近所にコンビニができた。それで、今日が開店日。うれしくて、今日だけで、三回も行ってしまう。こんなこと書くと、まるでどこか山の中の僻地にすんでいるみたいだな・・・。
普段は、ほとんどコンビニなんて行くことはない。料金の払い込みとコピーをとる時くらいである。弁当や、おにぎりやお菓子を買うことなんて、なかったなあ・・・。コンビニが私の生活の友であったのは、はるか昔の学生時代である。それが、今日のぞいてみると、実に魅力的な商品が並んでいるんである。こりゃ、スーパーなんかより、面白いかも。レトルトパックに入った豚汁やら、ハンバーグやら、コンビニ仕様のちょっとリッチな惣菜・・・ああ、おいしそう。
さっそく、有名なラーメン屋の味を再現したというカップラーメン、チーズパンなどを買う。帰宅して食べると、期待にたがわぬおいしさ。うん、ここ当分、コンビニがマイブームになりそうである。何せ、冷蔵庫がわりに使えそうなほど、近所にあるのだ。
それで、思ったけれど、子供の頃、雑貨店とか駄菓子屋というものがあった。ばら売りの駄菓子やら、菓子パン、アイスクリーム、果ては縄跳びやら虫とり網などというものまで売っているという、考えようによっては訳のわからぬ店であった。こういう店は、町内に一、二軒はあって、通っていた小学校のそばにもあった。運動会の時など、こっそりと校門を出て、その駄菓子屋へ行き、ジュースを買って飲んだこともあったっけ。
そういう店が、姿を消していったのは、いつ頃だったろう。私が中学に上がる頃というと昭和六十年前後には、雑貨店は絶滅にひんしていたのじやなかろうか? あれも、昭和を担った輝かしい(?)文化の一端であったと勝手に思っている、私としては、今の子供たちは「買い食い」の愉しみを知らない分、気の毒な気がする。蛍光灯が明るく輝く、無機質なコンビニ空間では、薄暗い木造の駄菓子屋の秘密めいた面白さなんて味わえないでしょう?
といっても、マンガ「ちびまるこちゃん」を読むと、ちょっと違うかもという気がする。作者のさくらももこさんは、私より五歳くらい年長のはずだと思うのだが、ここに描かれた紙芝居屋とか、雑貨屋の雰囲気が、私の記憶にはないのである。古い木のショーケースに大きな容器が幾つも並べられ、そこに、ばら売りのお菓子が一種類ずつ売られているとか、自転車に乗って、紙芝居を見せにくるおじさんの存在とかである。これはもう、アミューズメントパークの昭和レトロ商店街の世界だなあ。