11月4日の参院予算委会で又もや不毛な議論を民主党の水岡俊一議員が展開した。西川公也農水相が栃木県職員時代に収賄罪で逮捕された経歴があると報じた週刊文春のスクープがネタ元。議員センセイ国政調査活動費が支給されるがそれはそれ、使い道は別にあるし、ネタを探る智慧もないし方便もない。そこで手っ取り早く、報道された記事を拝借して、”我こそ正義の士だ、相手は悪漢だ”と、大仰に質問する。西川議員が栃木県庁職員で技師だった43年前の話しだ。千振ダム汚職事件、県から工期の遅れを指摘された建設業者の主任がコンクリート打ちの不備を見逃して貰った謝礼として西川に2万円、上司にゴルフセットを贈った。西川の前に主任と上司が贈収賄で逮捕された。それぞれ執行猶予付きの有罪判決を受けた。西川は下っ端で金額も少なかった為、起訴猶予処分となった。水岡「逮捕された事があるか」西川「収賄で逮捕された。出先機関にいた43年前、28歳の時2万円貰ったが、ケガをした見舞金だった」水岡「上川法相、不起訴処分と起訴猶予処分とどう違うか」上川「起訴便宜主義で犯人の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重及び情況・・・訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。不起訴は捜査の結果、犯罪の嫌疑・証拠が十分でないとき、事件が罪とならないとき、公訴提起要件を欠くとき不起訴処分とする」水岡「罪を認めたか。私はまだ解決していないと思う」西川「全く罪と認めていない。問題は解決している。十分終結している」水岡「あなたの名誉に関わることだから自分で宇都宮地検に出向いて確かめ委員会に報告するよう、委員長に求める」質問者の水岡議員は西川農水相には犯罪の嫌疑はあったが情状で不起訴処分になったと認めさせたい。どうせ序でだと、スカーフとウチワで法相の椅子を去った松島前法相に替わった上川法相の法知識のなさを炙りだしたい魂胆がありありだった。限られた予算委員会の貴重な時間を43年前で有罪にもなっていない事件を持ち出して質問する議員の程度の低さにはただ驚く。こんな体たらくで民主党の支持率が増えると思っているだろうか。予算委の筆頭理事にレンホウを当てる程の人材不足のようだ。現国会で上がった法案は数える程度のようだ。政府、与党の責任も重大だが野党もテレビ中継があるからと、取るに足らぬ枝葉末節、半世紀前の事件をホコリを払いながら持ち出しても、政府は何等痛痒を感じないし、見ている国民はまたかと呆れるだけだ。国会議員ならぬ”滑稽偽員”が相応しいようだ。写真はジョロウグモ(女郎蜘蛛)のメス、産卵前。下は大きいのがメス、オスは1/3程度だ。オスは交尾中にメスに食べられるのでメスが捕食中を狙うようだ。