「しろいろの街の、その骨の体温の」村田沙耶香 2012朝日新聞出版
おお、なんとも懐かしい感じのする良作ですな。と思ったら、女の子の世界は大変なんですな。私はずっと「幸せさん」だったようだ。
それにしても素晴らしいスケッチですね。とてもリアルに感じます。漠然とした将来への不安とやり場のない反抗心。そして、学校(クラス)内で平穏を乱さないための生き方。
本当に美しいもの(戦う信子ちゃん)の発見、求める正しいもの。それを知り、求めるものが変わっていく成長。人とのかかわりによる波紋、自分の輪郭。ちゃんときもちわるくなれた。「きもぉい」「気持ちわりい」「死ね」を手に入れた。
あのね、ハッピーエンドを期待しちゃう展開なのですが、いざそうなってみると腹立たしい。少女漫画か!ってな。
まあいい、その先の波乱を期待して、脳内展開して喜んでやろう。
あ、あれ、・・・
村田沙耶香作品だよね。
主人公も信子ちゃんも普通の変なやつだった。
壊れていないじゃん。あらら。
でも、すごくしっくりきたわぁ。