はじめに、gooブログの不具合でご迷惑をおかけしております。
数日前から編集画面にかすかな異変が生じ
昨日からコメント欄が応答しなくなりました。
コメントくださっているかた、そしてもしいらっしゃれば
コメントしようにもできないかた、申し訳ありません。
私も、せっかくくださったコメントにお返事ができないままです。
もう少し、様子を見させていただきますね。
本当にごめんなさい。
さて、手羽先餃子の作り方なんて知りたい人がいるんだろうか。
そもそも鶏の手羽先は、そのまんま塩胡椒を振って
魚焼きグリルで焼くのが簡単で一番おいしいと私は思っている。
手羽先餃子は面倒臭い。
餃子の中身を作り、それを手羽先に突っ込んで加熱するのは
二重の手間がかかる。
頑張ってこしらえても、しょせんは居酒屋メニューのB級料理。
冷凍の手羽先餃子も出回っているし、そっちの方が楽だ。
しかし今回は、マミちゃんと梶田さんが張り切ってくれている。
私が一品しか作らなくていいのは、珍しい機会だ。
珍しい機会だからこそ、適当な物を作って
「参加することに意義がある」
とタカをくくるわけにはいかない。
いつもは時間的な問題で作りにくい物を…そう考えてしまう。
しかし考えたところで、梶田さんの作るご飯ものと揚げ物を避け
マミちゃんの作る炒め物や煮物、サラダに汁物を避け
2人の料理の邪魔にならないものといえば手羽先餃子しか思い浮かばなかった。
これはお寺料理の前に、家で試作したもの
『骨との戦い』
手羽先餃子を製作するにあたり、一番の難関は骨抜きだ。
手羽先の身のある方に隠れている2本の骨。
これを抜き去った空洞に餃子のタネを詰めるのだが
この2本の骨が作り手を苦しめる。
手羽先餃子は手抜き料理どころか
骨を抜くために苦心惨憺する骨抜き料理なのだ。
思い返せば、手羽先餃子を初めて作ったのは10年前
県議選の選挙事務所の賄いである。
選挙で知り合った、一回り年上の友人ヤエさんが
作ろうと言い出した。
手羽先餃子といえば、居酒屋で注文する冷凍食品だと思っていた私は
自分で作れると知って驚いたものだ。
手羽先餃子といえば、まずは手羽先の骨を抜かなければならない。
ヤエさんの指導で数人が骨抜きに取り組んだものの
あまりの困難に脱落者が続出。
「やってられるか!」
そう叫んだ私も脱落者の一人。
今もそうだが、あの頃のヤエさんはもっと負けず嫌いだった。
キッチンバサミと手羽先をセットで渡された我々生徒?が
次々と投げ出すさまを見て、嬉しそうなヤエさん。
骨抜きには何やらコツがありそうだが、絶対に教えてくれず
一人でやり終えて満足そうだった。
それ以来、手羽先餃子は2年に1回程度作っている。
長男は手羽先餃子よりも普通の餃子が好きで
姑は偏食から鶏を食べないため
家族の5分の2が嫌がる、しかも手間がかかって面倒な物を
たびたび作る気にはならない。
それでも作るのは、骨抜きの攻略法を体得したいから。
ヤエさんにできて私にできない、その差を知りたいのだ。
近年になって、最初に手羽先の関節部分を前後に曲げたり
左右にねじったりして関節を外しておくと
あまり力を入れずに骨が抜けると知った。
しかし抜くべき2本のうち太い骨の方は
構造上、肉と密着しているのでやっぱり抜きにくい。
細い方の骨は関節を外しておけば簡単に抜けるが
太い方はどうしてもキッチンバサミを奥の方まで差し込んで
まとわりついている肉から切り離す必要があるとわかった。
ちなみに鶏の皮は、我々が思う以上に頑丈だ。
滅多なことで破れはしないので、思い切って作業をするといい。
さて、この日のお寺料理では44本の手羽先と格闘。
コツをつかんだとはいえ、前日の準備は時間がかかってしんどかった。
以前、田舎爺Sさんがアドバイスしてくれた
「それとわからない冷凍食品を使う」
というフレーズが、1本ごとに頭をよぎる。
同級生ルリ子の居酒屋へ行けば、ひと袋20本入りの冷凍手羽先餃子が
冷凍庫に入っている…
(ルリ子はこれをお好み焼きの鉄板で焼き、2本500円で客に出す)
近所のスーパーにも、冷凍手羽先餃子は売られている…
冷凍でも、多分わからないのではなかろうか…
などと考えつつ骨を抜いていたら、ものすごく疲れた。
『餃子のタネ』
骨を抜き終えたら、餃子のタネを作る。
これは豚のひき肉と、キャベツ、ニラ、ネギを混ぜ合わせて
すりおろしたニンニクやショウガ汁を入れ
塩胡椒や酒、醤油、ゴマ油なんかで味付けすればいい。
誰でも作れるので、細かい説明は省く。
ただし手羽先餃子に使うタネは、普通の餃子よりも
かなり濃いめに味付けした方がいい。
なにしろタネがペアを組む相手は、炭水化物でできた餃子の皮でなく動物だ。
しかも食べる時に餃子のタレはつけず、そのまま食す。
薄味だと鶏に負けてしまって味がボヤけ、美味しくない。
それから爆発を防ぐため、タネに片栗粉を混ぜこむ。
片栗粉を入れなくても大丈夫という説もあるが
私は爆発が嫌なので、おまじない気分で入れる。
片栗粉の量はタネの量にもよるが
中型のボール1杯のタネにつき、大さじ1杯程度でよかろうと思う。
私のやり方で特徴的なのは、キャベツをミキサーにかけることだろう。
これは中華の料理人から教わった。
軽く茹でたキャベツと、たっぷりの水をミキサーにかけたら
あっという間にみじん切りのキャベツができる。
それを水ごとザルにあけ、しばらく放置して自然に水分を切るのだ。
混ぜる時に水気が多いと思ったら、軽く絞る。
少量であれば手で刻むもよし、フードプロセッサーにかけるもよしだが
量が多い時はミキサーが断然早くて、不要な甘みや粘りが出ない。
『詰め』
手羽先の骨を抜き、餃子のタネを作ったら
スプーンで手羽先の中にタネを入れる。
慣れないうちはたくさん詰め込んでパンパンに膨らませがちだが
加熱すると手羽先は縮む。
一方でタネの方は野菜の水分が出て膨らむ。
その結果、タネが飛び出して汚くなるので
控えめに入れた方がいい。
『加熱』
手羽先餃子はそのまま焼くか、または揚げるのがポピュラーで美味しい。
が、今回は会食というのを考慮して
一度焼いた後、酒、砂糖、醤油の薄味で煮詰めてから持って行った。
焼いたり揚げたりよりも風味は落ちるが、生焼けだけは防げるからだ。
生焼けは、料理番としての信用を失う。
会食は美味しさより、信用だ。
もちろん自分一人であれば、じっくり時間をかけて焼く、または揚げる。
他にも料理に携わる人がいる場合、ガスコンロがいつ空くか予測できない。
共同作業に慣れてない人だと、自分の料理を仕上げるのに一生懸命で
他の人の都合は考えられない。
不穏な空気が流れるのは、こんな時だ。
それを防ぐために、ガスコンロは使えないものとして
家で仕上げて行くのである。
とまあ、お世辞にも手抜き料理とは言えない手羽先餃子。
しかしこれが作れたら、ちょっとやそっとでは型崩れしないので
ジップロックに入れて運搬するのがたやすい。
つまり持ち寄りや、おすそ分けに便利な一品である。
数日前から編集画面にかすかな異変が生じ
昨日からコメント欄が応答しなくなりました。
コメントくださっているかた、そしてもしいらっしゃれば
コメントしようにもできないかた、申し訳ありません。
私も、せっかくくださったコメントにお返事ができないままです。
もう少し、様子を見させていただきますね。
本当にごめんなさい。
さて、手羽先餃子の作り方なんて知りたい人がいるんだろうか。
そもそも鶏の手羽先は、そのまんま塩胡椒を振って
魚焼きグリルで焼くのが簡単で一番おいしいと私は思っている。
手羽先餃子は面倒臭い。
餃子の中身を作り、それを手羽先に突っ込んで加熱するのは
二重の手間がかかる。
頑張ってこしらえても、しょせんは居酒屋メニューのB級料理。
冷凍の手羽先餃子も出回っているし、そっちの方が楽だ。
しかし今回は、マミちゃんと梶田さんが張り切ってくれている。
私が一品しか作らなくていいのは、珍しい機会だ。
珍しい機会だからこそ、適当な物を作って
「参加することに意義がある」
とタカをくくるわけにはいかない。
いつもは時間的な問題で作りにくい物を…そう考えてしまう。
しかし考えたところで、梶田さんの作るご飯ものと揚げ物を避け
マミちゃんの作る炒め物や煮物、サラダに汁物を避け
2人の料理の邪魔にならないものといえば手羽先餃子しか思い浮かばなかった。
これはお寺料理の前に、家で試作したもの
『骨との戦い』
手羽先餃子を製作するにあたり、一番の難関は骨抜きだ。
手羽先の身のある方に隠れている2本の骨。
これを抜き去った空洞に餃子のタネを詰めるのだが
この2本の骨が作り手を苦しめる。
手羽先餃子は手抜き料理どころか
骨を抜くために苦心惨憺する骨抜き料理なのだ。
思い返せば、手羽先餃子を初めて作ったのは10年前
県議選の選挙事務所の賄いである。
選挙で知り合った、一回り年上の友人ヤエさんが
作ろうと言い出した。
手羽先餃子といえば、居酒屋で注文する冷凍食品だと思っていた私は
自分で作れると知って驚いたものだ。
手羽先餃子といえば、まずは手羽先の骨を抜かなければならない。
ヤエさんの指導で数人が骨抜きに取り組んだものの
あまりの困難に脱落者が続出。
「やってられるか!」
そう叫んだ私も脱落者の一人。
今もそうだが、あの頃のヤエさんはもっと負けず嫌いだった。
キッチンバサミと手羽先をセットで渡された我々生徒?が
次々と投げ出すさまを見て、嬉しそうなヤエさん。
骨抜きには何やらコツがありそうだが、絶対に教えてくれず
一人でやり終えて満足そうだった。
それ以来、手羽先餃子は2年に1回程度作っている。
長男は手羽先餃子よりも普通の餃子が好きで
姑は偏食から鶏を食べないため
家族の5分の2が嫌がる、しかも手間がかかって面倒な物を
たびたび作る気にはならない。
それでも作るのは、骨抜きの攻略法を体得したいから。
ヤエさんにできて私にできない、その差を知りたいのだ。
近年になって、最初に手羽先の関節部分を前後に曲げたり
左右にねじったりして関節を外しておくと
あまり力を入れずに骨が抜けると知った。
しかし抜くべき2本のうち太い骨の方は
構造上、肉と密着しているのでやっぱり抜きにくい。
細い方の骨は関節を外しておけば簡単に抜けるが
太い方はどうしてもキッチンバサミを奥の方まで差し込んで
まとわりついている肉から切り離す必要があるとわかった。
ちなみに鶏の皮は、我々が思う以上に頑丈だ。
滅多なことで破れはしないので、思い切って作業をするといい。
さて、この日のお寺料理では44本の手羽先と格闘。
コツをつかんだとはいえ、前日の準備は時間がかかってしんどかった。
以前、田舎爺Sさんがアドバイスしてくれた
「それとわからない冷凍食品を使う」
というフレーズが、1本ごとに頭をよぎる。
同級生ルリ子の居酒屋へ行けば、ひと袋20本入りの冷凍手羽先餃子が
冷凍庫に入っている…
(ルリ子はこれをお好み焼きの鉄板で焼き、2本500円で客に出す)
近所のスーパーにも、冷凍手羽先餃子は売られている…
冷凍でも、多分わからないのではなかろうか…
などと考えつつ骨を抜いていたら、ものすごく疲れた。
『餃子のタネ』
骨を抜き終えたら、餃子のタネを作る。
これは豚のひき肉と、キャベツ、ニラ、ネギを混ぜ合わせて
すりおろしたニンニクやショウガ汁を入れ
塩胡椒や酒、醤油、ゴマ油なんかで味付けすればいい。
誰でも作れるので、細かい説明は省く。
ただし手羽先餃子に使うタネは、普通の餃子よりも
かなり濃いめに味付けした方がいい。
なにしろタネがペアを組む相手は、炭水化物でできた餃子の皮でなく動物だ。
しかも食べる時に餃子のタレはつけず、そのまま食す。
薄味だと鶏に負けてしまって味がボヤけ、美味しくない。
それから爆発を防ぐため、タネに片栗粉を混ぜこむ。
片栗粉を入れなくても大丈夫という説もあるが
私は爆発が嫌なので、おまじない気分で入れる。
片栗粉の量はタネの量にもよるが
中型のボール1杯のタネにつき、大さじ1杯程度でよかろうと思う。
私のやり方で特徴的なのは、キャベツをミキサーにかけることだろう。
これは中華の料理人から教わった。
軽く茹でたキャベツと、たっぷりの水をミキサーにかけたら
あっという間にみじん切りのキャベツができる。
それを水ごとザルにあけ、しばらく放置して自然に水分を切るのだ。
混ぜる時に水気が多いと思ったら、軽く絞る。
少量であれば手で刻むもよし、フードプロセッサーにかけるもよしだが
量が多い時はミキサーが断然早くて、不要な甘みや粘りが出ない。
『詰め』
手羽先の骨を抜き、餃子のタネを作ったら
スプーンで手羽先の中にタネを入れる。
慣れないうちはたくさん詰め込んでパンパンに膨らませがちだが
加熱すると手羽先は縮む。
一方でタネの方は野菜の水分が出て膨らむ。
その結果、タネが飛び出して汚くなるので
控えめに入れた方がいい。
『加熱』
手羽先餃子はそのまま焼くか、または揚げるのがポピュラーで美味しい。
が、今回は会食というのを考慮して
一度焼いた後、酒、砂糖、醤油の薄味で煮詰めてから持って行った。
焼いたり揚げたりよりも風味は落ちるが、生焼けだけは防げるからだ。
生焼けは、料理番としての信用を失う。
会食は美味しさより、信用だ。
もちろん自分一人であれば、じっくり時間をかけて焼く、または揚げる。
他にも料理に携わる人がいる場合、ガスコンロがいつ空くか予測できない。
共同作業に慣れてない人だと、自分の料理を仕上げるのに一生懸命で
他の人の都合は考えられない。
不穏な空気が流れるのは、こんな時だ。
それを防ぐために、ガスコンロは使えないものとして
家で仕上げて行くのである。
とまあ、お世辞にも手抜き料理とは言えない手羽先餃子。
しかしこれが作れたら、ちょっとやそっとでは型崩れしないので
ジップロックに入れて運搬するのがたやすい。
つまり持ち寄りや、おすそ分けに便利な一品である。