。


〈ル.ベック氏の子供〉1926年

キスリングの肖像画の眼は単純なアーモンド型の形、そして色は黒一色であることが多いのに、たくさんの事を物語っている気がします。

ーキスリングは二つの世界大戦期間に、無視できない数の子供や青年の肖像画を描いている。

「貧しく不幸な子供が私を悲しませる。彼が私に抱かせる感情の中で、私は彼を描く。」とキスリングは述べている。

悲惨な側面を描きだそうとするのではなく、幸福を奪われたこれらの子供たちに対して感じた共感が、やさしくメランコリックな絵を覆っているー
と、解説にありました。


〈花〉1934年

たくさんの色を使ってたくさんの花を描いています。

秩序が無いようであるところが好きです。

キャンバスに向かって呻吟するキスリングの姿が見えるようですが、それは私のただの想像です。


〈アトリエの画家とモデル〉1938年

ーキスリングはパリにある自分のアトリエを次のように描写している。

「大きな部屋の壁に写真が張りつめてあり、その写真の目を通して私の過去の全てが私を見つめている。

モデルのための壇、ベンチ、いくつかの椅子、あるのはそれだけだ。」

柔らかい色調の色使いに寄って表現された光の明るさは、この時代の多くの裸体画にみとめられる独特な黄金色を想起させるー
と解説にありました。

カーテンの色合いも明るくきれいで、窓から入る淡い光がモデルの身体を照らしているさまがいいです。


まだまだ素敵な絵がたくさんありましたが、これくらいで終わりたいと思います。

私の勝手な感想を読んでいただいてありがとうございました。


『キスリング展』は、東京都庭園美術館にて7月7日まで開かれているそうです。

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それでも辞めたくない。*渋い5歳の孫の趣味

2019-06-10 16:17:45 | 娘との関係(時々息子や孫も)
孫のコウ君も来年は小学生。

コウ君が小学校に入ったら勉強もあるし、今のプチブラックのお仕事を辞める、と宣言していた娘ですが

聞くと次の仕事を見つけようと思っても、今のプチブラックのお仕事以外やりたい仕事がないそうです。

大学を出て直ぐに今の仕事を始めたのですが、そばで見ていて辛くなるくらい働かされている娘。

まぁもちろん文句も出るわけで、いつもぶちぶち文句を言っているのを聞いていたので今の仕事がそんなに好きだとは知りませんでした。

今回、今の仕事以外やりたい仕事がない、この言葉を聞いて、母としては続けさせてあげたいと心底思いました。

でも関西と関東と離れて住んでいるのでほとんどお手伝いは出来ませんけどね。

「じゃあ、出来る限りやってみて、無理だったらその時に考えたら。」と言い残して帰ってきました。


育児に家事に仕事に、と今でも綱渡り状態の毎日。

さらにもっと過酷な毎日になるかもしれないのに、それでも続けたいのね。

そのことを考えるとこっちの胸も苦しくなってきます。

多少の心配事があるのは心には良いそうですが、心配の種は尽きません、子供に何かあると今でも育て方が悪かったのか、、と思う、世の母親ってそんなもんなんでしょうけどね。


   ******


娘が映画〈ボヘミアンラプソディ〉にはまって、YouTubeで動画を見ていたらいつの間にか5歳のコウ君もクイーンが大好きになり

毎日毎日クイーンの動画を見ているうちにすっかりコウ君はロック好きに。

先日、東京に行った際にも車の中のBGMはレッチリなどの色々な洋楽が流れていました。

そしてある曲が流れたときにコウ君が「うん、この曲もいいね。」と叫びました。

誰の曲?と画面を見てみたら、何とニルバーナー

渋い、うーん渋いなぁ5歳にしては渋すぎるんじゃないの、何か悩みでもあるのか?ちょっと行く末を心配してしまいました。

Nirvana - Smells Like Teen Spirit



(キスリングの画像は次回に持ち越します)






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美しい東京都庭園美術館で開かれている『キスリング展』を観てきた。

2019-06-09 11:06:11 | 美術・芸術・絵画教室
娘宅へ2泊3日で行ったついでに、白金台にある東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)にて開かれている『キスリング展』を観てきました。

キスリングが見たいと思ったきっかけは、朝日新聞の夕刊に載っていた〈サン=トロペでの昼寝(キスリングとルネ)〉の記事を目にしたからでした。



何て鮮やかで美しい色彩、そして木漏れ日の中で寛ぐ幸せそうな二人の様子に心が弾み、記事に載っていた作品展に行きたい!と思ったのでした。


ポーランド生まれのユダヤ人であるキスリング(1891年~1953年)は、19歳でパリに出てピカソやブラック、モディリアーニらと親交を結んで

お互いに切磋琢磨しながら創作に励んだそうです。(朝日新聞からの抜粋です)


キスリングは、作品を発表した当初からすぐに評価を得て、生涯経済的な困窮はなかったらしいです。

この絵の中の男性はもちろんキスリング自身、そしてテーブルで寛ぐ女性は後に結婚することになった恋人のルネ

芸術家と言えば、奔放な女性関係というイメージがありますが、キスリングとルネは生涯仲良く添い遂げたそう。

そう思うとこの絵がますます永遠の輝きを持って心に焼き付くような気がします。

キスリングはまた性格も穏やかで周囲の皆から慕われていたと言う事です。


キスリングの絵ももちろん素晴らしいものでしたが、旧朝香宮邸であった東京都庭園美術館の館内とその庭の美しい事、、

このような美しい美術館で最高の芸術に触れることが出来て、言葉に出来ないくらいの幸せな心地がしました。


カメラが許されていた旧朝香宮邸の部屋の写真からどうぞ。















↑アールデコ調の主要な室の内装基本設計はフランスのインテリアデザイナー、アンリ・ラパンが担当、正面玄関にある女神像のガラスレリーフや大客室のシャンデリアなど(写真は×でした)
はフランスの宝飾デザイナーでガラス工芸家でもあったルネ・ラリックだそう。

アールヌーボーよりはシンプルで、でも格調高い内装と大好きなラリックのレリーフやシャンデリアが本当にステキでした。

カメラが許されていない場所でもっと美しい所がたくさんありました、たまにコンサートなども開かれているようです、皆様、是非お訪ねください。


↓新館



ガラスが雨だれのような風になっていたので館内から外を見ると面白い風景に見えました。







残念ながら時間がなかったのでお庭をゆっくり見ることが出来ませんでした、またいつか訪れることが出来たら、と思います。

次回は、キスリングの絵の画像をと思っています。

東京都庭園美術館Wikipedia



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パキラとステレオスペルマムのその後*愛のゆくえはりんちゃんと植物へ

2019-06-02 20:03:38 | 娘との関係(時々息子や孫も)
一月前に記事に上げたパキラとステレオスペルマムに少しづつ葉っぱが生えてきました。





パキラ↑





ステレオスペルマム↑

二つともただの棒っきれだったのに、可愛くなってきました!

毎朝、見るのが楽しみです。

しかし、いつもわさわさ茂っていたアジアンタムは絶不調、ますますみじめな状態になっています。

ちょっと原因が分かりませんが、もうしばらく様子を見て、元気になる気配がなければ、新しい苗(?)を買ってきて足そうかなと思っています。

一月前の記事(画像が載っていますのでよろしければ)


   ******


長男は無事に結婚、長女も結婚して子供もいる、次男にはこれまた無事に彼女が出来て(結婚もありか?)、私は親としてのほとんどの責務を果たしたような気持です。

さみしいようなでも、ものすごく大きな荷物を下ろしたような感じで、開放感があります。

あまり面倒見がいい方ではないのに3人も生んじゃって、子育てが本当にしんどかったんですよ。

これでもう、多少の病に伏そうが、アル中ちゃう?ってくらいにお酒を飲もうが(と言うのはオーバーですが)、誰に気兼ねすることもなくホンマに自由。

さてそこで、3人に注いでいた愛(母性)のゆくえ、ですが、今は大半りんちゃんと植物へと注がれています。

もちろん、多少は夫にもですが

それと、これはとんでも迷惑な話かもしれませんが、生徒さんへも注がれているような気もします。

誰かが悩んでいるとそれが気になったりと、生徒さんからしたら「余計なお世話的」な感情でしょうが、実際そんな感じで自分で「ふーん」と思ったりしているのであります。

今でも3人の事が少しは気にはなりますが、配偶者がいますから、、。

3人それぞれいろいろありつつ夫婦で悩みつつ何とか生きて行って欲しいと思っています。

私は私でまぁ、愛を分散して気楽に暮らしていきます。


私達夫婦に何かあったら今度はお世話になる番ですかね、今はそんな事は想像もできませんが、いずれは、そしてそれはいつやって来るのか分かりませんけどね。






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昨日は映画、今日はトールペイント*近頃のりんちゃん

2019-06-01 21:04:57 | トールペイント*ステンシル*ハンドメイド
今年はバラが早々と散ってしまってさみしい気がしている。

昨日、今日と予定がなく、昨日は久しぶりに映画を観に行ってきた。

『RBG最強の85歳』今も現役で活躍されているルース.ベイダー.ギングズバーグと言うアメリカの判事のドキュメンタリー

ドキュメンタリーと知らずに見たのでちょっと拍子抜けだった。

女性の地位向上のために尽力し、1993年にクリントン大統領に女性として史上2人目の最高裁判事に指名されたすごい人らしかった。

良いことづくめで感動が、、、(映画の作りがです)それと判事の娘の不幸な表情が気になった、いわゆる素晴らしい人=良い母親ではないかもしれないしなぁ。

と、あくまでも私のへそは曲がっているのであった。


今日は午後から、この前から描きはじめたバラの続きを描いた。

昔は、描くのがいやで堪らなかったけれど、近頃は時間が有り余っているときにすることがあってよかったと思うようになった。

ピンタレストで集めたバラの画像を見ながら描いているのですが、バラの画像を見ることもそしてバラを描くこともどちらも心を癒してくれた。



お目汚しの画像で申し訳ないけれど、描いているときはこんな感じで机の上はぐちゃぐちゃ。

画面の左奥に、食べかけの甘夏と爽健美茶のペットボトルが写っていることには、皆様どうぞ目をつむってください。

じゃあ、そんな汚い画像を貼らなければいいじゃん、とお思いでしょうが、たまにこんなことがしたくなる。

えらく派手なバラになったので、これから油絵の具で色を落とすつもり。


   ******






りんちゃんは近頃、台所をうろうろすることを覚えて、たまにフライパンの油をなめたりお鍋に入ったままの水(半熟卵をした後の水)を飲んだり

と、いたずらをするようになった。

それを見かけたら「ダメ、りんちゃん。」と叱ると、慌てて逃げていくけれど、もちろん本人は悪いことしたなどと言う気は毛頭ない

まぁ、私自身も自由がないりんちゃんだからそれくらいしてもいいよ、という事なんですが、、。


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