今年の初めくらいから、円キャリートレードの巻き戻しといわれる現象がおきているという。
円キャリートレードとは、単純に言うと、金利の低い日本円を借り入れ、金利の高いドルやユーロに投資して、その利ザヤを稼ぐやり方をいう。
日本円の公定歩合は、歴史上まれに見る低金利で推移しており、例のゼロ金利政策あたりから、世界中のファンドなどが、日本円を低利で借り、ドルやユーロに投資して運用益を稼いできた。
このため、ここ数年、日本円は、対ユーロ、対ドルで、実態経済とはかけ離れた安い水準で推移していた。
ところが、去年の暮れくらいからサブプライムローン問題が表面化し、オリンピック後の金融危機に至ってFRBやECBが利下げを始めると、相対的に円キャリーのうまみがなくなる、あるいは、損失が出るなどの理由から、借りていた日本円を返すべく、円を買い戻す動きが世界中で起こり、近時の円高がもたらされたという。これが、円キャリートレードの巻き戻しという現象である。
ただ、これは、一説によるもので、円キャリートレードなどそもそも存在しないという人もいる(元JPモルガン日本法人社長の藤巻氏)。同氏によれば、現在の円高は円キャリートレードという言葉自体に踊らされた一部機関投資家などによるドルやユーロのパニック売りに端を発したものにすぎないという。
いずれにしても、円の需要が高まり、ユーロやドルが売られていることは事実であり、この傾向は今後も続くであろう。僕は、ユーロが125円くらいになるのは来年の上半期くらいだろうと思っていたが、ずいぶんと早くここまで来てしまったという印象だ。
さて、円高、株安になると次にどうなるか?以下の場合が考えられる。
シナリオ①:
円高で主力産業である輸出産業が振るわなくなる。
↓
景気が悪くなり、家計の実質所得が減る。
↓
有効需要が減少し、物価下落し企業業績がさらに悪化し生産規模が縮小する。
↓
賃金が目減りし、さらに有効需要が減る。更なる物価下落し、生産規模が縮小する。
これは、90年代の「デフレスパイラル」の再来です!
シナリオ②:
政府(麻生政権?)が、財政出動をして大型の景気対策をする
↓
景気がよくなり、内需が拡大する。円高によって輸入が増加する。
↓
景気過熱を抑えるため、日銀が公定歩合を上げる
↓
更なる円高になり、輸出産業は打撃をうけるため、海外への設備投資がすすむ
↓
新興国への日本からの投資が活発になり、新興国の景気が回復し経済成長する
↓
日本政府は、内需拡大策として、アメリカ型の消費生活に転換させるため、政策金利を上昇させ、さらなる円高を進め、外資を呼び込む
↓
新興国を取り込んだ経済成長が持続し、株価が上昇する
↓
さらに経済成長、景気過熱が生じる
これは、バブルの再来です!!!
シナリオ③:
政治的混乱が続き、政府が無策なため、有効な内需拡大策がとれない
↓
円キャリートレードの巻き戻しがすすみ、更なる円高が進行
↓
これにより、国内の金融機関の世界中のファンドに対する円建て融資が不良債権化
↓
先ごろの国際流動性確保のための日銀のドル供給無制限化も手伝って日本の金融機関の損失が拡大(相対的に更なる円高をもたらすため)
↓
バブル崩壊の時とは比べ物にならない全世界を巻き込んだ不良債権問題に発展し、世界経済が崩壊
↓
世界恐慌へ・・・
このシナリオは、円キャリートレード自体の存在と、日本の金融機関がかなりの額を融資していたという話を前提にしています。
以上三つくらい考えてみましたが、これらが複合的に組み合わされて行くのがありうる話かもしれません。
円キャリートレードとは、単純に言うと、金利の低い日本円を借り入れ、金利の高いドルやユーロに投資して、その利ザヤを稼ぐやり方をいう。
日本円の公定歩合は、歴史上まれに見る低金利で推移しており、例のゼロ金利政策あたりから、世界中のファンドなどが、日本円を低利で借り、ドルやユーロに投資して運用益を稼いできた。
このため、ここ数年、日本円は、対ユーロ、対ドルで、実態経済とはかけ離れた安い水準で推移していた。
ところが、去年の暮れくらいからサブプライムローン問題が表面化し、オリンピック後の金融危機に至ってFRBやECBが利下げを始めると、相対的に円キャリーのうまみがなくなる、あるいは、損失が出るなどの理由から、借りていた日本円を返すべく、円を買い戻す動きが世界中で起こり、近時の円高がもたらされたという。これが、円キャリートレードの巻き戻しという現象である。
ただ、これは、一説によるもので、円キャリートレードなどそもそも存在しないという人もいる(元JPモルガン日本法人社長の藤巻氏)。同氏によれば、現在の円高は円キャリートレードという言葉自体に踊らされた一部機関投資家などによるドルやユーロのパニック売りに端を発したものにすぎないという。
いずれにしても、円の需要が高まり、ユーロやドルが売られていることは事実であり、この傾向は今後も続くであろう。僕は、ユーロが125円くらいになるのは来年の上半期くらいだろうと思っていたが、ずいぶんと早くここまで来てしまったという印象だ。
さて、円高、株安になると次にどうなるか?以下の場合が考えられる。
シナリオ①:
円高で主力産業である輸出産業が振るわなくなる。
↓
景気が悪くなり、家計の実質所得が減る。
↓
有効需要が減少し、物価下落し企業業績がさらに悪化し生産規模が縮小する。
↓
賃金が目減りし、さらに有効需要が減る。更なる物価下落し、生産規模が縮小する。
これは、90年代の「デフレスパイラル」の再来です!
シナリオ②:
政府(麻生政権?)が、財政出動をして大型の景気対策をする
↓
景気がよくなり、内需が拡大する。円高によって輸入が増加する。
↓
景気過熱を抑えるため、日銀が公定歩合を上げる
↓
更なる円高になり、輸出産業は打撃をうけるため、海外への設備投資がすすむ
↓
新興国への日本からの投資が活発になり、新興国の景気が回復し経済成長する
↓
日本政府は、内需拡大策として、アメリカ型の消費生活に転換させるため、政策金利を上昇させ、さらなる円高を進め、外資を呼び込む
↓
新興国を取り込んだ経済成長が持続し、株価が上昇する
↓
さらに経済成長、景気過熱が生じる
これは、バブルの再来です!!!
シナリオ③:
政治的混乱が続き、政府が無策なため、有効な内需拡大策がとれない
↓
円キャリートレードの巻き戻しがすすみ、更なる円高が進行
↓
これにより、国内の金融機関の世界中のファンドに対する円建て融資が不良債権化
↓
先ごろの国際流動性確保のための日銀のドル供給無制限化も手伝って日本の金融機関の損失が拡大(相対的に更なる円高をもたらすため)
↓
バブル崩壊の時とは比べ物にならない全世界を巻き込んだ不良債権問題に発展し、世界経済が崩壊
↓
世界恐慌へ・・・
このシナリオは、円キャリートレード自体の存在と、日本の金融機関がかなりの額を融資していたという話を前提にしています。
以上三つくらい考えてみましたが、これらが複合的に組み合わされて行くのがありうる話かもしれません。