長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『パディントン』

2018-11-17 | 映画レビュー(は)

マイケル・ボンドの児童文学を映画化した本作は大人の頬も思わずほころぶ好編だ。南米ペルーの山奥からやって来た英語を話せる熊パディントンを巡って巻き起こる騒動を一級の映画技術で描いている。
中でもパディントンの住むブラウン家の美術が楽しい。屋根裏部屋も含めた4階建てで、吹き抜けの壁には大きな桜の木が描かれている。個性豊かな一家の暮らしを紹介する場面では書割になっており、この箱庭感はウェス・アンダーソ映画の影響も色濃いと見た。そんな一家を支える母親役サリー・ホーキンスの童女のようなあどけなさも魅力だ。

 パディントンの声を務めるベン・ウィショーの美しいキングス・イングリッシュも耳に心地よい。閑静なロンドンの街並みやユーモアセンスといい、ブリティッシュイズムが貫かれた本作は
第2作目でさらなる評価を得る事になる。


『パディントン』14・英、仏
監督 ポール・キング
出演 ベン・ウィショー、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、ニコール・キッドマン
 

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