殿は今夜もご乱心

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ウグイス日記・練習の巻

2014年11月25日 16時17分33秒 | 選挙うぐいす日記
5日目の朝のことである。

選挙事務所に出勤すると、ナミ様が駆け寄って来て

こう宣言なされた。

「私、今日から頑張ります!」

じゃあ昨日までは何だったんでございましょう…

そうたずねたいのは山々だが、大人げないので言わない。


「昨日の夜、師匠から、ちっともしゃべってないじゃないの!

もっと練習しなさい!って叱られました」

ナミ様はおっしゃる。

「師匠と会ってないのに、何でしゃべってないってわかるの?」

「あの…弟子の人達が乗った選車とは何度か会っているので

そっちから情報が入ってて…」


そこへ候補が苦笑まじりに続ける。

「さっき、僕にも電話がありました。

うちの◯岡をもっとしゃべらせてくださいと。

でないと修行に出した意味が無いそうです」


この時点で、私の立てた「師匠ザンネン説」は

仮説から確信へと変わった。

「人が命がけでやってるイクサで、練習かい。

ここで練習して、本番はいつじゃ?衆議院か?」


「いえ…あの…師匠は私のためを思って…」

けなげに師匠をかばうナミ様。

「忙しい候補にまでわざわざ電話するなんて、アホとしか思えん」


尊敬してやまない師匠をアホと言われ、奮起したのか

それともこの話題を終わらせたいのか、ナミ様は言うのだった。

「とにかく私、頑張りますから!」


その言葉通り、ナミ様は頑張った。

耐久時間が10分から15分に伸びた。

ナミ様のように、まだ喉から声を出している段階のウグイスにとって

この5分はかなり頑張っている。

よっぽど師匠が怖いのだろう。


だが、チームの先輩達が乗った選挙カーが近づくと

怯えてマイクをこっちへ渡す。

長持ちしない理由は、ここにもあるらしかった。

私は先輩達の声を知らないので気がつかなかったが

ナミ様は遠い声でも敏感に聞き取っているのだ。


先輩の乗った選挙カーは4台ある。

他にも何台か、師匠の息がかかったウグイスがいた。

しばらく進むと、すぐにどれかの車に近づく。

ナミ様は、それらにいちいち怯えていたのだった。


「やっておかないと、告げ口されるんでしょ?

それが嫌なんでしょ?」

「そうなんですけど…緊張してしまって…今はちょっと心の準備が…」

「やれ!」

ナミ様は渋々マイクを持ち直す。


「行け!やってやれ!負けんな!よっしゃ!いいぞ!」

横で言ってやると、リポビタンDより効くようだ。

「みりこんさんが励ましてくれたので、先輩の前でもできました!」

嬉しそうに言うのが可愛らしいではないか。


「こんなに楽しくて、いいんでしょうか?」

ナミ様は何度も私に問いかけるのだった。

「いつもは、あと何日って、早く終わるように祈ってばかりですけど

ここは、もうすぐ終わっちゃうのがもったいない…」


ナミ様はこの仕事について

「厳しくて険しい道」「叱られるのが仕事」「毎日が修行」

と言うけど、それは多分ナミ様が

師匠や先輩達にいじめられているのだ。

何でいじめられるか…可愛いからだ。

どこへ行っても師匠や他の弟子をさしおいて、チヤホヤされるからだ。


それに師匠、取引先に問題あり。

戦歴を聞くに、嫌われ者の選挙が多い。

ヒステリー、勘違い、無能の三拍子が揃っている議員だ。

そういう人は秘書がコロコロ変わるので、すぐわかる。

事務所も選車の中も雰囲気が悪く、ウグイスにも当たり散らす。

そりゃきつい、つらい、しんどいの三拍子だ。


ともあれ、選挙戦は今日を入れてあと3日しかない。

人の選挙を練習と言い切れる、すごい師匠に会えないまま

終わらせるわけにはいかん。

師匠ザンネン説を確信しているからこそ、この目で見たいぞ!


楽しみにしていたが、5日目も会えずじまい。

ありえん。

コースが漏れているのは、もはや確実となった。

ナミ様が活動の合間でメールをやり取りしている相手は、師匠ということだ。


選挙はできるだけ、よその選挙カーが行ってない地域に行く方が

効率が良い。

ブッキングすれば、しらじらしいエールを送り合わなければならないし

狭い道で離合する羽目になったら、大きな時間のロス。

停車中や離合中は、静かにしていないといけないからだ。

せっかく行った場所へ後から別の候補が来るのも、なにげに残念なもの。

たとえ1台でも、よそとは会いたくないのが本音だ。


別の候補が回るコースを知っていれば、少なくとも

その選挙カーとの遭遇は避けられる。

候補同士が懇意とはいえ、見栄えの良い若者のこちらと

アラ70のハゲたおじいちゃんのあちらとでは、意識しないわけがない。

だから師匠は避ける。


しかしこうまで会わないとなると、電話でチャチャを入れる暇はあっても

心配なはずのナミ様が独り立ちされたお姿を

一目見たい親心は無いらしい。

戦略というより、私を避けているような気すらしてくるではないか。

この分だと、師匠を目撃できないまま終わってしまうわ!

ひそかに焦る私だった。

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4 コメント

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おひさ~~~^^ (みなみかぜ)
2014-11-25 17:11:02
30日が投開票?もう数日楽しんでね!!

実は、今更ですが 我慢の限界に来て
もう いいんじゃないか?と 思いまして。
これまでの我慢を 我慢と思わず修行と考え 一足先におさらば!!の事態になっております。

これからの生活の事 先行き真っ暗ですが、言ったらスッキリと 後悔(これまでの色んな事我慢だったのかな?とか)が 出たり消えたりですが
息子も もう いいんじゃない?って あとを押してくれました。
何も言わないより しないよりイイんじゃないか?
と 思う次第です。
は~~!!長かった! 子育て期間とほぼ一緒だから 22年?
私頑張ったよね!
 もういいよね! そう思うけど これまでの時間なんだったんだろう?って ついね。思います。
 お邪魔しました。
返信する
もういいでしょう (みりこん~みなみかぜさんへ)
2014-11-25 21:06:27
よく頑張ったね!
今までは何だったのかって、お子さんを養育するためよ。
美しくて立派な足跡よ。

後に残ってるのは介護じゃん。
芯から腐ってるヤツって長引くよ。
業が深いから。
かったり~じゃん。
もったいね~じゃん。

今まで頑張った根性があるんだから、絶対大丈夫よ。
お子さん達も応援してくれるでしょう。
あ、爺さんの年金分割の手続きは、忘れず条件に入れてください。
25年未満だから多少、少ないかもしれないけど
あるのと無いとじゃ大違いだから。

投票日はもう終わったんよ。
今度はちょっと長く続けているので。

身体にはくれぐれも気をつけてくださいね。
どっちに転んでも大丈夫なように、お祈りしております。
返信する
厚顔無恥な師匠だ! (すみこはん)
2014-11-27 14:44:55
みりこん大海の砂浜に立って

ヒタヒタと打ち寄せるみりこん波に

ナミ様が知らず知らず足元を濡らし始めている

やがて全身を濡らし泳ぎ始めたとき

ナミ様は知るだろう

本物の『師匠』の厳しく、温かい、広い心を

インチキ師匠と本物師匠の激突の火種は

既にくすぶり出していて

やがて、すぐに火花を散らすだろう

我々無責任な見物人は

無責任に胸を躍らせながら

なるべく大きな火花が炸裂するのを

期待を込めて待っている

(今回はちょっとポエム風に)
返信する
素敵なポエ~ム (みりこん~すみこはんへ)
2014-11-27 21:24:31
ありがとうございます(笑)

火花か~!
いっそでっかい花火にしたいところですけど、地味です。
でも師匠のおかげで、かなり面白かった。
こういうのもいないと、気分が盛り上がらないわ!





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