「殺意をえがく子どもたちー大人への警告ー」三沢直子(心理カウンセラー) 1998学陽書房
題名がちょっと脅しすぎだと思うのだけれど、読ませるためには仕方ないってか。
世の中に警鐘を鳴らすって意味ではありなのでしょうね。
まあ、納得の部分も多いけど、絵の部分は恣意的に解釈しすぎだろうな。子供たちの触れるマンガなどの質と量が変ってきているんだから。直接体験が減って間接体験が増えているってことを理解しながら、その絵を見て「子供たちが危ない」とか言うのって変じゃない?
著者の年齢・立場と仕事柄から、現代社会を悲観的・否定的な見方をしてしまう癖になっているのではないだろうか。そして、その変化を敏感(過敏)に感じ取ってしまったのですね。
(たぶん、絵のことは説得のための方便に使っているだけ。素人相手なら、いくらでもだませるから)
もっと本当に怖い子どもの話しかと思ったら、一般的な子育てと社会への問題提起でした。
無知な母親、無関心な父親、なつかない子、期待・失望・虐待、猟奇事件、教育、家庭、優等生、IQ、EQ、ロボット症候群、マニュアル育児、アダルト・チルドレン、母子カプセル、しつけ、子どもの居場所、子育てサポートシステム、コレクティブ・ハウス、父母教育、エコグラム
まあ、どうしろこうしろと言うのではなく、「ちゃんと現実(現場)を見てください」ってことでいいんだね。答は出せっこないんだから。
で、現実社会は、ネットによる間接体験の急激な増加、子育て支援(保育ママ制度なんてものもありますね)、母親の職場支援、ゆとり教育の廃止(2010)と、移り変わる世の中で子供たちはどうなっていくのでしょうか。
子育て政策と教育現場へ「つづく」
昭和一桁とその子ども~非常にわかりやすくて、なんか納得ですわ。だって、その通りの世代ですもん。
なんとなく、日教組と教育委員会が酷かったということは感じます。