【もんじゅ廃炉議論】
「もんじゅ」は出力28万kWの高速増殖炉の原型炉。
約6000億円の巨費を投じて福井県敦賀市白木に建設され
これまで「もんじゅ」につぎ込まれた資金は約9000億円
にも達します。高速増殖炉開発につぎ込まれた総費用は
約2兆円と言われている。
「運転しながら燃料となるプルトニウムを新たに造り出
す」原子炉が高速増殖炉です。かつては「夢の原子炉」
と呼ばれ、米国が日本に原爆を落としたマンハッタン計
画に端を発し、世界で最初に発電した原子炉も高速増殖
炉。半世紀以上の歴史があるが、後発の軽水炉に先を越
され、結局、いまだに実用化の目処も立たっていない。
すでに米、英、ドイツ、フランスが開発から撤退。フラ
ンスではフェニックスというかつての原型炉があり、91
年から核のごみの焼却研究炉として存続しているにすぎ
ず08年には廃炉措置が始まっている。
2010年5月8日
臨界確認。試験として約1時間後、19本の制御棒のうち
2本を挿入し未臨界とした。今後、臨界と未臨界など
各種の試験を経て2013年春に本格運転を目指す。
2010年8月26日
原子炉容器内に筒型の炉内中継装置(重さ3.3トン)が
落下。後日、吊り上げによる回収が不可能と判明。長
期の運転休止を余儀なくされた。
2010年12月28日
海抜21mにあるディーゼル建物に設置されている非常用
ディーゼル発電機(発電出力4250kw)3台のうち1台(C
号機)がシリンダライナのひび割れにより故障。
2011年3月23日
福島第一原発事故を受け、福井県は、もんじゅの安全性
確保について、文部科学省に申し入れをした。
2011年4月5日
福島第一原発事故を受け、全電源喪失時対応訓練の実施を
行った。尚、04月26日の共同通信の報道によると4月現
在の装備では、もんじゅを含めて多くの原子炉で電源車
では十分な冷却が不可能なことが明らかになった。日本
原子力研究開発機構や電力会社では電源車の追加配備を
計画している。
2011年4月20日
経済産業省から緊急安全対策を指示されていた日本原子
力研究開発機構は、もんじゅに電源車1台などを配置し
すべての電源喪失を想定した訓練を行ったなどとする報
告書を経産相に提出した。(もんじゅでは電気がなくて
も、高低差と温度差による対流でナトリウムを循環させ
て原子炉を冷やす仕組みになっている。この仕組みにつ
いて報告書には「冷却が可能であることを再確認した」
とあるが運転停止中のため、データ解析などによる確認
のみで同機構の担当者は「実際に機能するかどうかは出
力試験後に確認したい」としている)
2011年06月10日
高速炉もんじゅ落下装置引き上げに工学的無理
2011年6月18日
福井もんじゅ 落下装置、23日にも引き抜き
日本原子力研究開発機構は、高速増殖炉「もんじゅ」(
敦賀市)で原子炉容器内に落下したままになっている燃
料交換用の炉内中継装置本体を23日にも引き抜く方針を
固めた。 炉内中継装置は直径46センチ、長さ12メート
ル、重さ3.3トンの円筒形。中央が直径約40センチの空
洞になっており、燃料交換の際に空洞を燃料棒が通る仕
組み。昨年8月に落下し、接合部が変形したため引き抜
けない状態が続いている。
原子力機構は当日、専用器具を使って装置と原子炉容器
上ぶたの一部「スリーブ」(重さ3.6トン)ごと引き抜く
計画。引き抜き後順調に作業が進めば今秋にも復旧し、
今年度中に40%出力試験を行う考え。関係者によると、
週明けにじゃばら式の専用器具を設置。23日午前9時ご
ろには、本体引き抜き作業に着手する。全体の作業終了
は深夜になるという。当日は経済産業省原子力安全・保
安院が立ち入り検査を行う。
【エピソード】
さっと目を通しただけだが「軽水炉より制御が難しい」
「各国が撤退する中なぜ日本だけ強引に推進するのか」
「なぜ、累積2兆円の開発費+年間維持費200億円なの
に事業仕分け対象にならないのか」「これほど大規模な
実証炉が必要なのか」という疑問にまともに答えていな
いように思える。
そもそも、それでも実験を続けたいならミニマム設計で
行うべきだ。くれぐれも誤解のないようにいっておくが、
安全スケールはマックス設計でと言う条件がつく。
個人史的な反原発運動が30年経過した現在、なにがこれ
ほどまで、とち狂わせたのか暫く考えたいと思う。
※その意味では中国、ロシア、インド、ブラジル、いわ
ゆる原発BRICsの建設は世界の脅威になることを注
視する必要がある。
【脚注及びリンク】
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(1)「日本原子力研究開発機構」
(2)「日本の原子力発電所」
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