渡辺さん家

スイーツ大好き渡辺さんの時々日記

正義感のふりかざし

2018-09-17 15:28:03 | 日記・エッセイ・コラム

小学校のプチ同窓会でちょっと話題に上がった人がいる

やたら先生受けがよくて真面目だったH野君

他人にとても厳しい人だった

自分に対してどうだったかまでは覚えていないのだが

何かにつけてこの同級生からお叱りを受けた覚えがある

卒業アルバムを見ながら彼の話を出すと

「あーオレもやられた」「私もー」

被害者は私だけではなかったらしい

 

ある日、私の体操服の首の後ろに縫い付けてあるタグから糸がほつれて伸びていた

「みっともないだろーが」

と言いながら、後ろからいきなり糸を引きちぎられた

こちらとしては「はぁ、だらしなくてすんません(;´Д`)」みたいな感じになる

「何するんだセクハラだぞ!!(; ・`д・´)」ではないのだ。小学生だし

こういうパターンで何度か不快な思いをしたけど、「まぁ、悪いのは私なので」と引き下がってしまう

 

当時、練り消しを手作りする事がクラスで流行っていた

正確には練り消しとは程遠いものなんだけど

消しゴムのカスを集めて細かく刻み、水ノリでまとめる

しばらく練っていると、ベトベトの塊が半乾きになって

消しゴムカスの塊がビヨーンと伸びるのだ

クラスの数人はコレに夢中になった

白紙のノートをひたすら消しゴムでゴシゴシこすって消しくず集めに興じたものだ

休み時間に集めた消しくず。まあまあの量を机に置いたまま授業がはじまってしまった

特に気にしないで、次の休み時間に持ち越そうと思っていたら

H野君はそれを見逃さなかった

「先生、渡辺さんが授業中に消しくずを溜めてます」

ぎょっ(◎_◎;)H野め、余計な事を。置いてあるだけじゃん

こういう時の言い訳なんて、体罰が横行していた当時 教師は話も聞いてくれない

そもそも消しゴムの使い方が間違っているので叱られるのは私である

「渡辺さん、捨てなさい」

担任の女性教師から冷たく言われた

「オレが捨ててやるわ」

素早くH野君が私のところにやってきて、机の上の消しくずを片付けはじめた

すると周囲の男子も「オレも手伝ってやる」「オレも」「オレも」

と数人で、ムキになって机の上の消しくずをつまみ取ってゴミ箱に投げ込んだ

正確には消しゴムのカスなんて、どんなにたくさん出したところで一掴みだから数人でよってたかって片付けるものではないけれど

大義名分があるから張り切る奴らが多かった。他人を攻撃する事のなんとも気持ちの良い事か

男子に取り囲まれ責められて 私はとても泣きたい気持ちになった

そんな私の様子を見て、反射的に自分の机の上の消しゴムカスの山を

床に払い落としたクラスメイトもいたほどだった

H野君はツンとした得意な顔で自分の席に戻った

悪いのは確かに私だ

でも、なんだか正当な理由を振りかざしてイジメられているような気持になった

集団って怖いねー

「オレが正義なんだ。オレは正しい事をしている。相手が悪い事をしているんだから何を言ってもいいんだ」

H野君からは、文句やお叱りを受けた事しか思い出せない

彼はいつも偉そうで、人を見下していて、イライラしている小学生だった

子を持つ母親になって、今では彼が可哀そうな子供だったなぁと振り返る

彼は今でも他人に対してイライラしているのだろうか

一瞬気になったが、会ってまでそれを確かめようとは微塵も思わねぇ

コメント
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