
家の前の日本庭園のほぼまんなかにある、樫の古木にかぐわしい匂いを放ちながら、白い花が咲いているのを見た時は、じんわりとしたものが、胸にこみあげてきたもの。


母が、三十五年以上前に、植え付けたのがもとで、こんな風に薫風とともに、咲き乱れるようになったのだが、残念ながら、この花が一週間かそこらでしぼんでしまう。
ほんの短い間の宴なのであります。

ここ数日間ほど、お客様が、この花を見に来宅されたのだが、そのうちの一人の方が、ご自分で焼いたパンを持ってきてくださったのだ。


少し、トースターで焼いたら、アールグレーの香りがよりいっそう高くたちのぼるとのこと――明日の朝、そうしてみよう。