
1.プロローグ
2.バイオマス発電ビジネスの期待と現実
2-1 難しい間伐材の入手
2-2 間伐に補助金:神奈川県の事例
2-3 増えすぎる森林
戦後に日本中で一斉に植林が行われるが、そのとき1ヘ
クタール当たり4000本程度植えられる。本来であれ
ば間伐して600本/ヘクタールくらいまで減らさなけ
ればならないが、木を伐ってもお金にならならないので、
4000本/ヘクタールのまま放置されている。日本の
人工林は、1966年に5.6億立方メートル、2012
年には30.4億にもなり、目を疑うようなスピードで蓄
積され続けている。前出の神奈川県の森林資源だけをみ
ても、1965年に300万立方メートルだったのが、
2012年には1,177万立方メートルと4倍近くまで
蓄積されている。神奈川県内で、年間で伐られる量は、
26,000立方メートル程度であるが、11,778,0
00÷26,000=453年となる。通常は植えた木が
育つのに60年かかるとされ、オーストラリアでは、こ
の60年という成長サイクルで回るように、木が伐られ、
453年になると、どれもこれもが巨木状態。巨木にな
ると、建築材としては使えない。浮世絵などをみれば分
かるが、江戸時代は、禿げ山だらけ、これをみても日本
の木は、伐っていく必要があるとされる。
今の日本は木が増えすぎていることをを踏まえ、バイオ
マス発電により、日本の林業の再生は可能だと考えてい
る。
2-4 間伐だけでなく皆伐も必要
このように日本の森林は、もっと木を伐っていく必要に
迫られているが、補助金だのみにより間伐だけが進むと、
20年後には巨木林や針広混交林など、収穫を目的とし
ない山が増えてしまい日本の林業が完全に衰退してしま
うことになり、さらにバイオマス発電の燃料も、どこに
もなくなると危惧されているが、皆伐をすると、その後
に植林をしなければならず、木を植えてもお金にならな
いため、どこの山主もやりたがらない現実がある。
したがって、20年後のことを考えるのであれば、間伐
ばかりでなく、皆伐を促す政策や補助金も必要とされる
根拠になる。皆伐で山主にお金が戻るようにして、再造
林期間のコストをまかなえるようにしていかないと20
年後には、全量買取制度の終焉とともに日本の林業は再
び衰退すると考えられている。
このように、これまでのバイオマス発電へのチャレンジ
を通じて、バイオマスのFITの固定価格32円は、再エネ
政策というより、日本の森林/林業を再生するためにあ
るものでもある。未利用木材に32円という高めの金額が
設定されているのは、そのお金をできる限り多く林業に戻
していくということが、想定されているのだろう。バイ
オマスで儲けたい、稼ぎたいだけでは、うまく行かない
であろう。
この項了
● 女性でも木材収穫できる環境づくり
急傾斜面の不整地が多い日本では、ハーベスタなどの重
機投入は難しいと考えられていることこそ「商機」なの
だと考える。狭いく危険な空間で動作させるための知恵
と技術の結集成果は、必ず世界一の森林収穫システムを
実現すると考える。そこでの鍵語は「労働の質」である。
モノ情報システム、ロボット技術などの日本の特技を結
集することは、作業道整備→皆伐→植林→間伐→搬出→
製材/バイオマス燃料化/伐採→枝木・廃材回収→搬出
の生産性向上と森林保護/水源地保護を同時実現するこ
とを意味し、それはまた、女性でも木材収穫できる時代
であることを意味する。
※ 特開2009-213401 不整地用走行車両 ヤンマー株式会社
※ US8127611B2 Timber harvesting apparatus
※ 特開2011-010603 木材収穫管理システム ヤンマー株式
会社
【脚注及びリンク】
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県2017.02.23 閲覧 - 2017年度のFIT買取価格、例年通り委員会案で決定
2019年度まで発表 環境ビジネス 2017.03.15 - 再エネ事業を地域主導型から 地域貢献型へ PHP総研
2014.03.05 - 木質バイオマスエネルギー利用事例集 - 林野庁 2013.
04.23 - 木質バイオマスの熱利用 - 林野庁 2015.06.25
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版〕 2013.05.07 - 地方自治体の地域エネルギー政策推進に向けた取組
状況 環境省 2015.03.30 - 更なる再生可能エネルギーの導入拡大に向けた 政策
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庁 2015.09.10 - 滋賀県のバイオマスタウン 近畿農政局 2017.03.23
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の貢献にも期待 産経WEST 2015.02.12 - バイオマス発電ビジネスのリアル 環境ビジネス2017.sp
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