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ウグイス日記・フィナーレの巻

2014年12月24日 21時22分54秒 | 選挙うぐいす日記
「祝勝会でもらった花束と折り鶴のレイ」



あんた、ナミ様のことばっかりで

肝心の選挙の方はどうなってるんだ…

そう思われる方がいらっしゃるかどうかは知らないが

一応したためておこう。

二期目は大きく票が減るという「二期目のジンクス」に添って

前回より大きく得票数を減らし、お陰様で無事当選した。


「二期目のジンクス」は、2回目という数の問題ではない。

現職で臨む初めての選挙という意味だ。

前回と比較して、現状維持や飛躍は難しいとされている。


初当選で得た票は、期待や激励だったが

今度はその票が成績表になる。

1年生議員がやれる仕事は限られており

成績表はおおむね点が辛い。


各方面にしがらみも生まれている。

現職としてのプライドもある。

陣営も慣れて危機感が薄れる。


4年前、ウグイス修行をした候補のお姉ちゃんは

現在教育関係の仕事をしているので、選挙には参加しなかった。

現職に向けられる目は厳しいのだ。

当選を目標に、やる気だけで臨んだ前回とは異なり

何かとやりにくいのが二期目である。


ジンクスに逆らって、前回より余計に取りたいなんて

青臭い野望は持たないが

せめて前回との差を少しでも縮めたい…というのが

我々の目標であった。

減った票から見えてくるものが必ずある。

若い候補にとって、今後の大きな糧(かて)になるはずだ。


票のほうはさておき、今回の選挙は

候補の演説に重点が置かれた。

うちの候補は街頭演説が得意ではあるが

若さやフレッシュをアピールすればよかった前回と違い

現職としての水準を模索していた。


候補に請われれば、演説の内容を一緒に考えるのも

ウグイスの仕事である。

朝に夕に、何度も2人で構成を練るが今一つ。

そのうち気がついた。

市長が原因じゃないのか…。


「俺は若い頃、毎日山に登って発声練習した」

「人の心をつかむ話をしなきゃダメだ」

子分可愛さから、市長にさんざん言われてきた候補だった。

これも現職のしがらみと言えよう。


しかし出陣式に駆けつけた市長の挨拶を聞くに

話す内容はたいしたことない。

圧倒的な声量と、イントロからサビへの盛り上げ方がうまいだけだ。


このカラクリを説明し

「うまく見せるのがうまいのと、本当にうまいのは違う」

「候補の方が断然うまい」

「あの人の椅子には、いずれ候補が座るのよ。

あ、もっと上を狙ってる?失礼」

構成なんかそっちのけで、そう言っていたらぐんと良くなった。


さて、このブログの検索ワードにも

ウグイスに関するものがたくさんある。

「選挙 ウグイス セリフ」

「ウグイス 最終日 セリフ」

「ウグイス しゃべる内容」

などである。


セリフに限界を感じたウグイスの検索によるものか

単に興味のある人が検索しているのかは知らないが

たいしたことを言う必要は無い。

一番大切なのは、名前だ。

時と場所に合わせ、候補の名前を心を込めて

幾通りにも言えるウグイスが良いウグイスだと

私は思っている。


また、多くの候補がひそかに、そして最も

ウグイスに望んでいるのは機転や美辞麗句ではない。

細かい地名である。


町名の改訂が行われ、一丁目、二丁目と

大まかにまとめられた場所で、あえて古い字(あざ)を使い

「○○地区の皆様」と呼びかけるのを好む。

そこに住む人にしか馴染みの無い呼び名を使って

親近感を表わしたいのだ。


しかし字名に詳しい地元在住のウグイスは

就職や高齢化で、もはや絶滅状態。

よそ者では難しいので、無理な要求をしないだけである。


ウグイスにとって、これはもろ刃のヤイバに等しい。

言えば候補は喜ぶだろうが、うろおぼえで言い間違えたら

致命傷である。

そんなに旧名がいいんなら自分で言えや!と言いたいが

そこはまあサービスの一環で、わかる所は言うように努める。

何十年も前の古い電話帳が、こんな所で役に立ったりする。


名前が大事、地名が有効といったって

やっぱり他のセリフも必要だ。

今回、候補を始め、各方面に一番ウケたオリジナルのセリフを

ご披露させていただこうかいの。

選挙カーの方向転換中など、時間的に余裕のある時の

長ゼリフだ。

「義理や人情、お好みご都合、さまざまおありでしょうけれども

どうか○○市の未来を見据えたご英断で

○○、○○を議会に送ってくださいませ」


ギャラが破格だったことと、4年後の予約を申し添えて

今回のウグイス日記を終わるとしよう。

メリー・クリスマス

〈完〉
コメント (13)
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