ザック・スナイダーが帰ってきた。2017年の『ジャスティス・リーグ』を身内の不幸により急きょ降板した彼の新作は、かねてより噂されていた『ジャスティス・リーグ』4時間完全版”スナイダーカット”と、そしてNetflixオリジナルの本作『アーミー・オブ・ザ・デッド』だ。
ラスベガスでゾンビ禍が発生。主人公デイヴ・バウティスタは謎の日本人タナカ(真田広之)からカジノに残された大金の回収を依頼される(ありゃ、『新感染半島ファイナル・ステージ』と同じイントロだ)。ところがロックダウン下のラスベガスは、謎のゾンビキングによって統制されたArmy of the Dead=死者の軍勢によって支配されていた!…死者の軍勢…?
1978年『ゾンビ』のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』で2004年にデビューしてから17年、ゾンビ映画でキャリアの再スタートを切ったザック・スナイダーはジャンル映画に新風をもたらそうと試みている。甲冑に身を包み、馬を駆るゾンビ・キングは知能と戦闘力に優れた新種アルファを生み出し、軍勢を指揮することができる…ってそれホワイトウォーカーじゃん!!しばしば忘れがちだが、『ゲーム・オブ・スローンズ』によってドラゴンもゾンビも向こう10年分くらいやり尽くされてしまったのだ。
ザック・スナイダーはここに億面もなく『エイリアン2』まで投入。そのクセ、これ見よがしに登場するチェーンソーや真田広之に見せ場はなく、ゴア描写もNetflixの無法地帯で作った割には控えめだ。日本刀を持ったデューク真田とゾンビ・キングの一騎打ちをやってもバチは当たらなかっただろう。さほど機能していない人間ドラマをあれやこれやと詰め込んだ結果、ランニングタイムは2時間28分という、ジャンル映画としてあり得ない長尺になってしまった。そりゃあのスカスカな『ジャスティス・リーグ』も4時間に化けるよな。
見どころは『ウォッチメン』の”活動写真”をゾンビ禍でやり直したオープニングクレジットだろう。これには無性に興奮したし、ザック・スナイダーは自己ベストを更新している!
『アーミー・オブ・ザ・デッド』21・米
監督 ザック・スナイダー
出演 デイヴ・バウティスタ、エラ・パーネル、アナ・デ・ラ・レゲラ、ギャレット・デュラハント、ノラ・アルネゼデール、真田広之
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