作成日:2020.04.23|更新日:
【地域循環共生圏概論Ⅹ】
⬕ 環境経営のためのビル・オフィス脱炭素化ソリューション
環境負荷ゼロをめざす! 『Road to Zero』への挑戦
ソニーは、CDPの気候変動に関する調査において、最高評価
である『Aリスト』企業に、国内で初めて、5年連続で選定
された。同社では2050年までに自社の事業活動および製品の
ライフサイクルを通した〈環境負荷ゼロ〉を目指し、長期視
点での取り組みを継続している。今回は、世界トップクラス
のグローバル企業が進める環境経営を事例研究する…。(出
典:環境ビジネス、2020年春季号)
5年連続 ”Aリスト”企業に
“あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であって初
めて企業活動が成り立づという考えのもと、ソニーでは1990
年代初頭から環境活動方針と行動計画を掲げ、活動してきた。
2010年4月には、自らの事業活動および製品のライフサイク
ルを通して、2050年に環境負荷をゼロにすることを目指す環
境計画『Road toZero(ロード・トゥ・ゼロ)』を策定。目標達
成に向け、5年ごとに設定している環境中期目標では、〈気
候変動〉〈資源〉〈化学物質〉〈生物多様性〉の4つの重要
な視点に対し、商品のライフサイクルのステージごとに具体
的な目標を定めている。現在は2016年度から2020年度までの
環境中期目標『Green Management(グリーンマネジメント)20
20』を掲げ、活動を推進。 2018年度の主な実績としては、“
製品1台あたりの年間消費電力量約51%削減(目標値:平均
30%削減[2013年度比])"、“再生可能エネルギーの活用によ
る二酸化炭素削減貢献量約23.8万トン(2016~2018年度累計
/目標値:2020年度までの累計で削減貢献量約30万トン)"、“
事業所の温室効果ガス排出量を総量で約14%削減(目標値:約
5%削減[2015年度比〕)"、“製品物流の二酸化炭素排出量約
52%削減(目標値:10%削減[2013年度比〕)"などがあげられる。
☈こうした活動が評価され、CDPの気候変動に間する調査
においては、製品の省電力化や温室効果ガス排出削減活動、
再生可能エネルギーの導入などで、特に優れた活動を行って
いる企業として、最高評価である『Aリスト』企業に5年連
続で選定されている。ソニーの環境グルースゼネラルマネジ
ヤーの鶴田健志氏は、近年、環境を意識する投資家が増えて
おり、そうした投資家との、これまでにないエングージメン
トやコミュニケーションの機会が増えてきていると話す。
☈ソニーでは2年前から、投資家向けのESG説明会を開催。
ソニーのESGに対する取り組みを説明するとともに対話を
深める取り組みも行っている。また、ソニーは2019年5月に、
金融安定理事会(FSB)により設置された『気候関連財務情報
開示タスクフォース(TCFD)』が公表した最終報告書(
TCFD提言)への賛同を表明。気候変動関連情報の開示を
拡充していく方針だ。TCFD提言への賛同を表明している
のは、日本ではソニーを含む98機関、世界では680機関(2019
年5月22日時点)となっている。
再エネ市場を割り出す
ソニーでは、2020年度までの環境中期目標『Green Management
2020』のなかで、“再生可能エネルギーの活用により、2020
年度までに累計で二酸化炭素削減貢献量30万トン"という目標
を掲げている。 2018年には、活動を加速させるため、100
%再生可能エネルギー利用を目指す国際イニシアチブ『RE
100』に加盟。2040年までに自社の事業活動で使用する電力
を100%再生可能エネルギーにすることを目指している。
☈日本においては、2018年度、グリーン電力証書17,444MWh
を利用(約8,998トンの温室効果ガス削減に相当)。再生可能
エネルギー由来のクレジットも活用し、計約4万5,065トン分
のC02に相当する再生可能エネルギーを導入。さらに2017
年度より水力発電由来の電力を直接購入する契約を東京電カ
エナジーパートナーと締結し、約1,193トン分の二酸化炭素
相当する再生可能エネルギーを導入している。☈グリーンエ
ネルギー証書システムは2001年にソニーと電力会社が共同開
発したシステムだ。日本各地の発電所の電気や熱などの再生
可能エネルギー環境価値を証書化し、グリーン電力証書、グ
リーン熱証書として取引することで、遠く離れた場所でも再
生可能エネルギーを使用したとみなされる。ソニーとしては、
昔から使用するエネルギーを環境価値のあるエネルギーに変
えたいという想いがあった。直接再生可能エネルギーを購入
できない場合もあるので、電力会社と共同で、2001年にグリ
ーンエネルギー証書システムを構築した。ソニーが導入する
ことはもちろんですが、こうしたシステムによって再生可能
エネルギーの市場を創っていくことが重要だと考えている。
☈半導体の製造・開発拠点であるソニーセミコンダクタマニ
ュファクチュアリンス熊本テクノロジーセンター(熊本テック
)では、国内のソニーグループで最大級となる発電能力1,065
kWの太陽光発電設備を建設、2019年から稼働させている。イメ
ージセンサーの技術が好調で、半導体の製造はかなり増えて
いる。半導体の製造には多くのエネルギーが必要で、省エネ
設備導入に加え、再エネも導入しています。イメージセンサ
ーで利益を上げながら、環境面でのリスクも抑えていく。増
産はするが、結果として二酸化炭素排出量は増やさないとい
う姿勢でグループ全体として進めている。そうした姿勢がC
DPでも評価されているし、将来的なエネルギーコストを考
えれば、再エネを導入することで、しっかりと抑えていくこと
も重要である。
全体の約7%を再エネで賄う。
再生可能エネルギーにおける新たな取り組みとしては、メガ
ワット級の太陽光発電設備を活用した自己託送エネルギーサ
ービスヘの取り組みがある。ソニー・ミュージックソリュー
ションズの製品倉庫であるJARED大井川センタ(静岡県
焼津市)の建屋屋上に約1.7MWの太陽光発電設備を設置し、
発生した電力のうち、大井川センターでの消費量を上回る余
剰電力を電力会社の送配電ネットワークを介し、同社の製造
工場である静岡プロダクションセンターヘ供給(自己託送)し、
ソニーグループとして発電した全ての電力を自家消費すると
いう独自の挑戦で、再生可能エネルギーの活用では日本初と
なる。一方、グローバルにおける活動においては欧州で、
2002年度から再生可能エネルギーの導入を開始。 2008年度
以降、全電力使用量の100%再生可能エネルギー化を実現し
ている。英国ペンコイドに拠点を置くソニーUKテクノロジ
ーセンタ(UKテック)は、100%再生可能エネルギー化を
実現している欧州拠点のひとつ。UKテックでは2018年度、
社屋に設置した897枚の太陽光発電パネルにより、約219MWh
の電力を賄い、残りは再生可能エネルギー証書を利用した。
☈米国では2008年から4つの事業所で、再生可能エネルギー
証書の契約を行い、さまざまなグルイプ)企業でグリーン電
力導入の推進を行っている。また、パンアジアでは、ソニー・
テクノロジー・タイランドチョンブリエ場で、工場の屋上に
大量の太陽光パネルを設置、2019年より稼働させている。こ
れらの活動により、2018年度の再生可能エネルギー活用によ
る二酸化炭素排出削減貢献量は8.4万トンとなり、ソニーが
全世界で使用している電力のうち、約7%を再生可能エネル
ギーによる電力で賄っている。
バリューチェーン全体での環境負荷低減
ソニーでは、製品のライフサイクル全体を通しての環境負荷
低減を目指している。温室効果ガスについては、近年の気候
変動問題の深刻化に伴って、企業に対しバリューチェーン全
体における排出量を把握・管理することが求められている。
ソニーでは、主要な部品サプライヤー及び製造委託先での温
室効果ガス排出量を把握するとともに、バリューチェーン全
体における温室効果ガス排出量を概算している(GHGプロ
トコルくスコープ3基準〉。
✔トリニトロン、ウォークマンの成功体験とその反動にもか
かわらず、ソニーの企業体質を知るものとしてその ”スマ
ート"さにはいつも感心しています。
【エピソード】
『十王村の水保存会』の会員になりました。
十王の水は犬上川の伏流水で、江戸時代から五個荘の清水ケ
鼻の水、醒井の水と共に湖東三名水の一つ母乳の出が悪かっ
た母親が十王の水を飲んだところ、母乳が出るようになった
という言い伝えから、一角の中央には母乳の地蔵を祀った六
角形の地蔵堂がある。1985年に名水百選に選定されている88
年(昭和63年)ごろからの周囲の大規模工事などで枯渇、地
元住民らが「十王村の水保存会」を設立し、地下約70㍍から
ポンプで引き上げる方法で復活。市も電源装置を設置するな
どの支援をしてきたが、今年で32年となる。この西今地区は
江戸時代、小泉、野瀬、宇尾、戸賀、平田、竹ケ鼻と共に犬
上郡内の村だったが、明治22年(1889)に7村が合併し福満
(ふくみつ)村となる。
📌 地元などでは十王村の水として知られているが、市史編
さん室は「十王村という村は存在しておらず、元々あった十
王尊(みこと)という名か、江戸期の書物「淡海録」に記載
の十王村から、昭和の戦後に変更されたのでは」とし、彦根
市史では「十王の水」としている。☈1998年(平成10年)、
岡本酒造本家ではから名水のPRの一環で仕込み水としての
利用を始めた。衛生面の問題から2004年(平成16年)以降は
中断していたが、一昨年末に保存会からの依頼で再び活用す
ることにし、昨年12月に3回に分けて計約1800㍑を取水し(
写真は保存会提供)、酒作りに入っている。今月末に試飲さ
れ、翌月上旬に商品化されている(名水百選・十王の水使用
の酒・福満、岡村本家が販売へ、滋賀彦根新聞 、2013.1.24)。
☈このことから今回、9年ぶりに復活する酒の商品名は「福
満」と名付けられる。一升瓶1500本分が岡村本家や彦根市内
の酒販店で販売される。すっきりとした飲み易さが特徴。保
存会メンバーで酒造りの発起人の内片祥三さん(当時71)は、
お酒が復活することで、地域の皆さんに十王村の水について
関心をもっていただければと話していた。
📌 2013年6月10日、十王村の水の横に、魚忠(大橋伸吏社
長)が新築し7日にオープンした日本料理店「水幸亭」の側面(約
20㍍)に、龍神を描いた「十王村龍門之図」(水墨画家の濱中応
彦作)が完成しているが絵は、ふすま2枚分×6枚(高さ約
1・9㍍・横約18㍍)。魚忠にコイのモニュメントがあり、
水幸亭の隣りにある十王地蔵尊の祭神が龍であるため、コイ
の子どもが昇天し、神の使いの白龍に変身して、金色の玉を
つかんで地に舞い降りるという過程を描く濱中さんは水幸亭
の新築に合わせて、東近江市内のアトリエに通いながら約3
カ月かけて創作。側面はガラス張りで、夜間はライトアップ
されている。
✔ やっと加入するわけで、他に2、3、バタタバタ加入し
たが取り敢えず、一年ということで様子をみることに。以上
ご報告まで。
この特集つづく
【脚注及びリンク】
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- 選挙ドットコム滋賀県土木防災情報システム東近江
市版SIB事業滋賀県東近江市のコミュニティビジ
ネス 若者支援事業への「社会的投資」募集開始!関
西SDGsプラットフォーム,2019.07.05 - シャープ凋落への岐路は、あの戦略転換だった、日
経BizGate、2016.06.08 - 一期一会の「いちご」いちご笠岡岩野池ECO発電所
- いちごECOエナジー株式会社「負の遺産」から愛され
る発電所へ環境ビジネス 2020年冬季号 - 『ESG地域金融』で 地域を元気にする環境ビジネス
- 日本人を直撃する「人口急減」する未来、東洋経済、
2019.10.27 - 滋賀県に根づく『三方よし』の経営を実現, 環境ビ
ジネス,2020年冬季号 - 2070年平均気温が4℃上昇した世界 ごくとうごくら
く 2019.12.09 - 「よくもそんなことを」グレタ・トゥンベリ
- 気候変動が生む、新たな「アパルトヘイト」,GNV
2019.12.15 - ほぼ日刊イトイ新聞 - 親鸞、2007.10.12
- 滋賀県出身人物物一覧 Wikipedia
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