カラチャイ湖と放射能汚染

2011年04月06日 | 防災と琵琶湖





【隠されたウラルの核惨事】

1957年のマヤーク核施設で起きたタンク爆発事故
は、86年のチェルノブイリ原発事故が発生するま
で、旧ソ連で最大の放射能汚染事故だったがソ連
ではすべてが秘密にされた。

ファイル:Satellite image map of Mayak.jpg

核開発でソ連をリードする米国の中央情報局(CI
A)は、59年にこの事故を知った。しかし、57年
に英国ウィンズケール(現セラフィールド)で起
きた軍事用原子炉の大事故や米国内の核工場での
事故などもあり「自国の核開発の足かせになって
は」と米政府も秘密を保った。

「ウラルの核惨事」「キシュティムの事故」とし
て世界に知られるようになったのは76年。英国に
亡命したソ連の生物学者ジョレス・メドベージェ
フ博士が、科学雑誌に暴露したのがきっかけであ
る。ソ連政府は89年、ペレストロイカが進む中で、
ようやく正式に事故を認めた。

事故では従業員や住民被害のほかに、マヤーク敷
地内の除染作業などに従事した、全国各地から招
集の兵士2万人以上も被曝した。

マヤーク核施設は67年にも、約22テラベクレル相
当の放射性物質を大気中に放出する事故を起こし
た。この事故で千八百平方㌔㍍以上の農地などを
汚染。63の町や村の約41,000に影響を与えた。
「世界最悪の放射能汚染湖」とされる敷地内のカ
ラチャイ湖が乾燥し、四~五月の強い風にあおら
れて、表面の汚泥が飛び散ったためだ。広さ0.51
km2、深さ数㍍。その小さな湖に 51年から放射性
廃液を投棄。放射能量は、半減期30年のセシウム
137などを中心に四百五十万テラベクレル以上。
チェルノブイリ原発事故時の 2.4倍に当たる。

カラチャイ湖は、67年の事故を契機に表面を石や
土などで埋め、今では表面積はわずか0.15㎞2 が、
今も放射性廃液の投棄が続くが、地下水の汚がす
でにマヤークの敷地外に広がっているとも言われ
ているが本当のところは分からない。








【エピソード】


【脚注及びリンク】

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(1)「
日本原子力研究開発機構
(2)「
日本の原子力発電所
(3)「放射性物質による環境汚染予防に向けて
(4)「
地域防災計画データベース:消防庁防災課
(5)「放射性廃棄物重要基礎技術研究調査
(6)「ウラル核惨事
(7)「ロシア連邦の再処理施設
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チャガン湖と放射能汚染

2011年04月05日 | 防災と琵琶湖

【事実は小説より奇なり】





表 歴代エネルギー庁長官と総理大臣

在任期間 長官 前歴 退任役職 総理大臣
1973.07.25 山形栄治 通産省 九州石油会長 田中角栄
1974.06.18 増田実 通産省 ジェトロ理事長 三木武夫
1976.07.27 橋本利一 通産省 通商審議官 福田赳夫
1978.06.20 天谷直弘 通産省 電通総研初代社長 大平正芳
1978.08.29 森山信吾 通産省 第二電電社長 大平正芳
1981.06.26 小松国男 通産省 通商審議官 鈴木善幸
1982.10.15 豊島格 通産省 世界貿易センタ会長 中曽根康弘
1984.06.19 柴田益男 通産省 関電副社長 中曽根康弘
1985.06.18 野々内隆 通産省 ジャパン石油開発社長 中曽根康弘
1987.06.23 濱岡平一 通産省 日産自動車副社長 竹下登
1988.06.14 鎌田吉郎 通産省 石油公団総裁 竹下登
1989.06.27 山本雅司 防衛庁 半導体エネ研会長 海部俊樹
1990.06.29 緒方謙二郎 科技原局 川崎重工業副社長 宮沢喜一
1991.06.14 山本貞一 科技原局 川崎製鉄副社長 宮沢喜一
1992.06.23 黒田直樹 資源エ庁 住友商事副社長 宮沢喜一
1993.06.25 堤富男 通産省 通商事務次官 細川護煕
1994.02.14 川田洋樹 通算省 発明協会理事長 細川護煕
1995.06.21 江崎格 通産省 商工中金理事長 村山富市
1997.06.21 稲川康弘 通産省 IHI常務 橋本龍太郎
1999.09.03 河野博文 通産省 JOGMEC理事長 小渕恵三
2002.07.30 岡本巌 経産省 国際協力銀行理事 森喜朗
2003.08.01 日下一正 経産省 内閣官房参与 小泉純一郎
2004.06.22 小平信因 内府政統 トヨタ自動車専務 小泉純一郎
2006.07.10 望月晴文 中小企庁 経産事務次官 小泉純一郎
2008.07.11 石田徹 経産省 東京電力顧問 福田康夫
2010.08.23 細野哲弘 特許庁   菅直人

チャガン湖

チャガン湖(またはバラパン湖)は1965年1月15日の
チャガン核実験で出来たカザフスタンの人工湖で
ある。チャガン湖の水量はおよそ10,000,000m³で、
いまだに放射能で汚染されているため、しばしば原
子の湖とも呼ばれている。

チャガン核実験は、ソビエトで行われた一連の核実
験のひとつである。本実験は1965年1月15日に行わ
れた地下核実験であり、爆発の核出力は140㌔㌧で
あった。実験は、1963年8月に調印されていた部分
的核実験禁止条約(PTBT)に違反するものと思われた
が、PTBTでは地下核実験については禁止条件に入っ
ていなかったため、実験後の米国からの非難も当時
のソビエトは無視した。(地下核実験を含めた核兵
器の爆発実験が全面禁止とされたのは、1996年9月
に採択された包括的核実験禁止条約(CTBT)からであ
る)本実験は、セミパラチンスク核実験場の外れに
あったチャガン川の干上がった川底で行われたが、
こ実験で出来るクレーターが川をせき止め、春の増
水でそこに湖が出来る事を期待してであった。実験
の結果として出来上がったクレーターは直径が408m、
深さが100mに達した。

核実験場であるセミパラチンスク核実験場では1949
年から40年間、大気中での111回の核実験を含む合
計456回の核実験が行われれた。この結果、実験場
を中心とする広範囲な放射能汚染により、100万人
以上の周辺住人が被曝した。




【エピソード】

ドイツ気象庁予測(シミュレーション)では福島原
発により4月6日には大気汚染が日本列島を覆うと
報じている。



【脚注及びリンク】

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(1)「
日本原子力研究開発機構
(2)「
日本の原子力発電所
(3)「放射性物質による環境汚染予防に向けて
(4)「
地域防災計画データベース:消防庁防災課
(5)「
Information notice by the Deutscher Wetterdienst (DWD)」
(6)The soviet uion's nuclear testing programme(CTBTO)
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琵琶湖と原発

2011年04月02日 | 防災と琵琶湖









【志賀原発のリスク概要】

志賀原子力発電所(は、石川県羽咋郡志賀町に
ある北陸電力の原子力発電所。



過去の主なトラブル

1989年11月9日
基礎工事で納入した鉄筋の中に、試験データが
捏造されたJIS規格違反のものがあったと北陸電
力が発表。

2004年6月10日
1号機 廃棄物処理建屋内における水漏れ

2005年4月1日
石川県羽咋市で高さ90メートルの北陸電力能登
幹線の鉄塔が、大規模な地滑りの影響を受け倒
壊し、送電できなくなったため1号機を午前4時
30分に手動停止。6月に運用開始予定であった能
越幹線の運用を早め、4月26日、運転再開。その
後、能登幹線は2006年6月に復旧したが、倒壊現
場を避けるためにルートが変更され鉄塔が二本
減らされた。

2006年1月26日
2号機 営業運転に向け試験中、原子炉隔離時冷
却系の蒸気供給隔離弁の試験をおこなったとこ
ろ、2つあるうちの1つが全閉できなかった。そ
の後、全閉することを確認したが、詳細に点検
するために原子炉を停止する。

2006年3月24日
耐震性の疑問に対し金沢地方裁判所より2号機
に対し運転差し止め命令が命じられる。北陸電
力側はただちに控訴、運転を止める予定はない
とのこと。しかし後に、タービン関連のトラブ
ルで停止している間に耐震強度を高めるための
工事を行う。

2006年7月18日
2号機のタービンにひびが入っている事が確認
される。6月15日にトラブルを起こした中部電
力の浜岡原子力発電所5号機とタービンが同型
であった為、7月5日以降、点検が行われていた。
応急処置として、問題箇所の羽根を整流板に付
け替えた上で2007年4月に運転を再開。羽根が
なくなった分だけ出力が落ちる為、新しいター
ビンに入れ替えるまでは120.6万kWで送電する
事となる。

2006年11月6日
1号機の発電機コレクタリング冷却ファンに記
録用紙が吸い込まれ、周囲の音や振動が変化し
た為に原子炉を停止する。1週間程で点検を終
える予定だったが、中性子計測器の接続ミスが
見つかったので運転再開が延期され、点検は22
日までかかった。このトラブルが原因で、点検
時に現場周辺へ記録用紙を持ち込む事が禁止さ
れる。

2007年3月25日
後述の臨界事故隠蔽による運転停止中、能登半
島地震により使用済み燃料貯蔵プール周辺に約
45リットル(放射能量約750万ベクレル)の放
射能を帯びた冷却水が飛散した。その内約8リッ
トル(放射能量130万ベクレル)が飛散したのは
養生シートの無い部分だった。

2009年4月13日
2号機の気体廃棄物処理系で通常の約3百倍の放
射性物質(キセノン133)が検出されたと発表。
同機の出力を約70万キロワットに落とし、放射
性物質の漏洩場所の特定作業を行う。外部への
放射能の影響はないとしている。


 
1999年の臨界事故とその隠蔽
1999年6月18日、本施設は定期検査中に制御棒1
本の緊急挿入試験を行なっていたが、操作手順
を誤った事から3本の制御棒が炉から引き抜かれ
た状態となり、炉は15分間臨界となった。しか
し北陸電力はこれを直ちに国に報告せず、検査
記録を改竄するなどして隠蔽を計り、
2007年3月15日になってこの事故の存在が明る
みに出た(経済産業省はこの事故を重大事故と
見て、事故の発覚時に北陸電力の社長であった
永原功を同日午後4時に呼び出し、志賀原発1号
機の運転停止を命令した。北陸電力は同日午後
6時から運転停止作業に入った)

2007年4月5日
原子力安全委員会の鈴木篤之委員長が中央制御
室や制御棒駆動機構などを視察し「抽象的な精
神論ばかりではなく、現場が仕事をし易くなる
ように」と注文を付けた。また鈴木委員長は記
者団に対し「運転員は色々な外圧に対して弱い
立場。現場の運転員にばかり負担がいくやり方
は防止策ではない」と指摘。「アラームが鳴れ
ば自動的に記録がコンピューターに取り込まれ
て鍵がか
かり、改ざんできないような仕組みが
必要でないか
」などと語ったという。






【エピソード】

 ※「隠された臨界事故~問われる原発の体質


【脚注及びリンク】

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(1)「
日本原子力研究開発機構
(2)「
日本の原子力発電所
(3)「放射性物質による環境汚染予防に向けて
(4)「
地域防災計画データベース:消防庁防災課
(5)「ストップ!プルサーマル・北陸ネットワーク

(6)「北陸電力 志賀原子力発電所の紹介

(7)「地
震大国に原発はごめんだ」
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琵琶湖と原発

2011年04月01日 | 防災と琵琶湖

 





【敦賀原発のリスク概要】


敦賀発電所は、福井県敦賀市明神町にある日本原子力
発電(原電)の原子力発電所。通称は「げんでん敦賀」。
1号機は日本最古の軽水炉として知られる(最古の商用
炉は東海発電所1号機)。

過去の主なトラブル

1981年4月
福井県の定期モニタリング調査で、海藻から異常に高
い放射能が検出された。調査の結果、敦賀発電所一号
機の一般排水溝から放射性物質が漏洩したことが分か
った。漏れた放射性物質はコバルト60であり、平常時
の約10倍の量が検出された。更に調査を進めたところ、
一般排水路の出口に積もった土砂からも高濃度のコバ
ルト60とマンガン54が検出された。しかし一般排水路
は放射能とは関係のない配水系統であり、ここからは
放射性物質が検出されるはずがない場所であった。結
局、放射性物質が検出された原因は、原子力安全委員
会の調査によると放射性廃棄物処理旧建屋の設計・施
工管理上の問題に、運転上のミスが重なったからとさ
れた


しかし、コバルト60とマンガン54が検出された原因は、
この漏出が判明する前月に大量の放射性廃液がタンク
からあふれるという事故が起きていたからであった

そして、敦賀発電所はその事実を隠蔽していたことも
同時に明らかとなった。つまりいわゆる「事故隠し」
が行われていたのであった。この「事故隠し」によっ
て、これ以降の日本での原子力発電に対する不信感が
大きく芽生えるきっかけになったと考えられている。

敦賀一号機で、再循環ポンプなどの溶接部分について
点検が一度も行われていなかったことが明らかになっ
たと発表した。その溶接部分は、冷却水を炉心に送り
込む原子炉再循環ポンプや原子炉圧力の排水用配管の
弁などである。第33回定期検査(2011年に実施する予
定)で再循環ポンプ系の配管を取り替える工事の準備
段階で判明。

2011年1月24日
経済産業省の原子力安全・保安院は、敦賀原発1号機
で複数ある緊急炉心冷却システムの1つが機能しない
状態で約1
ヶ月間運転していたとして、日本原子力発
電を厳重注意した

日本最古の商用炉となる1号機は、本来、2009年12月に
役割を終え廃炉になる予定であったが、3、4号機の設
置が遅れたことから運転期間の延長が模索されてきた。
日本原子力発電は、老朽化を踏まえた保守管理方針を
策定した上で、運転の継続を経済産業省原子力安全・
保安院に申請。2009年8月3日に申請が認められたこと
から、2016年までの延長運転に備えた準備が進められ
ている

2004年8月9日午後3時22分、
営業運転中の関電美浜原発3号機の2次系配管(直径
56センチ) の一部がいきなり幅最大57センチもめく
れる大きな破裂を起こした。破裂箇所はタービンを回
すのに使った2次冷却水を蒸気発生器に戻す復水管で、
付近の2次冷却水は約 140度、10気圧。破裂により高
温の蒸気と熱水が噴出し、5日後に迫った定期検査の
準備作業をしていた「関電興業」の下請け企業「木内
計測」の
業員11人が事故に巻き込まれ、5人が全身
やけどで死亡、6人が重傷を負った

 

2008年5月10日(中日新聞記事)
原発、立地見直しを活断層末端強い揺れの恐れ
断層
が国内の原子力発電所で初めて敷地内に見つか
った福井県敦賀市の日本原子力発電(原電)敦賀原発
について、名古屋大教授など専門家3人のグループは、
この活断層が阪神・淡路大震災でも大きな揺れを生ん
だ横ずれ型の末端部だと確認し「立地を見直すべきだ」
との研究成果をまとめた。うち2人は国への勧告権を
持つ原子力安全委員会の専門委員で、稼働する同原発
の立地自体の是非が問われる可能性も出てきた。

東洋大の渡辺満久教授と広島工業大の中田高教授、名
古屋大の鈴木康弘教授で、いずれも地形の起伏から活
断層を分析する変動地形学が専門。問題の活断層は敦
賀原発1、2号機の原子炉から約300㍍離れた敷地内を
通る「浦底断層」。渡辺教授らは、航空写真による地
形分析でこの活断層が地震で大きな揺れをもたらす末
端部だと確認した。

活断層の末端部では細かな活断層が枝分かれしている
ケースが多い。幹に当たる活断層のずれと連動し、そ
れぞれの活断層がずれて被害が大きくなる可能性が高
まる。阪神大震災では末端部で揺れが大きくなり、枝
分かれした活断層のずれも確認された。グループは同
原発の建設以前の航空写真を分析し、建物近くに活断
層とみられる地形的特徴が表れていた。地震時にこれ
らの分岐断層がずれて建物を破壊する恐れを指摘して
いる。


2008年6月10日
子力資料情報室第65回公開研究会

2010年7月21日

4月1日午前8時
菅直人首相は31日、東京電力福島第1原発事故を踏ま
え2030年までに原発を現状より14基以上増やすとした
政府のエネルギー基本計画を白紙にして見直す方針を
表明した。福島第1原発の1~6号機すべてについて
「廃炉にしないといけない」とも指摘。政府は原発に
代わるエネルギー源の確保と、地球温暖化対策推進の
両立という難題に取り組むが、難航は必至。エネルギ
ー基本計画が位置付ける14基以上の増設には、日本原
電敦賀原発3
、4号も含まれる。



【エピソード】

 


【脚注及びリンク】

-----------------------------------------
(1)「
日本原子力研究開発機構
(2)「
日本の原子力発電所
(3)「放射性物質による環境汚染予防に向けて
(4)「
地域防災計画データベース:消防庁防災課
(5)「
大飯発電所のトラブル情報
(6)「
国際原子力事象評価尺度(INES)」
(7)「地
震大国に原発はごめんだ」
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