なんだかチョットご機嫌だったとき、洋服やさんを覗きました。普段は見向きもしないようなフレアースカートが、妙に気になり手にとりました。すかさず店員さんが忍び寄ってきて、「オススメですよー」とか、「その柄、すっごい人気ですー」とか、「ご試着こちらですー」とか、私を巧みに誘導してくれました。
ご機嫌だったせいでしょうか、「あれ?結構、似合ってるかも。でもなー、さすがにお花柄はラブリー過ぎるよなー。」と思ったころに、「いかがですかー?サイズ、いいですかー?」と店員さんの声。一応、せっかく薦めて下さったんだし、とカーテンを開けると、
「きゃぁぁぁ!すっごい似合うじゃないですか!もう、普段パンツしかはかないなんて仰るから、どうかなーって思ったんですけど!私、いまトキメキましたよ!!だって、足のラインとかだって、ちょうどほら……」
……つい。
「あの。もう、いいですから。」と、手で制する仕草をしてしまいました……。
試着室から出てきたら、その店員さんが居なくなっていました。
ちょうど休憩時間になったのかもしれないし、偶然電話が入って奥に行ったのかもしれないけどー。もしかして、私のコトバと手の仕草に傷ついて、カウンターの裏で凹んでたら、どーしよー。今夜、「やっぱり、私、辞めようかな、この仕事……」とか悩んじゃったら、どーしよー。実際、気に入ってたんだから、素直に誉め言葉を受け取って、「えー?ほんとにー?ありがとー。買っちゃう!」って言えばよかったのにーー、わたし。悪かったなぁ……(泣)。
せめて、残っていた店員さんが、「あのお客さん、買って行ったよ、あのスカート!」と伝えてくれたらいいなーと思って、買ってきちゃいました、ラブリーな花柄onギンガムチェックのフレアースカート。きっと、これも何かの縁。本当にトキメくほど似合ってるのかも……しれないしね!未知の世界に一歩踏み入れさせてくれた店員さんに感謝して。