毎週、合唱団の練習の帰り道、高校生男子のアッシーをしています。その5分ほどの会話が大変みずみずしい。彼は芸術に対して独自の考えをしっかり持っており、目からウロコなこともしばしばです。5歳から友だちなので、私としては感無量。で、先週の会話の中で、「私は、結末をボカした作品が好きなので、多分映画という媒体がそんなに好きではない。」と言いました(ちょっと気取ってたかも)。
それは、「小説を読む」という行為と比べて言ったのですが、『いいね!』と思っていた本が映画化されて、いそいそと観ると、かなりの確率で、『観なければ良かった』と思ってしまうので。たとえば、私のイメージしていた人物像ではなかったり、原作ではボカして、読者の想像にすべてをゆだねていたはずの結末が、ビビッドに説明されてしまったり。せっかく、私の中で作り上げていた私なりのその作品との関係を、強制的に方向修正されてしまう気がして(少なくとも、そのあとはその役者さんの顔が浮かんじゃうし)。
ただ、先日観た映画、「マリーゴールドホテルで会いましょう」は、その観点でいうと、かなり新鮮でした。
原作と見事なまでに、全然違う。もしかしたら、ご覧になる方がいるかもしれないから詳細は書かないけど、ここまで裏切られるとチョット爽快。ストーリーも、人物描写も、結末も、漂う空気感も、全く違うものでした。原作者はコレでいいんだーって心配しちゃったほど(笑)。で、私はこの作品で言う限り、映画の方が何倍も好きでした。また一つ、何回も繰り返し観たいな、と思う映画に出会えました。きっとDVD買うから、ご興味のある方は、TSUTAYAならぬ、WAKAOKAMIYAにレンタルご予約を。
来週の車中でちょっと訂正だな。「若者よ!やっぱ、映画いいぞー!」ってね。