日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 義助 Yoshisuke Katana

2016-08-17 | 
刀 義助


刀 義助

 大磨上無銘の、焼が深く激しい出来の、義助と極められた作。相州古作を手本としたのであろう、反り深く元先の身幅広く、樋を掻いて重量を調節しているようだ。地鉄は板目肌が詰んで地沸が付き、良く錬れた杢目の交じった様子が窺え、地景も顕著に強みに溢れている。刃文は湾れに互の目、丁子を交え、焼の高い部分は鎬筋にまで達し、迫力がある。帽子は掃き掛けて返る。焼刃の沸は粒子が細かく、匂を伴って明るく、互の目に尖刃を交えた刃中に匂の出入りが加わりやわらか味に包まれている。この様子から、古作に紛れさせようと銘が消されたのかもしれない。特に地鉄に変化があり、その景色が堪能できる作である。