本当に行ってきてしまいました。Sekai no Owariさんのコンサート。 まさかこんな挑戦をするとは我ながら驚きでしたが、どうしても行ってみたくて、「一人で?こんな暑いのに?本当に?」と不思議がられながらも、野外コンサート等に慣れている友人たちにさまざまなアドバイスを頂いて、完全防備して出掛けて行きまし……
た。と言いたいところだったのですが、覚悟が甘かったです。荒天を心配していましたが、どちらかというと晴れ過ぎなお天気は攻撃的。入場時刻がどうしてあんなに早いのかも分からないまま、ついいつものクセで入場時刻にはきっちり入場し、椅子に座って特にすることもなく待っていたら(入口で特に何もパンフレットやチラシを貰う訳でもないので、読むものもない)、その間にちょっと暑さでやられました。「さぁ、時間だ!はじまるぞ!」と思ったら、外国人のかわいい男の子が出てきて、40分近くのパフォーマンス。その間も立って応援する流儀らしく、すっかりくたびれてしまいました。「新曲をライブで歌うのは実は此処が初めてです!」とのお話にも、さほど大きな声援が湧かなかったので、まだ若い人にもそれほど有名じゃないのかな?ジャスティン・ビーバーの若いころみたいな方でした。今後有名になって、「あ、あたし、この人、生で見た」ってなるのかな。
その後、数十分の準備が行われ、ついにスタート。流石に、テレビやネットで見慣れた4人が目の前で奏でてくれるのはちょっと感動。(なんと撮影自由なんですよ。この手のライブはそーいうもんなんですね。なのに、この1枚しか撮らなかった私はプロ失格でしょう) 「わー、Nakajinくんはやっぱりハンサムだなぁ。」とか、「DJ Loveさん(←ピエロのひと)の頭デカっ」などとそれなりに楽しんでいました。あまりにも、音程がしっかりしている歌声に最初、「歌って……ない?」と心配しましたが、途中からアドリブも加わっていったので明らかに生で歌っている様子。テレビなどでは時々、危ない歌声なこともあったのでどうなのかなぁ?などと思っていましたが、すごく上手な人なんだ、と改めて感動。途中には、ピアノだけとギターだけの演奏で1曲ずつの披露もあり、とてものびやかないい声。あの2曲を聴けただけでも、行った甲斐があったなぁと思いました。
もともとこのバンドに出会ったのはラジオ。どんな人たちなのか何人の構成なのかも分からず、「ピアノがいいなぁ。太鼓がいいなぁ」と思っているうちに、出る曲出る曲好きで、いつの間にか「ファン」と名乗るまでになっていたわけですが、やはりピアノがとても良かったです。Saoriさんという唯一の女性が弾いています。あまりにも「イッちゃってる」ピアニストって、見ていて私は少し引いちゃうんだけど、彼女はちょうどいい情熱度の魅せる弾き方で、かなりカッコいい。いまどきの機械音の中にいてこそ光る鍵盤のチカラっていうか。それを見せつけてくれる感じです。本当にいい。
帰り道にボロボロになりながら吊革にぶら下がって考えたのは(予想以上に遅く、終電にも間に合わず、途中の駅まで主人に迎えに来てもらうという体たらく。しかも発熱→翌日の撮影を免除してもらうという情けなさ炸裂。とほほ)、オペラやクラシックのコンサートは、演目を客席に届けるための舞台であるのに比し、この手のコンサートは、演者自体が楽しんでいる物を彼ら自身に魅せられた人々が「見せていただく」ものなんだな、ということ。それは多分、彼らだけじゃなくて、この手の(POPSと括る?なんて呼ぶのが正しい?)音楽全部に共通すること、クラシックとは大きく概念が違うところなんだろうな、と思いました(勿論、クラシックでも本人のファンで集うコンサートもあるけどね)。
周囲で、彼らの一挙手一投足に対して「きゃぁぁぁぁぁぁ♪!♡」と倒れそうになっている子たちにいちいち驚いてしまったり、「歌って!」とFukaseくんがマイクを客席に向けてしまう時に『あぁ、このサビは是非あなたの綺麗な声で聴かせて欲しい』と願ってしまうのが多分間違いであることなどからも、ライブを楽しみきれていないんじゃないかと残念にも思ったりして。でも、私なりに楽しかったのです。本当に。こんなクールな口調でブログ書いちゃってるけど、アンコールのときは、なんのことはないわーわー泣いてたしね、私も。
隣の席の若者が「これ、良かったら。」と私はgetすることが出来なかった銀色のリボン(演出の中でバズーカみたいなのから会場に降る。写真参照)をおすそ分け下さったり、逆隣の席のお嬢さんに「すっごく元気になりましたよね!次もまた絶対来ます!」と話しかけて頂いたりして、とても嬉しかったけど……おばちゃん、次、自信ないっす。
この作品がオペラになっていると知ったのはいつごろだったんだろう。「観てみたいような、観たくないような」と思ったのは、前回の新国立公演のときだったのでしょうか。
6月に新国立で「沈黙」公演があるのは随分前から知っていて、行かれる時期だって分かっていたけど敢えてチケットは買っておらず、ほんの数日前になって、一応……と覗いてみたところが、足利第九演奏会でソリストにいらしてくださった方が何人もキャストを務められる日に、ものすごくイイ席がぽっかり空いている……。「行けってことだろうなぁ。」と、半ば勢いでチケットを購入しました。
原作をもう一度読み直してから行くべきだろうなって、読んでみて。感想も反応も思いも何もかもが20代前半に読んだ時と変わっていない自分に、何だかガッカリして、事件も政治も私を落ち込ませるばかりの6月後半の日々を、暗澹とした思いで過ごしていました。そういう時に限って、仕事でもプチミスを繰り返したりするんだよねー、もう……。
このオペラを創っていく過程で、いかに原作を大切に扱っていたかが伝わってくるような、そんな音楽と歌と舞台でした。あの舞台に乗っている人たちは、きっと苦しいだろうなぁ、と想像しながら、でも「伝える」ために必死で奏でているんだろうなぁ、と感謝の思いが湧いてきたカーテンコールでした。