映画「ピーターラビット2」を観る。

実言うと、これで3回目。近頃、年のせいか真夜中の3時頃目が覚めて、それから眠れない私。そんなわけで、自室でミッドナイトロードショーなどをいたしておるのですが、これがなかなか良き時間なのです。
この「ピーターラビット」は元々、原作の絵本の大ファンだったせいもあって、初の実写映画化されたと聞いて、早速映画館まで見に行ったのですが、ものすごく面白かった! しかし、続編が作られていたとは、つゆとも知りませんでした(すっかり、田舎に埋没して暮らしていますので)。
さて、DVDで見た、この「ピーターラビット2」――全編を上回ると言っていい面白さ! 気に入った映画は、何度もしつこく繰り返してみる私なので、これも繰り返し見る、宝物のような映像になりそう。
今回は、
飼い主(?)の女性が宿敵マクレガーさんの甥と結婚するところ(何しろ、ピーターラビットのお父さんは、昔マクレガーおじいさんの畑に忍び込んだところを捕まって、パイにされてしまったのですから)から幕が上がります。
湖水地方の豊かな田園の中で繰り広げられる、絵本のような結婚式。しかし、マクレガー青年の(悪い人じゃないんだけれど、自分でも施設育ちだから、と言ってる通り、ピーターの父親代わりとなるには、気持ちの襞がいまいち)無理解な言動に、ストレスをためっぱなしのピーター。
飼い主の女性ピアは、ピーターたちを題材とした絵本が、大評判を呼び、出版界のヒットメーカーであるうさんくさい出版社に呼ばれることに。
そして、ピーターと仲間のウサギたち(従兄のベンジャミン、妹のカテントール、フロプシー、モプシー)も付き添って、都会の出版社に。そこでも自分を「悪党ウサギ」のキャラクターとするという出版社の意向に、ショックを受けたピーターは、皆に黙って姿を消します。
怒りと悲しみを感じながら、街を歩いていたピーターが出会ったのは、通りの野菜ショップで万引きをしていた、老獪なウサギ、バーナバス。
彼は、自分は昔、ピーターの父親だったと言い、悪の道へと誘うのですが――
大体、こういう前振りで始まるのですが、何しろ、ピーターが可愛い! 青いチョッキ姿も、いたずらっぽく光る大きな目も、まさに世界中がイメージする「ピーターラビット」でしかないのですが、三匹の妹たちは……(・_・;)
確か、絵本ではお母さんウサギといつも、一緒に行動する普通の可愛いウサギの女の子だったはず。セリフもほとんどなかったと記憶しているし。しかし、本作では、とんでもない進化を遂げています。
ノリがやたらよく、たくましいし、ある意味でピーター以上の悪。モプシーにいたっては、出版社が特別に用意してくれた列車の車両(一両まるごつ使わせてくれるという、豪華列車なのだ)で、砂糖掛けのビーンズというお菓子を見つけてしまい、それを一皿食べた挙句、列車の外の窓にヤモリみたいに張り付いているという、むちゃくちゃぶり。
イメージが崩れてしまったような気がするのですが……。あの気むつかしそうなビアトリクス・ポーターが、この有様を見たら、何ていうだろうう?
「私の作品世界を壊さないでちょうだい」と怒り心頭で、決して、この映画を認めないに違いないだろうなあ。
でも、今は21世紀。湖水地方を飛び出して、はちゃめちゃなアクションを披露するピーターたちは、やっぱり、私たちみんなのもの。宝。ぜひぜひ、第三作が製作されることを、願ってやみません。
しかし、それにしても、このウサギの実写映画、どうやって撮ったのでせう? ピーターたちのあまりのリアルさは、コンピューターで画像処理したものとはとても思えないし、特大サイズのぬいぐるみが、画面を駆け回っているだけとも思えない。
ひょっとしたら、イギリスの映画撮影所には、普通よりずっと大きなウサギたちが(おまけに、喋る)本当に住んでいるのではないかしら、と空想してしまう私です。