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「月の満ち欠け」佐藤正午

2018年05月06日 14時14分14秒 | 読書とか

「月の満ち欠け」佐藤正午 2017岩波書店
第157回直木賞受賞作

どうも小山内梢です。この作品の中心に主人(堅(つよし))がいますが、ラストの形からすると三角(みすみ)さんと瑠璃が主役のラブストーリーみたいですね。まあ、主人の方もちゃんとラブストーリーの主役ですよ。私の生まれ変わりを認めてくれればね。でも、あまり喜んでいないかしら。妻の生まれ変わりが荒谷みずきという15歳の思春期の娘、今付き合っている恋人の娘っていうのは戸惑うでしょうね。あははっ。

どうもきょくたんです。家族の中のゲシュタルト崩壊を描いた作品なのかと読んでいくと、生まれ変わりの話だった。あるよね、家族のゲシュタルト崩壊。親や兄弟姉妹の存在が認識と外れて知らない人のように見える瞬間って。もちろん、友人知人の場合でも。
瑠璃、お前何回生まれ変わるんだよ。あれだな、どこから記憶を引っ張ってくるのかな。時空を越えてオリジナルのところの情報が流れ込んでくるのだろうか。ねぇ。っていうか、そんな愛してないよね。ただ、オリジナル瑠璃の時の旦那(正木竜之介)が嫌過ぎたんだな。そうそう、きっと「ここは私のいる場所じゃない」って感覚を持っていたんだろう。なるほど、それならば生まれ変わって他の場所へ行ってみよう、生まれ変わってみよう、一度死んでみようと思うかもね。まあ、自殺はなかったわけだけど。最初の地下鉄での事故は踏ん張れば助かったのかもしれない。たぶん、「まあいいや」って思っちゃったんでしょ。
まあ、あれだな。男はあまり生まれ変われそうにない気がする。もしかして、この世の女性はかなりの確率で前世の記憶を持っていたりして。そして男にはそれを内緒にしているって・・・疑うよねぇ。で、前世で一緒だった相手が生きていたとして、ほとんどはあまり会いたくないんじゃないですか?ははは。
でねぇ、オリジナルからの記憶のコピーだとしたら、同時に複数の生まれ変わりがいてもいいと思うのね。うわぁ。動物への生まれ変わりなんかは脳の容量が足りなくて、感情的な好き嫌いは判断できても記憶を認識できないかもね。

※「前世を記憶する子供たち」ってタイトルに見覚えがあったのだが、読んだことがある方は「誕生を記憶する子供たち」だった。
また、「前世を記憶する日本の子どもたち」という似たタイトルの本もあるが、こっちは輪廻転生を前提とした啓発本的なものであり、この作品中に出てくる本とは真逆の、産科医が心理的に都合の良い解釈ですよ。

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