殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

老後の計画

2009年08月26日 11時39分43秒 | みりこんぐらし
夫の叔父…正しくは義父の妹の配偶者が、今、病気で死にそうだ。

気さくな叔母とは仲良くしているが、この人とはあまり馴染みが無い。

なぜなら彼も叔母もちゃんと仕事をし、子供たちも立派に育ったので

小商いをする兄弟に依存する必要がなかったからである。


「もう危ない」と言われながら、夫の両親が先に見舞うまで

我々夫婦の見舞いは止められていた。

だったら早く行けばいいのに、義母が「その気になれない」と言う。

伯母…つまり小姑には、大昔、まだ新妻だった頃に

ナンカきついことを言われたつらい記憶があるので

なかなか足が向かないそうだ。


何を甘ったれたことを言っておるのだ…

だったら、あんたの生んだ小姑はどうなるんだ…

私が「その気になれない…」なんてグズグズしてたら

あんたたちは腐乱死体かミイラだぞ…とも思うが

なにしろ義母は繊細?だから仕方がない。


やっと許しが出て、日曜日に夫と病院へ行ったが

叔父はすでに意識不明で寝ていた。

   「あ~ん!やっぱり!もう話が出来ないじゃんっ!」


為す術(すべ)もなく立ち去り

お見舞いを渡すために、その妻である叔母の家に向かう。

車でしくしく泣いて、夫にうるさがられる。


叔母の家のドアを開けると

劇的にかわいいトイ・プードルが顔を出した。

涙…瞬時に引っ込む。


間近で見るのは初めてだ。

友達の家に一匹いるが、土佐犬みたいに大きくて怖い。

友達はそいつをトイ・プードルだと言い張るが、私はかなり疑っている。


「息子が会社の人からもらって来たのよ~」

瀕死の叔父のことも忘れ、3人、犬の話でしばらく盛り上がる。


叔父の話になると

「みんな一回は通らないと、死ねないもんね~。

 あ、あんたたち、こんな犬が欲しいなら、頼んでみてあげるよ」

現実逃避ではなく、サバサバした性格なのだ。


残される叔母さんのことは任してください…

自分の身の丈も考えず、死にゆく叔父にそう誓う。


そういえば、別の親戚にも同じこと言ったな…

老後を不安がるあの人にも言った…この人にも一緒に住もうと言った…

数え直すと、夫の親戚だけで4人くらい口走っている。

友達にも5~6人。

親を加え、自分も入れると、総勢10数人の大所帯だ。

今のところは、幸いみんな持ちこたえている。


何人かはそのうちに欠けるとして…などと醜く算段。

それまでに私が先に死んでおくという手もあるが

こればっかりはどうにもならない。

もし生き延びたら、ウソ言ったみたいで嫌だしな…。


いっちょドカ~ンと老人ホームみたいなのを作るか…段ボールで。

場所は、以前から目を付けておいた橋の下。

もちろん私もそこで暮らす。

みんな、嫌だって言うだろうな~…ひひひ…


本当は、誰も人の世話になろうなんて思ってやしない。

でも、そんなことを考えていると、楽しくなる。
コメント (20)
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