長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『フォーカス』

2020-10-05 | 映画レビュー(ふ)

 快作『ラブ・アゲイン』を手掛けたグレン・フィカーラとジョン・レクア監督コンビの2015年作はウィル・スミス主演の詐欺映画(コン・ムービー)だ。既にやり尽くされたジャンルを今回も機知と愛情で好編に仕上げている。

 ウィル扮するスゴ腕詐欺師のニッキーはスリ師のジェスを見初め、弟子に迎え入れる。大きなヤマを攻略する中で2人の間には師弟関係以上のものが芽生えるが、ニッキーは全てを置いて失踪。それから3年が経ち…。

 エンドロールの『風のささやき』からもわかるように監督コンビが目指したのはスティーヴ・マックイーン主演の『華麗なる賭け』のようだ。セクシーな夜景と時折、匂い立つノワールの香りが堪らない。但し、ウィルにはマックイーンのようなハードボイルドな個性がなく、やや居心地が悪そうに見えてしまった。むしろ見所はブレイク直前、輝かんばかりのマーゴット・ロビーだろう。
フィカーラ、レクアのコンビは続いてTVシリーズ『This is us』の演出を担当、大成功を収める事になる。


『フォーカス』15・米
監督 グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
出演 ウィル・スミス、マーゴット・ロビー、ロドリゴ・サントロ、ジェラルド・マクレイニー

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