精神科医による教育を中心にした社会病論。目のつけどころはいいと思うが、論証方法や著者自身の考え方自体が薄い気がする。
秋の雷鳴る夕べ。
コオロギ達は鳴りを潜め。
路上の黒猫ふてぶてしい態度で。
僕に言う。
わかっていない。
わかっていない。
ひとつとして。
わかっていない。
君の見ているものと。
私の見ているものは。
ひとつとして。
一致しない。
そのまま進むしかないことを。
わかっていないのだ君は。
それが悲しくも寂しくもないことを。
やはり君はわかっていないのだ。
それから黒猫。
しばらく僕を見るともなく見つめて。
どこかへ消えた。
コオロギ達は鳴りを潜め。
路上の黒猫ふてぶてしい態度で。
僕に言う。
わかっていない。
わかっていない。
ひとつとして。
わかっていない。
君の見ているものと。
私の見ているものは。
ひとつとして。
一致しない。
そのまま進むしかないことを。
わかっていないのだ君は。
それが悲しくも寂しくもないことを。
やはり君はわかっていないのだ。
それから黒猫。
しばらく僕を見るともなく見つめて。
どこかへ消えた。