夕方5時に予約していた、総社の「だて動物病院」へ。一週間前の検査結果を聞くためだ。
ノエル、相変わらず、待合室ではしゃいでいる。なのに、診察室に通された時、先生から渡された病理検査結果には、最悪の結果が……。
ノエルが、悪性腫瘍であることがわかったというのだ。そんな……全身から力が抜けるようで、呆然としたものの、勇気を奮って、先生に今後のことを訊く。緩和療法しかなく、何を食べさせても良いとのこと。
「大型犬の平均寿命は長くなったと思ってましたけど、今、ゴールデンレトリバーの平均寿命は何年なんですか?」と私が問うと、先生は「十年というところですね」
そうか……暗澹とした思いで、病院を出ると、前に設けられた円形のドッグランに入り、これも円形に作られたベンチに腰掛ける。もう、すっかり暗くなっていて、ベンチの脇にはほの明るいオレンジ色の照明がつけられている。
ノエルは相変わらず、無邪気で、ふんふんと芝の匂いを嗅いだり、あちこちを見回っていたけれど、私の方は、胸がきりきり痛み、涙があふれて仕方なかった。
それでも、いつまでもドッグランにいるわけにもいかず、ノエルを車に乗せて、五重塔の黒い影や家々が時々見えるだけの、夜の山道を走らせたのだった……。
帰宅して、前のノエルが亡くなった時、メモリアルとして作った私家版の「ノエルの童話」をひろげてみる。当時の悲しさを思い出すと、また涙がこぼれてたまらず、その夜はほとんど眠れなかった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます