奈良散策 第640弾
11月15日、奈良に来てから初めて平城宮跡に行ってみました。先日、テレビを見ていたら、自然に生えているオギを利用した「おぎの美術館」なるものが開かれていると放映されていたからです。この日は平城宮跡の南側にできた新しい駐車場に止めたのですが、実は、もっと近くの西側の駐車場も空いていました。
駐車場から朱雀門に向かって歩きました。朱雀門前は広場になっていて、ここにいくつかの建物が建っています。そのうち、「天平うまし館」にちらっと寄ったのですが、最初に「おぎの美術館」に行こうということで、朱雀門の方に行きました。
朱雀門をくぐると右前方に小さな看板が見えました。おそらくあれがそうだろうと思って行ってみました。
確かに周囲はオギらしい草がいっぱい生えています。
やはりこれが入り口のようです。
入り口に看板が置かれていました。一つは「おぎの美術館」のポスターが貼ってあり、もう一つは「一歩踏み出すと もうそこはおぎの世界」と書かれていました。この「おぎの美術館」は奈良女子大生活環境学部住環境学科と平城宮跡歴史公園のコラボで開かれているもので、平城宮跡を身近で魅力的な場所にしたいという思いからから行われている「平城宮跡アオハルプロジェクト」の一環として実施されています。入場無料で12月4日まで開かれています。
内部はこんな感じで、オギの林の中を歩いていくような感じの道ができていました。
入ってすぐ右にこんな覆いが置かれていました。「うつろうおぎに包まれて」という説明がありました。この中に入ってオギの中にいるという気分を味わうためでしょう。
でも、私は虫を見つけてしまいました。これはたぶん、ルリミズアブではないかと思いました。
もう少し歩くとこんなトンネルが見えてきました。左側にあるのはライトアップ用のライトでしょうか。
振り返るとオギの向こうに朱雀門が見えました。
この日はこんなに晴れていました。
さらに行くと、枯れたオギで作った造形物がありました。「おぎは次なる姿へ」という説明と共に。
反対側にはベンチがありました。
その奥にはまるで絵のキャンパスのように鏡が置かれていました。「映し出される世界」という説明も。
鏡に映った光景はまるで絵のようです。
オギの向こうの朱雀門がだんだん見えにくくなってきました。
さらに歩くとこんな木の枠がありました。この中に入って写真を撮るのでしょうね。
しばらく歩くと長いトンネルがありました。
そして、出口に着きました。
出口から朱雀門を見たところです。自然のオギを利用した単純な構成だったのですが、意外に楽しかったです。見物客も結構来ていました。
ところで、オギとススキは大変似ています。「植物検索ハンドブック」と「日本の野生植物Ⅰ」の検索表によると、オギは長い根茎があって群生するが、株を作らない。小穂の基毛は小穂の2~4倍で、小穂に芒(のぎ)がない。一方、ススキは根茎が短く株をつくる。小穂の基毛は小穂の1/2~2倍で、小穂に芒がある、とのことです。従って、生え方と小穂を見ると区別がつきそうです。まず生え方は如何にも株を作っていないので、まさにオギのようです。小穂については少し穂を採取してきました。
これがオギの小穂です。確かに長い基毛があり、芒がありません。
こちらは家の近くで採集したススキです。これも長い基毛がありますが、オギほどではなく、それよりも細長く伸びた芒が目立ちます。ということで、オギだということは確かそうです。実は、「おぎの美術館」の近くで採集した穂の中にはオギとススキが混じっていました。「おぎの美術館」の周辺にはススキも生えていたようです。
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