ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

天使ノエル

2024-05-16 21:30:54 | ノエル

ノエルが亡くなりました。

この一週間ほど容態が悪く、先週の土曜日、病院へ連れて行こうとしても、裏庭の階段を上ることができなくて断念。

先生に、月曜日のお昼に往診に来てもらうことが決まっていたのですが、日曜日には手足を赤ちゃんの頃のように広げたまま、一日中、まったく動かず。 荒い息をして、食欲もなく、これがあのいやしんぼうのノエルとも思えない状態でした。

姪一家が訪ねてきた時、弱り切っていたはずなのに、首を上げ、しっぽをパタパタと動かしたノエル……しかし、それが最後でした。

夜になって、体を触ったり、マッサージしていても、なぜか下半身が固くなっているよう。それでも、「明日は先生も来てくれるし、相談もできる」と安心して、寝室に引き上げてしまいました。明け方の5時半前、母が眠っている私を起こしに来て、「ノエルが死んでる!」と一言。

キッチンに行ってみると、テーブルの前の床で、昨日とまったく同じ、手足を広げたポーズで亡くなっていました……どうして、一体……?

今月上旬に病院に行った時は、とても元気で先生にも、「状態を維持している。人間で言えば、ステージ2というところですね」と言われたというのに……。

体から力が抜けるようで、涙が止まらず、病院に連絡して、絨毯の上に遺体を置いてみました。ノエルハーブガーデンに咲いていた花をそばに生け、大好きだったクッキーもそばに置いて――ペット葬儀社の方たちがノエルを引き取りに来た時、家族だけでなく、近所の方たちも見送ってくれました。皆口々に言うのは、「ノエルちゃんは、とても可愛い子だった」

「愛嬌があって」

この子は、何度も家から脱走したけれど、近所の人たちも誰も怒らず、皆で協力して「ノエルちゃん、こっち!」と捕まえてくれたものです。 ノエル死すの知らせは、一つの事件として、あっという間に伝わってしまいました。

近所や我が家を訪れる人たちの間で、人気者だったノエル。

昨日の水曜日には、近所のNさんとIさんが、「ノエルちゃんに」とトルコ桔梗と白ユリの涼やかな花かごを持ってきてくださいました。

離れにノエルの祭壇を作り、これも母の亡き友人が作ってくれた刺繍の布の上に、キャンドル、ノエルの骨壷、写真、花などを飾ったのですが、その写真が、うまくアップロードできませんでした。

こうして、いろいろなことを済ませたというのに、ノエルがもういない、ということがまだ実感として湧きません。

そのくせ、悲しく、淋しくてたまらないのです。

いつもなら、夕食の時、キッチンに来て、皆がご飯を食べている時、「わたしも御相伴を♡」とテーブルの下から顔を出して、ねだるのがとても可愛かったのに……。

夜中に起きた時も、廊下にいたし、家じゅうや庭じゅうを自由に歩き回っていたので、ノエルの記憶や気配はしっかりと家にしみついています。

空を飛んでいるようなポーズで逝ってしまったのも、ノエルらしい――ノエルのことは、これからも生きている限り、折々に思いだすはず。

記憶とは、愛情そのものなんだと思うから。

                                   2011.8.21~2024.5.13

 

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早春の一日

2024-03-02 16:52:18 | ノエル

ここ数日、ノエルの具合が良くありません。ご飯もあまり食べないし……。でも、昨日の夜中、突然、二階の私の部屋にやって来たのには、びっくり。夏の間、二階で寝ていたとはいっても、秋以降は階下の両親の部屋で休んでいたはずだったのに。

体が相当弱っていて、眠れないのか? と心配したのですが、私のベッドの下の床の上で、何とか眠れているよう。少し、ホッとしました。

上の写真は、十二年近く前、まだ一歳にもなっていないノエルと母をガーデンで写したものです。当時、我が家が『婦人画報』誌に載るという大事件があり、その時、取材に来られたカメラマンの方が写してくれたもの――母も、この時、七十歳くらいだったはずですが――あの頃は、皆元気だったなあ。

 

  

   この間、動物病院へ行った時、病院中庭のドッグランで写したノエルの写真2枚。

  

そして、これが今日、門の前で横になり、往来を眺めるノエル。この姿が見られるのも、いつまでだろう?

肌寒い日で、風花が散っている中、身じろぎもせず、外を見ているノエル。この情景もいつかは、記憶の中に溶け込んでいってしまうのでしょうか……。

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ノエル

2024-02-12 20:24:38 | ノエル

夕方5時に予約していた、総社の「だて動物病院」へ。一週間前の検査結果を聞くためだ。

ノエル、相変わらず、待合室ではしゃいでいる。なのに、診察室に通された時、先生から渡された病理検査結果には、最悪の結果が……。

ノエルが、悪性腫瘍であることがわかったというのだ。そんな……全身から力が抜けるようで、呆然としたものの、勇気を奮って、先生に今後のことを訊く。緩和療法しかなく、何を食べさせても良いとのこと。

「大型犬の平均寿命は長くなったと思ってましたけど、今、ゴールデンレトリバーの平均寿命は何年なんですか?」と私が問うと、先生は「十年というところですね」

そうか……暗澹とした思いで、病院を出ると、前に設けられた円形のドッグランに入り、これも円形に作られたベンチに腰掛ける。もう、すっかり暗くなっていて、ベンチの脇にはほの明るいオレンジ色の照明がつけられている。

ノエルは相変わらず、無邪気で、ふんふんと芝の匂いを嗅いだり、あちこちを見回っていたけれど、私の方は、胸がきりきり痛み、涙があふれて仕方なかった。

それでも、いつまでもドッグランにいるわけにもいかず、ノエルを車に乗せて、五重塔の黒い影や家々が時々見えるだけの、夜の山道を走らせたのだった……。

   帰宅して、前のノエルが亡くなった時、メモリアルとして作った私家版の「ノエルの童話」をひろげてみる。当時の悲しさを思い出すと、また涙がこぼれてたまらず、その夜はほとんど眠れなかった。

 

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マイルームメイト

2023-08-28 10:53:46 | ノエル

毎日、暑い。それでも、用事があるので、ほぼ毎日車で出かけている。

帰ると、ぐったりして部屋にいるのだけど、このところ、夜になると、12歳になった愛犬のノエルが、階段を上がって、二階の私の部屋にやって来る。日中はキッチンや、書斎、渡り廊下などで涼んでいるのに。

高齢なので階段の上がり降りが心配なのだが、それでもいつの間にか、二階にやって来て、私の部屋の床でぐっすり寝ている。なんか、すっかり、自分の寝室だと思っているみたい。

私の部屋は小さくて、涼しいので、「大きな犬小屋」ぐらいに感じていて、居心地がいいのだろうか? 上の写真は、そのノエルをスマートフォンで撮影したもの。 汚れた、大きなぬいぐるみという感じだな。

まさか、この年になって、犬がルームメイトになるとは思わなかったよ。

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2022年がやって来た

2022-01-07 16:01:44 | ノエル

新年明けましておめでとうございます。

毎度おなじみ、ゴールデンレトリバーのノエル(10歳)です。

これは、今年のお正月、離れの外の窓から室内をのぞきこんでいる私の写真よ☆ミ 後ろは、冬枯れの庭。

 

「UNO]とかいうカードゲームをみんなでやってたわ。 楽しそ~う。私も仲間に入りたいのに、家の中には入室禁止なの(例外は書斎で、そこのソファの上が私のベッド)。

   

上は、私も少しわけてもらったクッキー。 コロナとかで、人間の世界は大変らしいけど、新年が来ると、何とはしなしに、空が明るく、春の風の匂いがするでしょ。

そんな風に、少しでも前向きな気分になるといいね。

 

                                    ノエルより

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ノエルの暑中見舞い

2020-08-12 23:15:25 | ノエル

こんばんは、ノエルです。毎日、すご~く暑いですね。

私も、クーラーの部屋で日々過ごしています。年とると、本当、楽で涼しくて、気持ちよく過ごすのが一番だわあ。ウフフ。

このブログを始めた時は、まだ二歳かそこらだった私も、ずいぶん老いました。若い頃なら、すぐ突っ走れたのに、今では、朝の散歩の時は、起き上がる時に「1.2.3」と腕や体をウォーミングアップしてからでないと、何だかおさまりが悪いのです。

皆さん人間の方たちも、中高年以上になると、ヨガだとか健康体操だとかをやりだすのと同じことかもしれませんね。私の主人のMは、自分も結構な年寄りなのに、私に向かって「ノエル。あんたも、年取ったねえ」などと失礼なことを申します。

でも、鼻はまだ真っ黒で濡れ濡れしているし、お客様が来たら、興奮してそこらじゅう駆けまわれるし、まだまだこれからだ、と思っております。

あと、10日足らずで、私の9回目の誕生日。実は、獅子座♌生まれなんですよ。ゴールデンレトリバーって、優しいライオン🦁みたいなものだから、私に似つかわしいこと、このうえない誕生日ですよね?

それでは、皆さん、ごきげんよう。

                🌻ひまわりと名づけたらよかったと言われるほど、陽気で天真爛漫なノエルより。

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雨でごんす

2020-07-10 20:36:09 | ノエル

 

こんばんは。今日も雨が降り続いております。九州の方では、大変なことになっている方々も、たくさんおられるのですね。湯布院もどうなっていることか……どうぞ、一刻も早く、この水難が去ってくれますように。

それでも、今日ヨガ教室に行ったところ、会場となっているセンターのロビーいっぱいに、七夕の飾りが! それが広い空間いっぱいを埋めつくす勢いで、天井にまで届かんばかりなのです。さぞ、職員の方たちが、腕をふるって、飾りを作って下さったんだろうなあ――。しかし、七夕の飾りって、イカ烏賊みたいな形に折り紙を切ったり、面白い飾りがあるのですが、なんだか意味不明。

雛の節句とか、こいのぼりはスゴクわかりやすいのにねえ……。

上の写真は、いつぞや撮ったガーデンでのノエルと、ゴールデンレトリバーの置物。これには、面白い後日談がありまして、ガーデンの門を開けたままにしておいたところ、ちょうど家を訪ねてきていた母の友達が、あわてて車庫のところから電話をかけてきたりしたのです。

「ちょっと! 門が開いているのに、おたくのノエルが放れているわよ!」

あのう……ノエルは大分前から、ガーデンを引っ越して、家の前庭や中庭で自由に暮らしているんですが……。

と、母が答えたらしい。その人が、「あらま。どうりで、何だかノエルちゃんが小さくなったと思ったわ」と言ったと、後で聞いた時は、思わず吹きました。

雨の午後は部屋で、映画のロードショー。といっても、14インチの大きさのDVDポータブルプレイヤーで、観るんですが。今日の映画は、マルレーネ・ディートリッヒの怪演が見物の、「情婦」。

名匠ビリー・ワイルダー監督の1950年代制作のモノクロ映画です。原作は確か、アガサ・クリスティーの「検察側の証人」じゃなかったかな?

当時、ディートリッヒは、五十六才くらいにはなっていたかと思うのに、シワ一つない、年齢不詳の顔。すらりとしたスタイル――やはり、とんでもない傑物女優であります。

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アルバム作り

2020-07-07 17:10:54 | ノエル

昔飼っていたシベリアンハスキーのナターシャ。しかし、彼女を写しておいたアルバムもすっかり劣化していて、ページの余白は黄色くなっています。第一ふた昔も前のものだから、すご~く重いのじゃ!

なっちゃんが我が家にいたのは、もう遠い昔のことなのだなあ、と歳月の無常さをしみじみ感ずる私。第一、こんな黄ばんだアルバムでは、開く気持ちにもなれませぬ。そこで、新たにアルバムを作ることにしました。

今のアルバムはコンパクトで、軽く扱いやすい!ただし、写真の数はそんなにおさめられないんだけど。

    

これが、うちに来て少したった頃、庭で椅子に手をかけているなっちゃん。 かわいいなあ。こんな小さなワンコに椅子をまるごと与えて、遊ばせていたんですね。 

         

これは、その椅子に寝そべって、手をかけているなっちゃん。光が当たって、はっきりとは見えないかもしれないけど、瞳の色が青いのがわかるはず。

        

そして、これはもう大人になっていた、なっちゃん。今思い出しても、本当に幻想的なまでの、凄い美人の犬だったわあ……。

もう一度、夢でもいいから会いたいものであります。

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ある日の日記

2020-04-20 17:40:26 | ノエル

今日は、ノエルに狂犬病の予防注射を受けさせるために、獣医へ。これから、暑くなり、蚊🐝も出始めるので、フィラリアの予防薬(ノミ、マダニの予防薬も含められている)ももらい、健康診断ということで、血液検査も受けました―ー結果、さして心配することはないとのこと。ああ、ヤレヤレ。ものすごく、ホッとしました。

 

        

 

帰宅した後、ガーデンで撮ったノエルの3ショット。背後にいる小さめのゴールデンは誰だと思います?

ノエルの子供か?

  正解は――

    

ゴールデンレトリバーの置物🐕!

道行く人も、「あら、久しぶりにノエルちゃんが庭に出ているのかと思った」とコメント。もう一年近くも、ガーデンも裏の家もほったらかして、前庭に放し飼いになっているノエル。 代わりに、ガーデンのシンボルは、この子ということになるのかな?

ウィルスの恐れに平行して、経済も交通もストップしてしまっている日常。だから、家でできるだけ楽しむようにするコツを見つけるべきなのですが……

  

このとても小さなフレームもだいぶ前に購入し、羊皮紙の切れ端を使って、紋章作品を作ろうと思っていたのですが、なかなか……☽

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ノエルとルンバ

2019-11-27 09:38:06 | ノエル

 

毎度おなじみ、ゴールデンレトリバーのノエル🐕です。これは、とある午前中のできごと。

廊下に、ルンバをかけているところなのですが、それをちょうど中庭にやって来たノエルが、窓越しにのぞきこんでいる!

この、なんとも不思議そうな、けったいな表情……ノエルも、なぜか掃除機というものに興味があるらしく、自分が寝室にしている書斎に、私が掃除機をかけると、それまで庭を散歩していたはずなのに、いつの間にか部屋に入ってきていて、すぐ横から、のぞきこんでいたりするのです。(コラッ、足をどけてと言っているのに。掃除機がかけられらないじゃないか

             

でも、この表情――やっぱり可愛いですね。

ついでに、おまけ。

これは、ある夜の出来事を撮った写真です。

キッチンでTVを見ていると、なぜか、下からガタガタ音がする――どうやら、ノエルが床下に入りこんで歩き回っているようなのです。

以前、何回も床下に潜り込んでしまい、土ぼこりだらけになって出て来たので、出入口のところに金網を張っていたのに……。

仕方なく、懐中電灯で入り口のところを照らしながら、名前を呼びつづけ、ようやく出しました。真っ暗な床下を歩き回るなんて、ゾッとしないようにも思うのですが、闇でもしっかり目が見える🐕にとっては、スリルが楽しめる遊びのよう。

金網の隙間から、何とか入ることはできても、自分で出ることは不可能。しかし、ワンワン鳴くこともなく、入り口のところで、人間が気づくまで悠々と寝そべっていたりします。

上では、通路のガラスを見上げて、エヘヘという顔つきのノエル。ヤレヤレ

 

    

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