▲ 原作のせい? やはりイマイチだった映画「犬神家の一族(1976)」
自由が丘大人の音楽教室の新沼健です。
「自由が丘大人の音楽教室」とは関係無い、映画・ドラマの感想、美味しかった料理、世相について思うことなどをこちらに書いています。
映画「犬神家の一族(1976)」を鑑賞しました。
湖水から突き出た二本足、ゴムマスクの佐清など、映画のアイコンこそよく知ってはいるものの、今回が初めての鑑賞でした。
私が小学生高学年の頃始まった角川文庫の「横溝正史フェア」、書店の目立つ場所にうず高く平置きされた「横溝正史文庫」の中から目立つ書名「犬神家の一族」をなんとなく選んで読んだことが「横溝正史」にハマるきっかけでした。
その数年後、「犬神家の一族(1976)」が角川映画にて映画化されましたが、「八つ墓村」読後の私には、なぜあれを映画化するんだろう? と不思議でなりませんでした。
なぜ「八つ墓村」でないのだと。
で、割と最近、角川も当初は「八つ墓村」映画化で動いていたが、すでに松竹が先に製作するということで、止む終えず、「犬神家の一族(1976)」を映画化したのだと知りました。
原作本も私が「横溝正史」にハマるきっかけということもあり、決してツマラいない本ではなかったはずですが、初見後二度と読み返すこともなく現在に至っています。
「犬神家の一族」の次かその次に読んだ「八つ墓村」は初見から40年以上にわたり、どう少なく見積もっても30回は読み返していますが、「ああ、面白かった」と読了のたびに思っています。
今まで「犬神家の一族(1976)」を一度として見てみようと思わなかったのは、映画「八つ墓村(1977)」がとんでもない愚作だったからに他なりません。
当時の私(当然、今の私も)は、なぜあんなに面白い原作を、ああまで酷い映画にできたのが不思議で仕方ありませんでした。
原作の面白さに大差ある「犬神家の一族」など、どんなに頑張っても面白い映画にできるはずがない、という思いでした。
ということで40年以上見る機会のなかった「犬神家の一族(1976)」でしたが、日本映画専門チャンネルで放映するということで録画して鑑賞しました。
昭和の大女優たちの共演はそれなりの見所はあるにせよ、映画としては決して面白いものではなかった、というのが正直な感想です。
「犬神家の一族(1976)」も「八つ墓村(1977)」もそれぞれ大ヒットしましたが、ネットが無く、マスコミの宣伝次第でどうにでもなった時代の徒花としか思えません。