ここ数日、私は敢えてテレビのニュースを見ていません。1日遅れのニュースを新聞で読むだけでも、写真業は別に支障なくやっていかれるので。
ニュージーランドの地震に関する報道を見ていることができません。
地震の事実と救助隊の活躍は、報道の意味があると思います。でも、救助を信じて不安な旅に飛び立つ被害者家族のインタビューを私は見たくありません。被害者家族の皆さんが待機していた控え室を無理矢理撮影した映像を見たくありません。将来的には必要な研究だと思いますが、まだその瓦礫の中で苦しんでいる人々がいると思っている今、そのビルが地震で倒れた様を模型で生々しく説明するのを私は聞きたくありません。
報道には重い責任があると思います。戦地で心を鬼にしてカメラを向けなくてはならないことは、カメラを生業にするようになった今、意味を感じられるようになりました。でも、今私達がニュースで目にするニュージーランド報道には、ワイドショー的な要素が強過ぎるような気がしてなりません。
でも、どうしようもないから、私は暫くテレビでニュースを見ないのです。