行きつけのミニシアターで観た映画。
犬たちが大群で、街を疾走するシーンのポスターがとてもスリリングで、公開を楽しみにしていた。
けれど……現実は、映画館のシートの上で「こんな残酷な映画見たくない。来なければよかった」と下を向き、スクリーンを直視する勇気もなかった私。
ストーリーは――説明するのもつらいので、省略するのを許して下さい。無理解な父親の方針で愛犬を路上に置き去りにせざるをえなかった少女。それから、犬がさまよい、闘犬に仕立て上げられるのが、目をそむけたくなるほど可哀想で……。
野犬保護収容所に押し込められた犬たちが、突如人間たちに牙をむき出し、雪崩をうったように街を駆けてゆく――けれど、彼らはこの後どうなるのだろう? エンディングが流れた後も、つらくてつらくて、その日一日、何も楽しくなかった。
追伸:けれど、映画を離れた現実の撮影現場では、心温まるエピソードもあったのです。実は、この映画に出演した何百匹もの犬たちはすべて、殺処分されるのを待つばかりだった保護収収容所の犬。しかし、この映画を観た観客たちから「引き取って飼いたい」という要望が殺到し、結果すべての犬たちが新しい家族と暮らすことになったそう。
世の中には、美しいエピソードもあるのですね。本当にほっとした…