
若い頃、ちょっと観かけて、途中で(多分、何か用事があったのだと思う)やめにしていた映画「リバー・ランズ・ツルー・イット」をこの度、やっと全部観ることができました。 うれしい

実は、これ、ハリウッドの大物二枚目スター、ロバート・レッドフォードの監督作品なのですね。レッドフォードの監督としての才には定評があり、第一作の「普通の人々」でも、見事オスカーを受賞しています。
私も、この「普通の人々」は高校生の時TVで見て、とても深く心に残ったもの。中学生の時は、原作となった「アメリカのありふれた朝」という小説も読んでいて、このシリアスな家族ドラマはとても、惹きつけられるものを感じました。
さて、この「リバー・ランズ・ツルー・イット」――これは、昔のモンタナ州を舞台に神父家族のストーリーを川で鱒を釣る釣りにからめた、抒情的な映画ですね。
そして、映画ファンにとって見逃せないのは、この物語に主人公の奔放な弟ポール役として、ブラッド・ピットが出演していること。
確か、デビューした時、ブラッド・ピットは「レッドフォードの再来」と言われたんだっけ……確かに、面影が似ているな……金髪で、ソフトなハンサムであることや、NYのような大都会よりもアメリカの地方が似合いそうな牧歌的な雰囲気を漂わせているところとか。
でも、やはり、ブラッド・ピットはレッドフォードのような本格的な美貌ではないかな? 若い頃のレッドフォードを少し崩したような顔立ちというか――。
決して裕福とは言えない牧師の父に教えられた釣り。その釣りが、趣味の域をこえて、いつか家族を結ぶ絆になり、ひいては川そのものが、家族の歴史を紡いでいくという展開なのですが、成績優秀な主人公/font>ノーマンと明るいポールの対比が、とってもいい!
やがて、東部の大学に入学したノーマンは家を離れ、ポールは地元の新聞社に記者として勤めるのですが、彼はポーカー賭博で借金を重ねるようになっていきます。ノーマンは弟を叱責しますが、父を交えたフライ・フィッシングで楽しい日を過ごした翌日――ポーカーを巡って、ならず者たちとかかわりを持っていたポールは何者かに惨殺されてしまう。
そこで物語は、終わりますが、エンディングでは、再び故郷に戻った年老いたノーマンが、かつての日と同じように釣りをするシーンで締めくくられています。
見終わっての感想は、正直なところ「いい映画だけれど、とっても面白いというほどではないな」という感じだったのですが、日を追うごとに、なぜかモンタナの美しい自然や釣りのシーンが、くっきり頭の隅に居座ってしまいました。
やっぱり、観る者の心に何かを残す映画なのでしょうね。 レッドフォードはユタ州にずっと住んでいると、以前聞いたことがあるけれど、彼の中西部への深い愛情が伝わる作品でもあります。