地域循環共生圏概論Ⅸ

2020年04月21日 | 湖と城郭都市


作成日:2020.04.21|更新日:2020.04.23
【地域循環共生圏概論Ⅸ】


「安心の移動空間」新型コロナ対策も
フジテック(本社・彦根市宮田町)は、手をかざすだけで操
作できるタッチレスやかご内の混雑具合がわかる機能などを
搭載したエレベーターを開発。エレベーターが新型コロナウ
イルスの集団感染の原因にもなっているため、同社では「快
適で安全な移動空間を提供できる」としている。同社製のエ
レベーター「エクシオール」のフルモデルチェンジ製品。エ
レベーター専用のクーラー、定格速度分速120㍍、8・4
㌅大型液晶モニターをはじめ、機能や性能、デザインを充実
させた。4月1日発売。主な機能のうち、タッチレスは赤外
線ビーム式のセンサーを搭載した操作盤に、利用者が手をか
ざすだけで呼び登録と行き先登録ができ、従来のようにボタ
ンを触る必要がないため、衛生的でスピーディーに操作でき
る。一般的な場所のほか、食品工場や病院、研究機関などに
最適。混雑度表示は、各階の乗り場でかご内に何人ほど乗車
しているかが5段階表示で把握できる機能。「利用者が多く、
密集しているから見送ろう」「降りてくる人たちに備えて、
ドアの脇に立とう」などの判断が事前にできる。(滋賀彦根
新聞 2020.40)。


もっとも、このAI時代にあっては、例えば、乗降客がスマ
ートウオッチと連動(共通設計の1つの構成ツールであり、
空調システム、センサとアルゴリズムと送達電磁波との組合
わせで多様な選択肢が想定される)させれば、完全非接触型
移動空間ができる。

ZEBのメリットってなに



攻める環境経営
「湖国のグリーン・ビル&オフィス」

環境経営が叫ばれる中、ビル・オフィス内でも低炭素活動を
行う取り組みが進んでいる。昨年のG20以降、脱プラを進
める企業も増えており関心が非常に高まっている。本編では、
ビル・オフィスでできる低炭素ソリューションに注目し、こ
の城郭田園都市圏のビル・オフィスの「グリーン・ビルディ
ング事業」を取り上げる。

環境経営と低炭素ソリューション
2015年12月に採択されたパリ協定以降、日常生活をはじめ、
ビジネスにおいても“環境"を意識せざるを得ない状況にあ
る。特にビジネスおいて潮目が変わったといわれているのが、
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が  ESG投資に力を
入れるようになった。約159兆2159億円(2018年度末時点)の
資産を持つ世界最大規模の機関投資家が ESG投資に舵を切っ
たことで、企業も ESG強く意識した経営に取り組むようにな
ったと言われる。特に GPIFなどの機関投資家は長期的・安定
的に運用し、年金制度を維持していかなくてはならない使命
を担っており、 ESGに力を入れるような経営基盤が盤石な企
業などに投資を行う強い傾向にある。

企業が ESGやSDGsに力を入れる2つのとして、①投資家への
アピール。ESGやSDGsに取り組んでいる企業の方が、取り組ん
でいない企業よりも投資家の評価が高くより多くの資金を集
めやすくなっている。②サプライチェーンをはじめとした取
引先へのアピール。近年GAFAやソニーなどのグローバル企業
は、環境経営を強く意識、RE100やTCFDどに積極的に参加。
そのため、サプライチェーンで関係のある取引先企業にも同
様な取り組みを求めることもあり、環境を意識した経営は大
手企業・中小企業の喫緊の取り組み課題となっている。(出
典:環境ビジネス、2020年春季号「環境経営のためのビル・
オフィス説炭素化ソリューション」)

ZEB化はESG投資を呼び込むきっかけ
ビルの低炭素化という意味では、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル
ディング)がある。ZEBとは、躯体、構造、設備機器などによ
り低炭素、省エネを追及し、太陽光発電などの創エネにより
エネルギー消費を正味ゼロにする建物のこと。オフィスビル
のZEBはESGへの配慮を実現し、ESGに貢献している企業に行う
『ESG投資』を呼び込むきっかけになっているが、一概にZEB
と言っても建物によって実現可能性は大きく異なる。たとえ
ば、新築と既存であれば、一から設計できる新築が圧倒的に
建てやすいが、既存ビルの断熱性能を高めにはると壁を壊し
施工し直す必要もあるため、費用も新築と同様かそれ以上か
かることもある。

また、高層ビルと低層ビルでは低層ビルの方が ZEB化しやす
い。理由は、低層ビルの方が面積が少ない分、
使用するエネ
ルギーも少なくて済み、太陽光発電でカバーすることができ
る。高層ビルとなると、使用するエネルギーは膨大で、ビル
の屋上に備え付けた太陽光だけではとても相殺することはで
きない。近年は業務部門から排出されるC02が大きな問題
になり、2030年のエネルギーミックスを達成には、ZEBは重要
で、ZEB Ready(ゼブレディ)、Nearly ZEB(ニアリーゼブ)、
ZEBとレベルによって分けられ、導入しやすく補助金も利用
することができる。ZEBプラス



健康・快適さがトレンド
最近では、建物の環境を表すZEBに従業員が健康的かつ快適
に働ける「働き方改革」の要素も加わるようになった。ZEBの
設計や運用を得意とするNTTファシリティーズは ZEBの環境
性能にプラスして働き方、BCP などの観点を考慮することも
必要だと考えている。同社では、ベースの空調は若干高い温
度を設定し、スマホなどを使ってパーソナルな部分に風を吹
かせるなどの技術を導入し、全体的に ZEBの環境性能は、

持しながら個人的な満足も実現するといったことを可能にし
ている。同様に ZEBの施工を行うダイダンでは、自社の支社
である「エネフィス四国」のZEB化 に成功。設計段階から消費
エネルギーを54%削減するとともに太陽光発電で47%のエネ
ルギーを剔出。トータル101%のエネルギー削減を実現し、完
全ZEBを達成。こちらもオフィス内に緑や自然を取り込むバ
イオフィリックデザインを取り入れて屋内外を緑化し野菜を
育てるなど、社員の心の健康にも配慮。一方、労働環境の充
実は人材雇用の面についても効果を発揮する。一般社団法人
グリーンビルディングジャパンの平松氏は、「今、世界中の
企業が優秀な人材獲得競争にさらされている。日本でも働き
方改革が始まっていますが、特にミレニアル世代、Z世代と
言われる若い人達は、環境負荷や社会課題に敏感。そうした
企業姿勢を体現し、かつ自然に近く居心地の良いオフィスを
どう設計するかが、今後優秀な人材を集める上でも重要とな
っていくだろう。



オフィスデザインでワーカーの働き方を変える
その意味で究極ともいえるのが、イトーキの新本社オフィス「
ITOKI TOKYOXORK」。オフィスのデザインも手掛けるイトーキ
が提案する新しいオフィスのカタチ。名前の語源はWORKの頭
文字の「W」をアルファベットで次の「X」 にすることで、次世
代のオフィスを表現。このオフィスのワークフォーマットと
なる考え方が 「ActivityBasedWorking(ABW)」だ。これはオラ
ンダの「VELDHOEN+COMPANY (ヴェルデホーエン社)」が開発し
た、高い自己裁量によりワーカー自らが、働き方を自律的に
デザインできるよう具体的かつ体系的に行動を変えていく総
合的なワ-クスタイル戦略。二人で作業するスペースや集中
して仕事をしたい時に利用するスペース、知識共有をする場
所など細かく分かれ、ワーカーが自由に選んで仕事する
.ま
た、Well-being の概念に基づく空間品質基準「WELLBuilding
Standard(tm)(WELL認証)」を導入しており、快適・健康的に仕
事や作業ができることを中心にデザインされている。特にこ
のWELL認証はオフィス内で販売される飲料に含まれる砂糖の
使用量にも制限があり、このオフィスで働くことで働き手の
健康への意識が高くなっているという。今後、テレワークや
リモートワークが主流になった時、ビル・オフィスはどうあ
るべきか、当たり前にビル・オフィスに通勤しない時代のオ
フィスでの働き方は?今回の取材を通して、ビル・オフィスに
ついて環境や低炭素に配慮することは当たり前で、その先の
快適性や働きやすさも考える時代になった。




企業や地域の価値を高めるグリーンビルディングの重要性
世界の共通言語「グリーンビル認証」
サステイナブルな都市・建築環境や健康に良いワークプレイ
スに注目が集まるなか、LEED認証やXVELL認証取得への動
きが世界で起こっている。これらの認証を取得する必要性、
メリットとは… (日本におけるLEED認証の普及、啓蒙を
進めてきたグリーンビルディングジャパン (GBJ)の平松宏城
氏)。

世界的に加速するサステナブル思考
一般社団法人グリーンビルディングジャパン(GBJ)は、日本に
おけるサステナブルなグリーンビルディングの推進を目指し、
2013年に設立された。日本にグローバル基準のグリーンビル
ディングの取り組みを根付かせることを目的に世界標準の環
境評価ツールのひとつであるLEEDの普及・啓蒙活動を、LEED
の運営母体であるUSGBCと連携して行ってきたという。
共同代表の平松宏城氏が、持続可能なランドスケープを作る
NPOで活動していた時に米国でLEEDを知ったのが GBJ
発足のきっかけ。
持続可能な建物やコミュニティ、街を作る
指針となる指標があると知り、いずれ、建物や公共感じた。
そうした指標があることで、サステナブルな建物や街が増え
るなら、ニーズは高まるだろうと考える。


📌 LEED標準とは緑地建築の国際基準システムであり、第三
者に提供される建築物として認知され、検証されながら、効
率改善、排水効率、CO2 排出削減、生活環境の改善、管理能
力の向上に関する基準に準拠して設計する。



日本には昔から高い技術と価値観に基づいた独自の環境建築
が存在する。LEEDを足がかりにし、そうした素晴らしい技術
や人材をグローバルなマーケットヘ紹介する。サステナブル
な環境づくりに取り組むことに対し、正当な対価が支払われ
る社会を作っていくことが、GBJ設立の動機となる。リーマン
ショック後、ヨーロッパ発の持続可能な不動産投資のスタイ
ルGRESBがプレゼンスを高めてきた。投資と建築、不動産の世
界が近づいて、
その時の指標として広義のグリーンビル認証
が使われるようになった。さらに2015年のSDGs、パリ協定の
発足で、不動産・インフラ投資におけるESGの概念が、世
界的に加速している。

GBJの活動は、LEEDの普及に加え、人の健康とウェルビーイン
グの観点から空間を評価するWELL、ランドスケープの環境性
能を評価するSITES、運用中の建物のエネルギーや水使用など
の環境性能を評価するArc、ESGに配慮した不動産投資手法の
成績評価ツールとなる GRESBなど、サステナブルな社会に関
わるグローバル基準全般へと範囲を広げている。
いま、世界中が優秀な人材獲得競争にさらされている
。日本
でも働き方改革が始まっているが、特にミレニアル世代、Z
世代といわれる若い人たちは、環境負荷や社会課題に敏感で
ある。そうした企業姿勢を体現し、かつ自然に近く居心地の
良いオフィスをどうデザインしていくかが、今後、優秀な人材
を集める上でも重要となっていくだろう)。

建物の環境性能が企業価値に直結
LEEDは最高クラスのビルト・エンバイロメント(建築や都
市の環境)を作るための戦略やそれらをどう実現させるかを
評価するグリーンビルディングの認証プログラム。「もともと
は建物の環境評価の指標として始まり、新築から既存まで世
界ひとつの基準で評価しようというのが、LEEDの目指したと
ころ。
LEEDには、建物の環境性能をエネルギー、水、空気、廃棄物、
立地など9つの評価カテゴリーがある。コストや資源の削減
を進めながら、人々の健康に良い影響を与える空間設計に配
慮し、再生可能なクリーンエネルギーを促進している建築物
が高ランクの認証獲得の対象となる。認証システムの種類は
5つあり、取得には、必須条件を満たした上で選択項目のポ
イントを選んで取得。取得したポイントによって、標準、シ
ルバー、ゴールド、プラチナと4段階で認証のレベルが決ま
る。
既存の建物に関しては、実績数値をデータで人力するだけで、
世界中の同種の物件と比較してスコア化される『Arc』とい
うシステムができたおかげで認証へのハードルが一気に下が
り、ここ2年ほど、世界中で認証獲得への動きが活発化して
いる。LEEDと同じ観点で健康にフォーカスしたものがWELL認
証で、LEEDと同じ指標で評価できる項目もあり、同時に両方
取り組めば、一度に両方の要件を充足するクロスウォークが
認められる評価項目もある。LEEDとWELLの両方を取りたいと
いう企業も、国内外とも徐々に増えている。でのLEED認証も
出てきている。2015年11月に東京都世田谷区で『二子玉川ラ
イズ』が『LEED ND(まちづくり部門)』で本認証では世界初
のゴールド認証を取得。 2016年11月、柏市で『柏の葉スマー
トシティ』が『LEED ND』計画認証で最高ランクのプラチナ
認証を取得した後も、町田市で南町GAFAに代表されるテ
クノロジ一系企業や外資系金融は新築を建てる時もオフィス
を選ぶ時も環境性能やウェルビーイングの視点を重視する。
金融系でもテクノロジー系でもオフィスを選ぶ時にLEED や
WELLを条件にする外資系企業は多い。どんな建物、どんなオ
フィスを選ぶかが、企業価値に直結する時代となっている。

建物からコミュニティや自治体まで
近年では、コミュニティや都市レベル田グランベリーパーク
港区でHARUMIFLAG(ともにゴールド)が続いている。
最も新しいところでは、2020年1
月21日に北海道札幌市が、
日本の都市としては初めて『LEED for Cities』で最高ランク
のプラチナ認証を取得。「Amazonの第2本社の建設が決まった
米国バージニア州アーリントンはLEED for Communitiesの認
証を取っている。誘致には238の自治体が手をあげたが、決勝
に残った20の都市の6割はLEEDのCityや Communitiesで
自治体のサステナビリティに関する現状評価や目標設定を示
していた。
建物の環境性能からはじまったLEEDだが、現在はコミュニテ
ィや自治体の評価にまで広がっている。評価対象は、単にエネ
ルギー、C02といった話から、格差の是正、社会的公正が
担保されているかにまで及んでいます。Amazonの第2本社の
時も、“社員が住みやすい街"であるかどうか、QOLの高さ
が大きなポイントだった
。今後は、SDGsの目指す真に持続可能
な社会、本質に切り込んでいく部分に、LEEDが使われていく時
代になっていくと件の平松氏が話す。
                     この項つづく
【エピソード】


dNHK「滋賀のニュース」4月21日20:36
21日、新たに20代から70代の男女4人が新型コロナウ
イルスに感染していることを確認したことを公表。これで、
感染者は76人になった。新たに感染した県民はいずれも大
津に住む、70代の女性、20代の看護師の男性、さらに、
彦根市在住の50代会社員の男性よ高島市在住の70代のパ
ート従業員の男性のあわせて4人。このうち高島市の70代
男性は重症、ほかの3人は軽症。また、この4人の感染経路
は不明である。
📌 怖いですね。不要不休の外出を避け、お家で安静でいま
しょう!

【脚注及びリンク】
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  1. 選挙ドットコム滋賀県土木防災情報システム東近江
    市版SIB事業滋賀県東近江市のコミュニティビジ
    ネス 若者支援事業への「社会的投資」募集開始!
    関西SDGsプラットフォーム,2019.07.05
  2. シャープ凋落への岐路は、あの戦略転換だった、日
    経BizGate、2016.06.08
  3. 一期一会の「いちご」いちご笠岡岩野池ECO発電所
  4. いちごECOエナジー株式会社「負の遺産」から愛さ
    る発電所へ環境ビジネス 2020年冬季号
  5. 『ESG地域金融』で 地域を元気にする環境ビジネス
    日本人を直撃する「人口急減」する未来、東洋経済、
    2019.10.27
  6. 滋賀県に根づく『三方よし』の経営を実現, 環境ビ
    ネス,2020年冬季号
  7. 2070年平均気温が4℃上昇した世界 ごくとうごくら
    く  2019.12.09
  8. 「よくもそんなことを」グレタ・トゥンベリ
  9. 気候変動が生む、新たな「アパルトヘイト」,GNV
    2019.12.15
  10. ほぼ日刊イトイ新聞 - 親鸞、2007.10.12
  11. 滋賀県出身人物物一覧 Wikipedia

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