ドラゴンフルーツ(以下、ドラゴンF)は、サボテン科 Hylocereus 属に属する多年生の登はん性多肉植物です。
その茎は三角状を呈し、茎の節からは不定根が生じ、定植した株は物にからまって登はんし、最高で高さ数十メートルに達します。
原産地は南メキシコや太平洋周辺の中米諸国ですが、現在では熱帯アメリカ、西インド諸島、米国南フロリダ州及び熱帯地区において広く分布或いは栽培されています。
ドラゴンFは、高温及び長日照条件下で花芽分化し、茎の棘座部分に出蕾します。
ドラゴンFの花は月齢に合わせて満月や新月の夜間によく開花します。
開花の時間帯は、最も早い花は夕暮れ頃に開花し、午後10:00までには開花します。
そして翌朝の陽光が差す頃には花は萎れています(写真2)。
写真2.開花翌朝のドラゴンFの花。
夏季(十分な温度がある場合)であれば、開花後26~27日で果実は着色を開始し、30日前後で収穫適期となります。
沖縄県では一夏の間に4~6回、ドラゴンFは開花、収穫を繰り返します。
ドラゴンF果実の収穫には、コツがあります。
ドラゴンFの茎の中心には硬い芯が通っています。
この芯が棘座に繋がる様に分岐し、果実の発育と共に発達し、果実を収穫する頃にはしっかり硬い芯となっています(写真3)。
写真3.収穫適期のドラゴンFでは茎内に硬い芯が発達している。
※ この写真では、茎肉を取り除き、茎内の芯を露出させています。
つまり、ドラゴンF果実を収穫する際には、茎内に埋まった芯を断ち切る必要があります。
このときに収穫に用いる道具は、
1)刃先が細長く、最小限の切り口で芯を切断できるもの。
2)硬い芯をストレスなく切れるもの。
という2つの条件を満たしたものが理想的です。
これまで、剪定鋏、芽切り鋏(先端が尖ったハサミ)、採果鋏(先端が短く少し反り返ったハサミ)等を用いてきましたが、いずれも2つの条件を共に満たすものとは言えませんでした。
そのため、ドラゴンFの収穫はある程度握力がある人でなければ、億劫な作業でした。
そこで今回紹介するのが、「Dr. Cut® SENTEI(芽切剪定ハサミ)」です。
この鋏は、本ブログ記事『良き道具にこそ匠あれ05 - 手指が痛くなりにくい採果ハサミ「Dr. Cut®」 -』で紹介した採果鋏型Dr. Cut®のシリーズ商品です。
購入直後の「Dr. Cut® SENTEI(芽切剪定ハサミ)」は、刃の片方の先端が尖っていません(写真4)。
写真4.Dr. Cut® SENTEIは刃の片方が尖っていない。
そこで、グラインダーで削り、両方の刃の先端が尖っている状態にします(写真5)。
写真5.Dr. Cut® SENTEI(改)。
これにより、ドラゴンF果実基部の芯に合わせて茎を貫きやすくなります(写真6、7)。
写真6.芯の位置を予想して刃の先端を茎に差込みます。
写真7.芯を捕らえたところでハサミの柄を握り、茎内の芯を切断する。
芯を捉えてしまえば、後は楽ちん♪
抜群の切れ味とDr. Cut®ならではの切断時の衝撃吸収により、とても円滑に果実収穫ができます。
ドラゴンFの収穫は数日間に多くの硬い芯を切ることになるので、収穫道具が悪いと手が腱鞘炎になる可能性があります。
「Dr. Cut® SENTEI(芽切剪定ハサミ)」は少し高価(24,000円(税別))とも思えますが、快適な作業が持続できる価値はプライスレスです。
「Dr. Cut® SENTEI(芽切剪定ハサミ)」は、ウド・エルゴ研究所HPの商品注文フォームからご購入できます。
○参考サイト
・ウド・エルゴ研究所\製品のご案内\Dr.Cut(ドクター・カット)
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