フエから車で二時間。まずは戦争当時ベトナムの人々が地下に作った地下壕に入る。おじさんと子ども二人が案内してくれる。中は非常に蒸し暑く狭い。しかも階段による上下も多い。天井が低いので、アタマを下げた姿勢で壕の中を歩くのは拷問だ。ベトナム戦争当時、この地下壕に何年間も暮らしてアメリカ軍と戦ったベトナム人の忍耐強さは凄いものがある。僕は身体中から汗を垂れ流し、車に戻った。地上での蒸し暑さの中で戦ったアメリカ兵もどんなに苦しかっただろう。次は当時、北ベトナムと南ベトナムの国境線だった川を観に行く。今では当たり前の様に車やトラックが行き交う橋も40年ほど前には厳戒な監視体制が引かれた国境だったのだ。河からの風が心地良い。最後に南ベトナム兵の墓地を訪れる。無数の墓標。墓地の道向かいにはアメリカ軍の錆び付いた戦車が置き去りにされていた。このベトナムでどのくらいのベトナムの人々とアメリカ兵がその命を落とした事だろう。戦争は何も生まない。そんな事をフエに帰る車の中で考えた。昼食は運転手さんの知り合いの店
で食べたが、食器と使い回しの箸をテーブルに置いてあるトイレットペーパーで運転手さんが丹念に拭いているのが印象的だった。野菜と肉とフォーを巨大な皮にしたものを辛い醤油で食べる。ハエが寄って来て潔癖症の僕はあまり食欲が湧かなかったが。今はホテルのロビーで空港へ送ってくれる車を待っている。15時40分のフライトでホーチミンに向かう。
で食べたが、食器と使い回しの箸をテーブルに置いてあるトイレットペーパーで運転手さんが丹念に拭いているのが印象的だった。野菜と肉とフォーを巨大な皮にしたものを辛い醤油で食べる。ハエが寄って来て潔癖症の僕はあまり食欲が湧かなかったが。今はホテルのロビーで空港へ送ってくれる車を待っている。15時40分のフライトでホーチミンに向かう。