3月5日、同級生のマミちゃん、モンちゃん、私の3人は
またもやユリちゃんの実家のお寺へ集まった。
今度は料理を作るためだ。
先日、グリーンカレーの会でお世話になった梶田さんも一緒。
話が盛り上がって、彼女も来ることになった。
この日は境内を美化する作業なので、檀家さんは参加しない。
お手伝いの男性が中心で、マミちゃんが事前に
ユリちゃんから聞いたところによると総勢14人という話だった。
この人数だが、私はいつもたずねない。
大勢が集まるお祭り以外は、たいてい12人から15人。
檀家の減少により、消滅寸前のお寺なので
どうあがいてもそれ以上にはならないのだ。
参加者が帰る時に持たせる余った料理のパックと
ユリちゃん一族の晩ご飯を考慮したら約30人分になるのは
もはや決定事項。
改めてユリちゃんにたずねるまでもない。
もちろん慣れないうちは、参加人数や米を炊く量が気になっていた。
しかし回数を重ねると、何をどうやったって30人分が必要だし
米は一升炊きの炊飯器で8合炊けばいいとわかってくる。
残った料理は多ければ多いなりに、少なければ少ないなりに
パック詰めしてお土産にすればいいし
ご飯の余りはおむすびにして、やはりパック詰めしておけば
欲しい人が競って持って帰る。
老人は、ご飯を炊く手間を省きたいものだ。
よって、今さらユリちゃんにたずねるまでもないのである。
余談になるけど、このおむすび…
米は、お寺のお供え物が支給されるが
おむすびに巻く味付け海苔は無いので私が持って行く。
残りご飯の身の振り方を心配したくなかったら
自分で持って行くしかないのだ。
そのため家族に食べさせる、ちょっと高級な味付け海苔の他に
安いお徳用の味付け海苔を常備している。
おむすびに不可欠な塩も、アジシオの方が抜群においしいので
お寺料理の時は必ず持参する。
身体には良くないだろうが、料理はハレとケのメリハリが大事。
たまに食べる物は、おいしい方がいい。
さらに余談になるけど、私が作るおむすびは小さい。
幅の細いお徳用の味付け海苔のサイズに合わせて
小さく握った俵むすびをズラリと並べるのが好き。
なぜ俵型かというと、三角型ではパック詰めが困難だから。
で、このおむすびを人に握らせると面白い。
小柄な人は、丸っこくて大きなおむすびを作ることが多く
天才画家、山下清のドラマを彷彿とさせる。
大きな俵むすびに、細いお徳用味付け海苔が巻かれたさまは
見苦しくも楽しい。
さて、この日を迎えるにあたり、一番張り切っていたのはマミちゃん。
グリーンカレーの会で気分が盛り上がり
「私、八宝菜と酢豚、作って行く!
それから干し大根、たくさんもらったから干し大根の料理も!」
と宣言。
「じゃあ中華繋がりで、私は春巻き!」
梶田さんも乗り
「じゃあ私は天津飯作る!」
私も乗った。
が、5日が近づいた3日の晩、マミちゃんが迷走を始めた。
「今日、ミネストローネたくさん作ったから
あさって持って行くね!」
LINEでそうおっしゃる。
おいおい、中華じゃなかったんかい。
それ以前に、今日作った物をあさって持って来るんかい。
マミちゃん、さらに続ける。
「酢豚は面倒だからやめて、八宝菜にする。
これから作るね!」
八宝菜も今日作るんかい。
大胆じゃ〜。
が、余計なことは言わない。
マミちゃんはやる気になっているのだ。
夏ではないし、大丈夫だろうと思うことにした。
思い返せば、いつぞやユリちゃんの嫁ぎ先のお寺に遠征した時
マミちゃんは素晴らしく美味しいビーフシチューを作って
大きなジップロックに3袋も持って来てくれた。
それを食べた私は、簡単には出せない深いコクに感嘆し
マミちゃんの底力を賞賛したものだ。
もしかして、あれも何日か前に作ったのか。
だったら納得できる。
ともあれマミちゃんがミネストローネと言うからには
すでに中華から逸脱したらしい。
私のほうも季節柄、生の小海老が出回っておらず
冷凍海老では味が変わるので迷走予定だったため
急きょ手羽先餃子に変更した。
それから梶田さんにも連絡を取る。
「天津飯やめるから、タコ飯作ってよ」
横文字料理のオーソリティー梶田さんだが、和食も作る。
中でもタコ飯の評判は、ユリちゃん夫婦から何度も聞いていた。
梶田さんは二つ返事で了承してくれ、春巻きと一緒に作ると言った。
しめしめ、これで主食の心配は無くなったぞ。
そして当日。
梶田さんもマミちゃんも私も家で作って来たので
わざわざ料理をする必要は無く、温めたり盛り付けるだけなので楽だった。
梶田さんは例のごとく、皿まで自前の盛り付け済みだ。
私も次から、温めなくていいものは自前の皿にしようと思った。
盛り付けの手間もあるが、ユリ寺の食器は寄せ集めなので
我々のパッとしない料理が、ますますパッとしないからである。

お寺の境内に咲くミモザが飾られたテーブルで、食事会の始まりだ。
14人と聞いていたが、雨模様だったこともあって
フタをあけてみたら、我々作り手を入れて9人。
つまりは身内ばかりの単なる昼ごはんだった。

梶田さん作のタコ飯。
この地方ではわりとポピュラーだが、下手な人が作ると生臭くなるタコ飯。
でも梶田さんのは、もっちりとして本当においしかった。

こちらも梶田さん作の春巻きとシュウマイ。
春巻きは時間が経っていてもパリパリしておいしい。
シュウマイは冷凍食品だそうだが、揚げてあるので香ばしかった。

私の手羽先餃子、マミちゃんのミネストローネと八宝菜。
お寺にスープカップなんて洒落たモンは無いので
ミネストローネはザンネンな汁椀に入れるしかない。

これはマミちゃん作、アボカドとキュウリと塩昆布の和え物。
味つけは塩昆布だけだそう。
あっさりしていて、おいしかった。
あとは、マミちゃん作の干し大根料理二品。
干し大根とニンジンの煮物
干し大根とキュウリとツナのマヨネーズ和えがあったはずだが
撮影し忘れたみたい。
干し大根のツナマヨは歯ごたえがあり、さっぱりしていて
あとを引く味だった。
マミちゃんに干し大根の処理の仕方をたずねたら
「水で戻した干し大根を茹でずにそのまま使うのよ」
そりゃあ歯ごたえが出る。
マミちゃん、どこまでも大胆。
さて、みりこん作の手羽先餃子だが
今日は長くなってしまったので、次回お話ししたいと思う。
またもやユリちゃんの実家のお寺へ集まった。
今度は料理を作るためだ。
先日、グリーンカレーの会でお世話になった梶田さんも一緒。
話が盛り上がって、彼女も来ることになった。
この日は境内を美化する作業なので、檀家さんは参加しない。
お手伝いの男性が中心で、マミちゃんが事前に
ユリちゃんから聞いたところによると総勢14人という話だった。
この人数だが、私はいつもたずねない。
大勢が集まるお祭り以外は、たいてい12人から15人。
檀家の減少により、消滅寸前のお寺なので
どうあがいてもそれ以上にはならないのだ。
参加者が帰る時に持たせる余った料理のパックと
ユリちゃん一族の晩ご飯を考慮したら約30人分になるのは
もはや決定事項。
改めてユリちゃんにたずねるまでもない。
もちろん慣れないうちは、参加人数や米を炊く量が気になっていた。
しかし回数を重ねると、何をどうやったって30人分が必要だし
米は一升炊きの炊飯器で8合炊けばいいとわかってくる。
残った料理は多ければ多いなりに、少なければ少ないなりに
パック詰めしてお土産にすればいいし
ご飯の余りはおむすびにして、やはりパック詰めしておけば
欲しい人が競って持って帰る。
老人は、ご飯を炊く手間を省きたいものだ。
よって、今さらユリちゃんにたずねるまでもないのである。
余談になるけど、このおむすび…
米は、お寺のお供え物が支給されるが
おむすびに巻く味付け海苔は無いので私が持って行く。
残りご飯の身の振り方を心配したくなかったら
自分で持って行くしかないのだ。
そのため家族に食べさせる、ちょっと高級な味付け海苔の他に
安いお徳用の味付け海苔を常備している。
おむすびに不可欠な塩も、アジシオの方が抜群においしいので
お寺料理の時は必ず持参する。
身体には良くないだろうが、料理はハレとケのメリハリが大事。
たまに食べる物は、おいしい方がいい。
さらに余談になるけど、私が作るおむすびは小さい。
幅の細いお徳用の味付け海苔のサイズに合わせて
小さく握った俵むすびをズラリと並べるのが好き。
なぜ俵型かというと、三角型ではパック詰めが困難だから。
で、このおむすびを人に握らせると面白い。
小柄な人は、丸っこくて大きなおむすびを作ることが多く
天才画家、山下清のドラマを彷彿とさせる。
大きな俵むすびに、細いお徳用味付け海苔が巻かれたさまは
見苦しくも楽しい。
さて、この日を迎えるにあたり、一番張り切っていたのはマミちゃん。
グリーンカレーの会で気分が盛り上がり
「私、八宝菜と酢豚、作って行く!
それから干し大根、たくさんもらったから干し大根の料理も!」
と宣言。
「じゃあ中華繋がりで、私は春巻き!」
梶田さんも乗り
「じゃあ私は天津飯作る!」
私も乗った。
が、5日が近づいた3日の晩、マミちゃんが迷走を始めた。
「今日、ミネストローネたくさん作ったから
あさって持って行くね!」
LINEでそうおっしゃる。
おいおい、中華じゃなかったんかい。
それ以前に、今日作った物をあさって持って来るんかい。
マミちゃん、さらに続ける。
「酢豚は面倒だからやめて、八宝菜にする。
これから作るね!」
八宝菜も今日作るんかい。
大胆じゃ〜。
が、余計なことは言わない。
マミちゃんはやる気になっているのだ。
夏ではないし、大丈夫だろうと思うことにした。
思い返せば、いつぞやユリちゃんの嫁ぎ先のお寺に遠征した時
マミちゃんは素晴らしく美味しいビーフシチューを作って
大きなジップロックに3袋も持って来てくれた。
それを食べた私は、簡単には出せない深いコクに感嘆し
マミちゃんの底力を賞賛したものだ。
もしかして、あれも何日か前に作ったのか。
だったら納得できる。
ともあれマミちゃんがミネストローネと言うからには
すでに中華から逸脱したらしい。
私のほうも季節柄、生の小海老が出回っておらず
冷凍海老では味が変わるので迷走予定だったため
急きょ手羽先餃子に変更した。
それから梶田さんにも連絡を取る。
「天津飯やめるから、タコ飯作ってよ」
横文字料理のオーソリティー梶田さんだが、和食も作る。
中でもタコ飯の評判は、ユリちゃん夫婦から何度も聞いていた。
梶田さんは二つ返事で了承してくれ、春巻きと一緒に作ると言った。
しめしめ、これで主食の心配は無くなったぞ。
そして当日。
梶田さんもマミちゃんも私も家で作って来たので
わざわざ料理をする必要は無く、温めたり盛り付けるだけなので楽だった。
梶田さんは例のごとく、皿まで自前の盛り付け済みだ。
私も次から、温めなくていいものは自前の皿にしようと思った。
盛り付けの手間もあるが、ユリ寺の食器は寄せ集めなので
我々のパッとしない料理が、ますますパッとしないからである。

お寺の境内に咲くミモザが飾られたテーブルで、食事会の始まりだ。
14人と聞いていたが、雨模様だったこともあって
フタをあけてみたら、我々作り手を入れて9人。
つまりは身内ばかりの単なる昼ごはんだった。

梶田さん作のタコ飯。
この地方ではわりとポピュラーだが、下手な人が作ると生臭くなるタコ飯。
でも梶田さんのは、もっちりとして本当においしかった。

こちらも梶田さん作の春巻きとシュウマイ。
春巻きは時間が経っていてもパリパリしておいしい。
シュウマイは冷凍食品だそうだが、揚げてあるので香ばしかった。

私の手羽先餃子、マミちゃんのミネストローネと八宝菜。
お寺にスープカップなんて洒落たモンは無いので
ミネストローネはザンネンな汁椀に入れるしかない。

これはマミちゃん作、アボカドとキュウリと塩昆布の和え物。
味つけは塩昆布だけだそう。
あっさりしていて、おいしかった。
あとは、マミちゃん作の干し大根料理二品。
干し大根とニンジンの煮物
干し大根とキュウリとツナのマヨネーズ和えがあったはずだが
撮影し忘れたみたい。
干し大根のツナマヨは歯ごたえがあり、さっぱりしていて
あとを引く味だった。
マミちゃんに干し大根の処理の仕方をたずねたら
「水で戻した干し大根を茹でずにそのまま使うのよ」
そりゃあ歯ごたえが出る。
マミちゃん、どこまでも大胆。
さて、みりこん作の手羽先餃子だが
今日は長くなってしまったので、次回お話ししたいと思う。