1980年代に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで爆発的な人気を博したマイケル・J・フォックス。パーキンソン病を公表し、俳優業を引退してからというものいったいどうしていたのか。その名を忘れて随分時間が経ったが、自らの半生を振り返るドキュメンタリー『STILL:マイケル・J・フォックス ストーリー』で久しぶりにその姿を見せてくれた。
俳優としての大きな持ち味であった童顔ゆえにわからないが、御年62歳。彼がパーキンソン病を発症したのは30歳の時だった。フォックスの諸作を絶妙にマッシュアップする編集は出自からハリウッドへの上京、シットコムでの人気者時代、そして『バック・トゥ・ザ・フューチャー』への大抜擢劇を小気味よく見せ、あの時代を知る観客には胸踊るものがある。
それだけに彼が長年に渡って病を隠し、不安と向き合い続けていた事実は痛ましい。公表後、彼は再びTVシリーズへと活躍の場を移し、自らの病を役柄に盛り込んだ演技で近年まで活動を続けていたのである。そんな意味でも彼は全く異なる形で時代を先駆けたスターだったのかもしれない。
『STILL:マイケル・J・フォックス ストーリー』23・米
監督 デイビス・グッゲンハイム
出演 マイケル・J・フォックス
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