ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ガーデンにて

2015-04-30 08:09:02 | ガーデニング
明日から、ギャラリーです。お客さんが来て下さると、うれしいな。
さて、夕方どきのガーデン散歩であります。

黒いフェンスそばには、菖蒲が咲き

その向こうには、モッコウ薔薇。ここには、ブラックベリーがあったのですが、いつの間にか枯れてしまいました。

そうして、木々の間には、黒地にブルーの紋様が美しい蝶がひらりひらり。
春の終りの夕暮れはかぐわしく、空気はすこしひんやりして、スゴーク気持ちいい!
一年のうちでも、もっとも素晴らしい時期なのではないかしら?隅っこの木の根元には、今日、園芸ショップで買ってきた上品な紫の花を置きました(名前、忘れてしまいました)。
この園芸ショップ――野菜や食べ物を売っていたり、レストランもあったり、乗馬場やドッグランもあるという「行楽地」なのですが、おりからのゴールデンウィークですごい人! 皆さん、どんどん花を買っていかれるけれど、無事それぞれのお庭で育つことができるのかな?
そして、昔吉備の国と呼ばれた郊外にあり、豊かな田園や古墳、五重の塔などがあるドライブにぴったりの場所。道のそばには「まほろば珈琲店」というお店まであり、その古式ゆかしい名前を見ると、いつもヤマトタケルが詠んだ「倭は国のまほろば。たたなづく青垣 山こもれる倭し麗し」という歌を思いだしてしまいます。
幾多の苦難と冒険の果て、大和への帰還を夢見ながら、この辞世の歌を残して、彼は世を去ったのでしたね。
閑話休題。
とにかく、ガーデンには、花々が咲き、その合間には、ノエルの姿も見え、この時期はここにいるのが一番楽しい! 読書もしばし「おあずけ」であります。
コメント

セッコク日和

2015-04-27 22:13:16 | ガーデニング
日本庭のセッコクが開花!
縁側のガラス窓を磨いていても、素晴らしい香りが流れてきます。でも、今からこんなに咲いて、5月1日~3日のギャラリーには、もうしおれかけているかも…。かなり心配です。何せ、この花は一週間ほどの短い命なのですから。

    
これも、この数日のうなぎ登り(?)する気温のせい。お天気に文句を言ってもはじまらないのだけど。
樫の古木に植生し、空気中から養分を吸って生きるという、不思議な蘭。まるで、この世ならぬ世界に住む妖精みたいでしょ?
コメント

マジック・イン・ムーンライト

2015-04-23 18:32:17 | 映画のレビュー
ウディ・アレン監督の「マジック・イン・ムーンライト」を観に行って来た。
想像していた通り、軽いテンポに乗って一気に観ることのできる映画。上映時間の間、一度も退屈することはなかったし、頭の隅で「あと、どれくらいで終わるのかな?」なんて思うこともない、極上のエンターティンメント!

だが、しかしである。何だかつじつまのあわないところはあるし、ご都合主義も見えかくれしている。「面白いけれど、よくできた映画」とはいえないというのが、私の最終的な感想。
さて、この映画、どんな話なのかといえば、コリン・ファース扮する天才的なマジシャン、スタンリーが友人のハワードから「ある大富豪が若いアメリカ娘の占い師にだまされている。何とかしてくれ」との依頼を受けて、南仏はコートダジュールの別荘に乗りこんでいくところから始まる。時は、古き良き1920年代。当時のファッションの粋なこと! 南仏の風景は、蜂蜜色の煉瓦に、美しい花々が続く・・・と絵にかいたような麗しさ。

スタンリーは、くだんの占い師ソフィーに会うのだが、彼女がとても若く美しいのに内心魅了される。このソフィー演じているエマ・ストーンが素晴らしく魅力的。 不思議な光を放つ大きな目に、表情豊かな唇、そして、クリーム色の皮膚がとてもキュートなのだ。これでは、傲慢で堅物のスタンリーでさえ、無視できないのは当たり前かも。ソフィーは、霊界との交信や透視能力を発揮するなど、本物の超能力者にしか見えない。このマジシャンと占い師の恋模様がどのように展開するのか? 二人は果たして結ばれることになるか?  というのが見どころなのだけれど、スタンリーが突然、ソフィーが「ニセモノの超能力者」と見抜く場面が唐突だし、ニセモノならニセモノで、なぜこんな見事な力が発揮できたのか? という疑問も未解決のまま。

でも、それでも十分、この物語は魅力的。両大戦の間に横たわる、優雅な時代の描写やデリケートな美しさに満ちているファッションが目を奪うし、洒落たコメディとして面白い。20世紀前半のクラシックカーも素晴らしい。この時代の自動車は「車」なんて言えないほど、瀟洒な工芸品のようだ。

コメント (1)

牡丹が咲きました

2015-04-22 10:24:33 | ガーデニング
font color="red">img src="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/a2/82c5d493c65a8dc6deabd8bb47e3a74d.jpg" border="0">

ガーデンに牡丹が咲きました。まるで、楊貴妃を連想させるあでやかな美しさ! 雨がずっと続いていた後、ようやくやってきた太陽のこぼれる朝、みずみずしく咲き誇っています。



それにしても、雨上がりのガーデンはやわらかな緑がとても綺麗。かの文豪スタンダールが「パルムの僧院」の中で、「雨あがりと共に、自然は若返っていた」というようなことを言っていて、それがこの小説を読んだ中学生の時以来、印象に残っているのですが、本当、雨が上がった後の緑というのは、若さを取り戻したように鮮烈な美しさです。

綺麗でも、花の命はほんの一瞬。だからこそ、人の心に深くしみ込んでくるものがあるし、私達は花を愛でてやまないのかもしれません。
コメント

伝言板

2015-04-22 10:13:50 | アート・文化

  

 

来月のギャラリーは5月1日~3日の午前11時から17時まで開きます。

出品作家は イコン画家の白石孝子さんとガラス作家の中野由紀子さん。

 ロシアやギリシアといった正教の国々で受け継がれてきた宗教画であるイコンを御紹介します。深い祈りの世界をどうぞご覧下さい。人気硝子作家中野さんの初夏にふさわしいガラスの涼やかな作品もお楽しみ下さい


 そして、仲達浩育さんの組み木作品の他、カリグラフィーカードも販売いたします。


  P.S
  春の到来と共に、ガーデンには様々な春の使者がやってきました。ガーデンの散策もどうぞ。また待望のセッコク蘭もお楽しみに。

コメント (1)

ノエル人生で、初めて怒る

2015-04-22 09:59:57 | ノエル
久しぶりにお天気の週末、ノエルを連れて、ドッグランへ。
ここへ来るのは、約半年ぶり。

今回はどうかな?と思ったのだけれど、やっぱりへっぴり腰で他のワンちゃん達とうまく遊べないのでありました。テントの中のベンチの上にふんぞり返ってえらそうにしているかと思いきゃ、人間のそばにばかりくっついています。他の犬たちは、さっそうと駆けだし、じゃれあっているというのに・・・。


人間ばかりが良いなんて、育て方に問題があったのかしら? と思っていると、中型犬がノエルに急接近。しつこくノエルにまとわりついてくるので、どうなるかなぁ~と見ていると、ノエルが「ワン!」と牙までむき出しにして威嚇。ノエルが怒ったのなんて、初めて見たよ。おそらく、生まれて初めて怒ったんじゃないかな? 今まで「怒りを知らない」犬とばかり思っていたけれど――。

でも、ドッグランに来る犬は、とてもいい子たちばかりです。懐かしいシベリアン・ハスキーに会う事もでき、かつての愛犬なっちゃん(正式名は、ナターシャ)を思いだして、ちょっとホロリ。 ハスキーはやっぱりいいなあ。歌舞伎役者のような顔の隈どりや青い目。また飼いたいな。
コメント

ノエルハーブガーデンより

2015-04-17 18:37:14 | ガーデニング

三日前の夕暮れ時は、こんな静かな風情だったのに、

今日のお昼は、こんなにぎやかなお庭に見える。雨がずーっと続き、ガーデンもじっくり見る暇がなかったけれど、植物はこれからどんどん成長してくれるはず。


ケヤキの木の下に、かたまって咲いているスミレ達の愛らしさ。わざわざ一株を植えるよりも、こうやって自然に木の根元とか煉瓦の敷石の隙間から、顔を出す花の方がチャーミング。でも、ここはノエルをつないで置く場所でもありまする。どうぞ、ノエルに踏みつぶされませんように。

日本庭の方に、綺麗な牡丹が咲いていて、写真を撮っておこうと思っている間に、もうはらはらと花が散り始めている……ああ、もっと早く撮っておくんだった。この牡丹は母方の祖母の実家から、何十年も前に我が家へやってきたもの。こういう来歴のある花や植物には、一段と思い入れも深まろうというもの。

さあ、ガーデンの季節がやってきた!
コメント

ある日の日記

2015-04-15 18:22:34 | ある日の日記
今日も、まだまだ寒いです。明日からは、お日様が照るというから、待ち遠しい!
さて、朝のうち、居住スペースやお座敷を掃除したのだけれど、かるく2時間はかかるなあ……。それから、美術館にイコン画を取りに行き、離れに飾りました。上の写真で、その横にあるのは、カリグラフィーのカード。ある程度作って、来月のギャラリーで販売する予定です。

来月の「アトリエ・ドゥ・ノエル」には、このイコン教室で教えて頂いた、イコン画家白石孝子さんの作品も展示させていただくつもりです。ロシアやギリシアといった正教の国々で伝えられてきた宗教画の世界を見て頂けたら、うれしいです。日本人では、山下りんという女性が、昔帝政ロシアにまで旅だって、イコン画の技術を取得し、帰国した後、書き続けたそれらの絵が、各地のハリストス教会などに残されています。

今、このブログを書いている窓の向こうにも、上のお宮の公園の緑や、暮れてゆく空の色が広がっています。一日がゆっくり終わろうという頃、夕餉の前の時間って、何だかいいですね。

コメント

面白い!

2015-04-15 18:11:40 | 本のレビュー
今の超話題作である上橋菜穂子の「鹿の王」を買ってきた。話題作やベストセラーというものを、あんまり読まない私なのだけれど、これは紹介を読んだだけで「面白そう」とピンときた。
それで、昨夜眠る前、ベッドで読みはじめたのだけれど、スゴ~ク面白い! 巻置くあたわず、というのはこういう本のためにあるのではないかしら?

これは冒険ファンタジーともいえる大作なのだろうが、作者独自の世界観・自然観などが織りなされていて、すばらしく重層的な傑作にしあがっている。といっても、世評高い上橋菜穂子の本は、外に「獣の奏者」をひろげたことがあるのだが、その物語に溶け込めず、途中で読むのをやめてしまったこともある。

でも、これは最後まで一気に読めそう! 冒険ファンタジーといっては、ジェーン・ギャスケルの「アトランの女王」やハワードの「コナンシリーズ」が浮かぶけど、そうした天才作家たちに比肩しうる、スケールの大きな想像力、男性的な凄みある文体を感じさせ、これからしばらく楽しめそうで、うれしい。 読後感は、また、ここに書こう。
コメント

シベリア物語

2015-04-13 23:11:04 | アート・文化
童話教室から帰ってくると、キッチンのテーブルの上に、不思議なお菓子が。聞けば、Yさんが持ってきてくださったのだそう。
包みを開いて見て「あっ、これは…」と言葉を飲みこんでしまいました。そう、知る人ぞ知るお菓子「シベリア」であります。
宮崎駿のジブリアニメ「風立ちぬ」で主人公の堀越次郎が、夜の駄菓子屋(いや、パン屋だったかな?)でふらりと買ったお菓子が、この「シベリア」。うんと昔の昭和の初め頃は、人気のお菓子だったという、シベリアがまだ売られていたら、食べてみたいというようなことを以前、このブログに書いたのを覚えてくださったのですね。 本当に嬉しいです。ありがとうございます。

さっそく、夕方のティータイムを楽しむことに。包装紙に「シベリアはスポンジの間にあんこの入ったケーキです」と説明書が。うん、それは見てもわかるのだけれど、この三角の形が何ともいえず面白い! あんことスポンジが層になっているのも、当時はハイカラな趣だったのでは? でも、どうして「シベリア」なんてバタくさい名前なんだろう?

紅茶を飲むながら、食す「シベリア」…懐かしい時代の味がします。「風立ちぬ」のシベリアが出てきたアセチレンの灯を思わす夜道の明かりや、次郎が駄菓子屋の店内をのぞくシーンも、思い起こしました。 私が、戦前とか大正とか、そんな時代の子供だったなら、小銭を握りしめて、駄菓子屋へ走り、「シベリア下さい!」なんて、わくわくしながら言っていたかも。

それにしても、今もこうして売られているなんて、隠れたファンがまだまだいるのでしょうね。 お菓子のロングセラーは「森永のキャラメル」だけではないのです。
コメント