最近、買った少女マンガです☆彡 でも、はっきり言って、大昔の「少女マンガ」の後日談といった方がいいかも…。
「王家の紋章」の方は、私が小学校の低学年の頃には、すでにあったというくらい古い古~いマンガ。現代のアメリカの女の子(それも、大金持ちの令嬢である)キャロルが、古代エジプトへタイムスリップしてしまい、そこから波乱万丈の恋と冒険と、歴史活劇が始める、という物語。
ところが、これが二十一世紀、令和の時代になっても、まだ続いている! そして、エジプト王のメンフィスはおろか、ヒッタイトのイズミル王子などオリエント、地中海世界でモテモテのキャロルをめぐって、奪還劇が繰り返されるというストーリーなのですが、さすがに……マンネリもいいところ。
おまけに、話はいつまでも前に進まないし――いったい、キャロルは、最後は現代に帰ることになるのか、それとも古代世界で死んでしまうのか?
この最新刊でも、舞台はアフリカの奥地、ヌビアに飛び、そこの蛮族の女王に捕まったキャロルを、乗り込んで来たメンフィスが救うという筋書きなのですが、前も何度も見たよ、というパターン。
最初の頃は、いかにもアメリカの女の子という感じで可愛かったキャロルも、今ではすっかりフレッシュさがなく、ヌビアの女王の前にひったてられても、「私はエジプトの王妃。その品位を汚すようなことはできないわ」などと、高慢ちきに。
ああ、年を取らないはずの少女マンガの主人公も、長~く話が続きすぎると、心が汚れてくるのかも。
そして、「ポーの一族」の続編である「ユニコーン」――これは、ぜんっぜん面白くありませんでした。四十年ぶりの新作として発表された「春の夢」は、とっても面白かったのに、二巻目のこれは……もはや、意味不明です……。
「ポーの一族」は全部で五巻あり、最後は火事が起こり、エドガーとアランは死んでしまう(というか、塵になってしまう)はずだったのに、この「ユニコーン」の舞台である2016年に、エドガーが生きたまま、登場します。
彼は燃えてしまったアランを生き返らせてほしい、と望むのですが、何てムチャクチャな設定なんだ。 あの名作の最後で感動した、昔の読者を裏切るようなことをするな、と叫びたい気持ちです。勝手に話を変えるな!
作者の萩尾望都さんが、すばらしく博学で、素晴らしい想像力を持っているのはわかるのですが、そのせいで話がやたら広がり、わかりにくくなっています。
ポーの一族が住む村には、薔薇が一面に咲き誇っているという話は、幻想的で好きだったのに、その地下には一人の男が埋められていて、薔薇が決して枯れないのも、そのためだという種明かしになっているのは――もはや、興ざめです。帯には、「さらに深度をます世界観に圧倒される、新世紀の‘ポー‘」などと書いてあるのですが、話が空中分解しているだけなのに、ものは言いようだなあ、と思ってしまいました。
結論=少女マンガも、あんまり長く話を引き延ばすと、内容が薄くなります。何でも、潮時というものがあるのじゃ。